猫にもブラッシングが必要!猫が喜ぶボディケアで毛玉&抜け毛対策

猫にもブラッシングが必要!猫が喜ぶボディケアで毛玉&抜け毛対策

猫は自分で毛づくろいをするから、ブラッシングなどのボディケアは必要ない...というのは実は間違い!余分な毛をそのままにすると、肌の負担になったり、毛玉を吐きやすくなることも。ブラッシングで体に触る習慣をつけておくことは、猫の健康維持のためにも重要です。

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猫はとてもキレイ好きな動物。自分で手足や体をペロペロとなめて毛づくろいしている姿は、猫の飼い主さんにとってはおなじみですね。でも、だからこそ「猫は自分で体をなめてキレイにする(グルーミングする)から、飼い主がボディケアをする必要はない」と勘違いされてしまうことも多いようです。
実は、猫にとってもブラッシングなどのボディケアは非常に重要。ブラッシングのメリットや、ブラッシングを習慣化するためのポイントをお伝えします。

猫ちゃんのボディケア、「しない派」が多い理由は?

下の円グラフは、猫ちゃんの飼い主さんに「自宅でのボディケアの頻度」をヒアリングしてまとめたものです。

どんなボディケアをしていますか?

どんなボディケアをしていますか?  シャンプー ボディシートで拭く ブラッシング

ライオン商事(株)調べ、猫オーナー1000名、2020年

猫の飼い主さんに聞くと、おうちでボディケアをしない・できない理由は、「猫にボディケアは必要ない」という勘違いと、「猫が嫌がってできない」というお悩みの2つに大別されました。
「自分で毛づくろいをしているから必要なさそう」「完全室内飼いなので、あまり汚れない」といった声が多く寄せられました。
一方で、ブラッシングは、猫の約6割の飼い主さんが実施していて、取り入れやすいケアであることも見えてきました。自分でなめてグルーミングをしている猫ですが、それでも飼い主さんがブラッシングをしてあげることのメリットはたくさん!獣医師も、できるだけ幼い頃からブラッシングに慣れさせることを推奨しています。

獣医師が解説!猫にもブラッシングが必要なワケ

ライオン商事㈱の遠山洋美獣医師は、「ブラッシングは、猫のボディケアの基本」と話します。
遠山先生が考えるブラッシングのメリットは、以下の5つ!

POINT

猫のブラッシングのメリット

□グルーミング時に飲み込む毛の量が少なくなる
□被毛が絡まりあってできる毛玉を予防できる
□皮膚を刺激して、血行促進や新陳代謝を促す
□被毛に付いた汚れを除き、皮膚を清潔に保つ
□スキンシップで体調の変化に気付きやすくなる

猫ちゃんと暮らしていて、猫ちゃんが毛の塊を吐く姿を見てびっくりしたことはありませんか?この毛の塊の正体は、グルーミングの時に飲み込んでしまった被毛。猫は自分で体をなめてグルーミングをしますが、その時に抜けた毛も飲み込むことがあるのです。決してめずらしいことではなく、過度な心配は必要ありませんが、ゲエッ!と苦しそうな声を出している猫ちゃんを見ると、心おだやかではいられないのが親心。また、吐き出した物の処理も大変ですね。
ブラッシングで抜けるべき毛をあらかじめ取り除いてあげれば、飲み込む被毛の量が減り、毛玉を吐く頻度を減らすことが期待できます。特に被毛が絡まりあってできる毛玉ができやすい長毛種の猫ちゃんには、毎日ブラッシングをしてあげるのが理想です。部屋中に抜け毛が舞ったり、衣類に猫の毛がついたりするのも防ぐことができますね。

毎日のブラッシングを習慣に 猫

「また、ブラッシングなどのボディケアを習慣にしていると、猫自身が体に触られることをストレスに感じにくくなります。普段から体に触ってボディチェックができると、体調変化にも気付きやすいですね。また、猫が自分では届かない部分まですっきりケアしてあげられるのも、飼い主さんのボディケアならではのメリットです」と遠山先生。
飼い主さんと猫ちゃんがお互いに幸せを感じるコミュニケーションの一つとしても、毎日のブラッシングを習慣にしたいですね。

シニア猫はグルーミングが苦手になる?

