シニア犬(老犬)って何歳から?愛犬に幸せなシニア期を過ごさせてあげるために

シニア犬(老犬)って何歳から?愛犬に幸せなシニア期を過ごさせてあげるために

犬は人間の約5倍のスピードで年をとると言われています。シニア犬(老犬)になると、毎日のお世話で意識したいことも若い頃とは少しずつ変わります。また、若い頃からケアすることで、病気のリスクを減らせることも。愛犬の健康を守るためにできることを、一緒に学んでいきましょう!

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ワンちゃんは何歳からシニアになる?

人間よりも寿命の短いワンちゃんたち。1歳で成犬となり、7〜8歳からはシニアの仲間入りをします。

体のサイズや犬種によっても異なりますが、大型犬の8歳は人間の61歳、小型・中型犬の8歳は人間の48歳に相当すると言われます。

犬・猫の年齢 人間の年齢に換算した年齢

品種や飼育環境等によって違ってきます。

  • 出典:「捨てず増やさず飼うなら一生」(環境省)

ただ、何歳になっても愛くるしいワンちゃんたちを見ていると、「まだまだ赤ちゃんみたい」「うちの子はまだシニアというには早いかな」と思う飼い主さんも多いでしょう。

犬は何歳からシニア(高齢期)だと思いますか?

実際にワンちゃんの飼い主さんに、「犬は何歳からシニア(高齢期)だと思いますか?」という質問を投げかけたところ、愛犬の年齢によってシニア期の捉え方が大きく違うことが浮き彫りになりました。

まずは、「愛犬の年齢が1〜6歳」の飼い主さんへのアンケート結果を見てみましょう。

<何歳からシニア(高齢期)だと思いますか?>

<何歳からシニア(高齢期)だと思いますか?><br>1-6歳のワンちゃんのオーナーさんに聞きました

  • ライオン商事調べ、愛犬の年齢が1~6歳のオーナーさん386名、2020年

「7歳までにシニアになる」と考える飼い主さんが半分以上を占めています。

続いて、「7歳以上のワンちゃん」と暮らす飼い主さんに同じ質問をしてみました。

<何歳からシニア(高齢期)だと思いますか?>

<何歳からシニア(高齢期)だと思いますか?(7歳以上のワンちゃんオーナーさんに聞きました)>

  • ライオン商事調べ、愛犬の年齢が7歳以上のオーナーさん568名、2020年

もっとも多かったのは、シニア期の入り口として11歳より上の年齢を挙げた回答です。実際にシニア犬と暮らしている飼い主さんほど、シニア期に入る年齢を高く考えていることがわかりますね。
年を重ねても、元気にお散歩をし、愛くるしい表情で遊ぶワンちゃんを見ているからこそ、「シニア犬」「老犬」という言葉は似つかわしくないと感じるのでしょう。

実際、獣医療の発展などから、ペットの寿命は以前より伸びています。人間の世界でも、還暦を迎えても若々しく活躍する人がたくさんいるように、ワンちゃんたちもシニアになったからといって急に老け込んでしまうわけではありません。

それでも、やはりシニア期のワンちゃんにどんな変化があるのか、老化をゆるやかにするためにはどんなケアができるのかを知っておくことは、とても大切。大切なワンちゃんがいつまでも元気で楽しい毎日を過ごせるように、老化が顕著になる前からの予習と健康の維持を始めましょう!

シニアになるとどんな変化がある?

年齢を重ねるにつれ、体の機能が少しずつ衰えていくのは、人間も犬も同じです。目や耳、関節など、ワンちゃんにもさまざまな老化のサインがあらわれます。口臭の悪化や視力の低下などは、飼い主さんが気付きやすい老化サインのひとつです。

7歳以上のワンちゃんと暮らす飼い主さんに、加齢による変化で気になっているものを聞いてみたところ、「瞳が白く濁ってきた」「お口のニオイがきつくなってきた」「以前よりも毛つやが悪い」などの声が多く寄せられました。

<加齢による変化で気になることは?>

<加齢による変化で気になることは?>

  • ライオン商事調べ、愛犬の年齢が7歳以上のオーナーさん568名、2020年

一方で、「気になることはない」と答えた飼い主さんも2割弱。
健康不安がないのはうれしいことですが、ワンちゃんの老化サインを見逃していないかは、ぜひチェックしたいところです。
たとえば、以前より寝ている時間が長くなったと感じることはありませんか?これはもしかしたら、耳が遠くなってきたことのあらわれである可能性があります。また、お散歩を嫌がったり、階段の上り下りを躊躇するようなしぐさを見せるのは、関節が痛くて歩くことや段差が負担になってきているのかもしれません。

<加齢による変化で気になることは?> 老犬

ワンちゃんも、人間と同じで、ある日から急にシニアになるわけではなく、少しずつ年をとっていくものです。シニア犬といわれる年齢の前から、食生活や環境に気をつけたり、「ウチの子は老化とは無縁!」と過信せず、変化を見逃さないようにしてあげたいですね。

健康の要は「食生活」!

