猫の粗相の原因はトイレへの不満にあった?快適なトイレ環境の作り方

猫の粗相の原因はトイレへの不満にあった?快適なトイレ環境の作り方

猫がトイレ以外の場所で排泄をしてしまう「粗相(そそう)」など、トイレのしつけで悩んでいる飼い主さんは少なくありません。粗相の原因は、「猫砂が少ない」「トイレが汚れている」など、トイレの環境にあるケースも。トイレ環境の見直しが、粗相の改善につながることもあります。

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おうちで過ごす時間が増え、ペットと一緒の生活に癒しや安らぎを求めて、猫をお迎えする人が増えています。
ただ、猫ちゃんとの暮らしには、かわいいだけではな、日々のお世話もつきものです。欧米では、アニマルシェルターに保護されたペットの多く、排泄の失敗、つまり「粗相(そそう)」理由飼い主に捨てられてしまってやってきという、悲しいデータあります。
トイレ以外の場所でウンチやオシッコをしてしまう「粗相」を改善するにはどうしたらいいのか、猫ちゃんも飼い主さんも幸せになれる「トイレ環境」づくりのポイントを見ていきましょう!

猫がトイレで「猫砂」を使うのはなぜ?

猫がトイレで「猫砂」を使うのはなぜ?

猫のトイレの必需品といえば、なんといっても「トイレ容器」と「猫砂」です。犬の場合はトイレトレーにペット用シートを敷くのが一般的ですが、なぜ猫は「猫砂」を入れるように推奨されているのでしょうか。
その理由は、猫の祖先をたどってみると見えてきます。
私たちの暮らしに身近な猫たちは、正式な学名を「イエネコ」といい現存する動物のなかで、もっとも古いイエネコの祖先は、リビアヤマネコと考えられていますリビアヤマネコは、イエネコより少し大型で四肢が長いものの、見た目はまさに猫!中東やアフリカの砂漠地帯を中心に生息しています。
リビアヤマネコは群れをつくらず、単独で狩りをするハンター。砂漠に自分の排泄物のニオイが残っていては、獲物の小動物に気づかれて逃げられてしまう上、自分自身が天敵から狙われる危険も高まります。ウンチやオシッコをしたあとに砂で隠すのは、自分のニオイを隠すための本能です。リビアヤマネコから枝分かれしてきたイエネコも、その習性を受け継いでいると考えられています。

本来の排泄行動のステップをチェック!

本来の排泄行動のステップをチェック!

猫の排泄行動には、5つのステップがあります。

1.ウンチやオシッコをしようとする場所のニオイを嗅いで確認する。

ウンチやオシッコをしようとする場所のニオイを嗅いで確認する

2.前足で砂をかき分けて、排泄しようとする場所に小さなくぼみを作る。

前足で砂をかき分けて、排泄しようとする場所に小さなくぼみを作る

3.腰を落としてしゃがむ姿勢をとり、排泄をする。

腰を落としてしゃがむ姿勢をとり、排泄をする。

4.自分の排泄物のニオイを嗅いで確認。

自分の排泄物のニオイを嗅いで確認。

5.前足で、排泄物に砂をしっかりかぶせて隠す。

前足で、排泄物に砂をしっかりかぶせて隠す。

この5つのステップは、野生の猫でも、おうちで飼われている猫でも変わりません。もし5つの排泄行動のうちどれが抜けていたり、違った行動をしたりしている場合には、猫ちゃんトイレになにかしらの違和感を覚えている可能性があります。

トイレに不満があると、粗相の原因に?

猫はとてもキレイ好きな動物です。トイレが排泄物で汚れていたり、砂のかき心地が悪かったりすると、トイレの中でウンチやオシッコをするのを嫌がって、トイレ以外の場所で排泄をしてしまうこともあります。

「トイレに出入りする時、へりに足が2本以上乗っている」「排泄中、トイレのへりに足を置いているか、上げている」「排泄前に砂を掘らない」…トイレの時、猫ちゃんがこんなしぐさをするのを見たことはありませんか?
ユーモラスな行動にも見えますが、実はこれは笑ってそのままにしておいてはいけない「トイレいやいやサイン」の可能性があります。「このトイレは使いたくない!」「ここでは気持ちよくウンチやオシッコができないよ!」と、飼い主さんにメッセージを発しているのです。

トイレいやいやサインの一例

トイレのヘリに足をかけて排泄 トイレのヘリや壁などをかく 排泄後、砂かきせず急いで出る 空中をかくようなしぐさをする トイレいやいやサイン

出典 Cottam N, J Feline Med Surg. 9:44-50 (2007)

「トイレにいる時間が短い」「トイレに近づくものの、用を足さずに立ち去ってしまう」「排泄物を隠そうとしない」「トイレに入ってもすぐに飛び出す」…こんなしぐさも要注意! こうしたサインがあらわれたら、トイレ環境を見直してあげると良いかもしれません

猫の理想のトイレ環境とは?