健康の要は「食生活」! シニア犬

よく「体は食べたものでできている」と言いますね。ワンちゃんたちにとっても、健康を維持するためには、毎日の食事がとても重要です。ただ、シニアになるとだんだんと消化能力が低下し、気づかないうちに栄養不足に陥ってしまうことも。シニアにさしかかってきたら、今まで以上に消化しやすく、栄養バランスのいいフードを選んであげることが大切です。
どんな栄養が必要かは、犬種や年齢によっても異なります。フードは、かかりつけの獣医師さんと相談して選ぶのが良いでしょう。

健康を維持するためにオーラルケアを習慣化しよう

健康を維持するためにオーラルケアを習慣化しよう シニア犬

よく食べてしっかり栄養をとるためには、お口の健康も大事です。歯周病で歯ぐきが炎症を起こしたりしていると、痛みから食事量が減ってしまうこともあります。犬は、歯垢が歯石に変わるスピードも早く、お口のトラブルを抱えやすいという特徴があります。「2歳までの犬の約8割がお口の健康課題を抱えている」というデータもあるほど!

  • 出典:WSAVA Global Dental Guidelines

歯周病が怖いのは、お口の中だけでなく、全身的な健康にまで関係していることです。お口の中の細菌が肝臓や心臓、腎臓などに影響を及ぼすとも言われています。

お口の健康維持は全身の健康維持につながります。お口のケアは、気付いた時が始め時!子犬の頃から始めるのがいちばんスムーズですが、何歳になってもお口のケアを習慣化することは可能です。ワンちゃんが受け入れやすい歯みがきグッズや歯みがき効果のあるおやつを賢く活用して、歯みがきができるように少しずつ慣らしていきましょう。

シニアになったら、おうち環境を見直し!

シニアになったら、おうち環境を見直し! シニア犬

高齢になると、目もだんだんと見えづらくなります。家具の角にはクッションガードをつけるなど、ぶつかってもケガをしないよう工夫しましょう。
また関節の痛みや筋力の低下などから、ソファやベッドの段差が負担になることもあります。特に体の小さなワンちゃんにとっては、段差の上り下りはひと苦労。段差の小さな階段やスロープをつけて、負担なく上がれるようにしてあげましょう。
食事の時に下を向き続けるのも、首への負担が大きい動作です。食器を置く位置を上げたり、お皿の下に台をつけたりするなどして、負担のない高さに調整しましょう。

スキンシップを欠かさずに!

シニアになると、若い頃のようにやんちゃに遊びまわることや、全身でじゃれてくることは少なくなるでしょう。飼い主さんとしては、少しさびしさを感じることもあるかもしれませんね。
でも、シニアになっても、ワンちゃんが飼い主さんとのスキンシップが大好きなのは変わりありません。やさしくなでたり、ブラッシングしたり、ゆったりしたスキンシップを楽しみましょう。
なでることで、体の表面のできものに気づいたり、背骨や肋骨の出方などから体型の変化を感じ取ることもできます。また、ブラッシングには、毛並みを美しく整えるほかに、被毛に付いた汚れを除き皮膚を清潔に保つ効果や、皮膚表面の血行を促進する効果もあります。

スキンシップを欠かさずに!  シニア犬

目や耳の機能が低下してきたワンちゃんは、背後から急に触られるとびっくりしてしまうことがあります。スキンシップの時はまずはやさしく声をかけ、それから触れるようにすると、ワンちゃんも安心して身を任せることができます。

半年に一度の健康診断で早期発見&早期治療!

半年に一度の健康診断で早期発見&早期治療! シニア犬

7歳以上になったら、半年に1回はかかりつけの動物病院で健康診断を受けましょう。半年ごとの健康診断と聞くと、多いと感じられる方もいるかもしれませんね。でも、犬の1年は人間の4年に相当するといわれています。半年に1度は、人間に置き換えて考えてみれば、「2年に1度の健診」ということになります。決して多すぎるペースではないことがわかりますね。

近年は、ドッグドックなどの健康診断プランを用意している動物病院も増えています。かかりつけの獣医師さんと、ワンちゃんの年齢や健康状態に合った健康診断プランを相談してみましょう。

おうちでも健康チェックを記録して

おうちでも健康チェックを記録して  シニア犬

病院での検査だけでなく、毎日のおうちでの健康チェックも大切です。

POINT

□ 体重
飼い主さんがワンちゃんを抱っこをして体重計に乗り、飼い主さんの体重を引いて測ります。赤ちゃん用の体重計(ベビースケール)があれば、それを使ってもOK。

□ 食事量
食事をあげる時は、必ず事前に量を測ってから。食べきれなかった場合は、残った分を改めて測り、食事した量を算出します。

□ 飲水量
あらかじめ計量カップやペットボトルなどで水を測ってから、給水器に入れるといいでしょう。器自体に計量用の線が入ったものも販売されています。

□ オシッコ、ウンチのチェック
オシッコやウンチの量や回数、色などに変化がないか、毎日チェックしましょう。

ワンちゃんは、言葉で体調の変化を訴えることができません。飼い主さんがこまめにチェックすることで、いつもと違うことがないか、早めに気づいてあげることが大切です。ペット用の記録アプリ、赤ちゃんの育児ダイアリーアプリなどを活用すると、手軽に記録が残せて便利ですよ。こうした記録があると、病院にかかった時にも診断の手助けになります。

人間よりも速いスピードで年をとっていくワンちゃんたち。でも生活習慣や日頃のケアへの気配りで、老化による体調変化のスピードをゆるめたり、健康トラブルを未然に防ぐことは可能です。
ワンちゃんのペースを大切に、飼い主さんもワンちゃんも幸せでゆったりとした時間を過ごせるように工夫していけるといいですね。

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