では、猫にとって理想のトイレ環境を作るためには、どんな点に気をつければ良いのでしょう?
猫砂の種類や量、猫トイレ容器の形状、掃除の頻度など、理想のトイレ環境づくりに大切なポイントはたくさんあります!

そこで、アメリカの全米猫獣医協会AAFP(American Association of Feline Practitioners)と国際猫学会ISFM(International Society of Feline practitioners)が公表している猫の飼い方ガイドラインにある「猫砂選び方トイレ容器の大きさのポイントについて、一部抜粋して紹介します。

POINT

1.猫砂の選び方のポイント

粒が細かく、砂状のもの
無香料のもの
オシッコが固まるタイプのもの

※1 ここから先は外部サイトへ移動します。価格やサービス内容については、各サイトに記載されている内容をよくお読みになり、ご自身の責任でご利用ください。

※2 通販限定販売品は、「取扱店舗を探す」ではご案内しておりませんのでご了承ください。

POINT

2.トイレ容器の大きさのポイント

猫の体長の1.5倍以上

  • トイレの中で、猫が自由に方向転換をするために必要な広さ。

ただ、「猫の体長の1.5倍以上」と聞いても、どのくらいの大きさのトイレを選べば良いのか、ピンときませんね。実際に猫が好むトイレの大きさは、どのくらいなのでしょうか。

ライオン商事では、国内の中型の猫ちゃんを対象に、猫が好むトイレの大きさを検証する行動調査を行い、2020年2月に日本獣医内科学アカデミー学術大会にて発表ました。この発表内容は、横幅40cm50cm60cmの3種類の大きさのトイレ容器を用意し、どのトイレが猫に好まれるかを調査たものです。

猫ちゃんが好むトイレの大きさとは

横幅50cm以上のトイレであれば、猫が好んで使ってくれる傾向にある

※出典:ライオン商事株式会社 井上悠美ら、猫が好むトイレ用砂(猫砂)およびトイレ容器の大きさに関する検討、日本獣医内科学アカデミー学術大会、2020年

この行動調査により、横幅50cm以上のトイレであれば、猫好んで使ってくれる傾向にあることがわかりました。猫が安心して排泄行動をするためには、トイレ容器の大きさも重要な要素であることがわかりますね。

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※2 通販限定販売品は、「取扱店舗を探す」ではご案内しておりませんのでご了承ください。

また、猫砂の量は、本来の排泄行動である砂かきができるよう、たっぷり入れる必要があます。「ニオイをとる砂」(鉱物系)と「獣医師開発猫トイレ」をセットで使用する場合は猫砂を深さ5cmを目安にしてトイレに敷き詰めるようにすると良いでしょう。

  • 東京猫医療センター服部獣医師とライオン商事獣医師の共同開発

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トイレはいつも清潔に

トイレはいつも清潔に 猫 キレイ好き

猫はキレイ好きなので、猫砂、トイレ容器の管理も大切なポイントです。
ウンチ、オシッコは、少なくとも1日に1回、できれば毎回除去します。
ウンチやオシッコを除いて猫砂が減ったら、その分を補充するとともに、少なくとも月に1回は容器内の猫砂を全部捨て、新しいものに交換しましょう。トイレ容器に排泄物が付着してニオイがついている場合は、水洗いして清潔に保つことも大事です。

理想のトイレ環境に近づけるためのチェックリスト

理想のトイレ環境に近づけるためのチェックリスト

猫ちゃんが気持ちよく排泄するためには、理想のトイレの環境整えていくことはとても大切!猫ちゃん飼い主さんにとって理想のトイレ環境けるポイントを、あらためてチェックリストにまとめました。

猫砂

粒が細かく、砂状で重みがあるもの
 一般的に鉱物系の猫砂が好まれると言われています。
オシッコが固まるタイプ

トイレ容器

□大きさは猫の体長の1.5倍以上。横幅50cm以上がおすすめ!
□砂がたくさん入る深さ
□猫が出入りしやすいよう、入り口は低め
□用を足したことに気づきやすいオープンタイプ
□リビングの片隅など目が届く場所に置いて、いつでも健康チェックができるように
□いつも清潔なトイレが使えるよう、トイレの数は猫の頭数+1個

トイレの掃除

□ウンチ、オシッコは毎回除去(少なくとも1日に1回)
□猫砂は週に1回〜月に2回のペースで全量交換(少なくとも月に1回)
□水洗いして清潔に保つ

粗相(そそう)を繰り返猫ちゃんの飼い主さんは「どう対処たら良いかわからない」と途方に暮れてかもかもしれません。でも、飼い主さんが困ってしまう粗相も、実はトイレ環境を見直すことで改善することも少なくありません。理想のトイレ環境に近づけるポイント参考にトイレ環境を見直してみてはいかがでしょうか。
日本でも、また世界でも、粗相などが原因で捨てられてしまう猫ちゃんがいます。正しいお世話の知識を持つことで、こうした悲しい現実は変えることができるはず!殺処分ゼロの世界を作れるように、そして家族の一員となった猫ちゃんが私たちと一緒に長く幸せに暮らせるように、私たち一人一人ができることをしていきたいですね。

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