ブラッシングを習慣にしておきたい理由は、ほかにもあります。
実は、猫ちゃんの多くは年をとるとともに、だんだん猫自身でのグルーミングが苦手になっていくと言われています。全身をくまなくなめてキレイにすることができた猫ちゃんたちも、年をとると、体の柔軟性が低下するなどの理由でうまくグルーミングができなくなってくるそうです。実際に、7歳以上のシニア猫を飼っている飼い主さんの7割が、「加齢とともにグルーミングをしなくなってきた」ことを実感しています。

  • ライオン商事㈱調べ、7歳以上の猫オーナー137名、2020年
シニア猫はグルーミングが苦手になる?

セルフグルーミングをしなくなってきた時、ボディケアの習慣がなければ、被毛同士が絡まりあった毛玉がそのままになったり、皮脂などの汚れがたまったりして、皮膚の負担になってしまうことも。
小さいうちからボディケアを習慣化しておけば、シニアになっても体を触られることに抵抗がありません。ブラッシングなどのケアもしやすくなりますね。
健康的な被毛を保ち、毛玉の吐き戻し対策のためにも、シニア猫こそブラッシングを念入りに行ってあげましょう。

ブラッシングに慣れさせるための3ステップ

ブラッシングなどのボディケアは、子猫の時から慣らしていくのが理想ですが、成猫になってからでも遅くはありません。焦らず、少しずつ、慣らしていくと良いでしょう。

POINT

Step1 ブラシに慣れさせる

ブラシを見せたり、じゃらしたりしながら、「ブラシは怖いものではない」ということを教えていきましょう。

Step2 喜ぶ場所から始める

猫ちゃんが触られて喜ぶ場所から、ブラッシングを始めてみましょう。もし嫌がったら、すぐにやめます。

Step3 短時間でくり返し行う

一気に全身をやりきろうとせず、「今日は背中だけ」などと範囲を決め、1回あたりの時間はできるだけ短くしながら、毎日行うようにします。

猫ちゃん好みのブラシを選ぶには?

「ブラッシングを嫌がる」という猫ちゃんもいます。もし、ゆっくり時間をかけてもなかなかブラッシングに慣れてくれない場合や、ブラシを嫌がるそぶりを見せる時には、ブラシを見直してみるのも一案です。
猫用のブラシには、ラバーブラシやコーム、ピンブラシ、スリッカーブラシなど、様々な素材、形状のものがあります。

ラバーブラシ コーム  ピンブラシ スリッカーブラシ 猫用のブラシ猫用のブラシ

被毛の長さや毛質はもちろん、「全体の毛並みをととのえる」時はピンブラシ、「毛玉やもつれをほぐす」時はコーム、「抜け毛を取りたい」時はラバーブラシやスリッカーブラシを使うなど、目的に合わせてブラシやコームを使い分けると良いでしょう。

もつれの少ない短毛種のブラッシングは、抜け毛や汚れを落とし、毛づやを出すように。
長毛種は、自分で毛づくろいが行き届かない箇所に毛玉ができやすいので、とくに毛のもつれや毛玉に注意してくださいね。

短毛種の場合

短毛種 ブラッシング

ブラッシングの手順

1.ラバーブラシで、背中からお尻に向かってブラッシング

2.次におなかも、毛並みに沿ってやさしくブラッシング

3.顔まわりや足はコームでやさしくとかします

長毛種の場合

長毛種 ブラッシング

ブラッシングの手順

1.コームやピンブラシで、全体の毛をとかして、毛玉やもつれをほぐします

2.スリッカーブラシで背中からお尻に向かってとかし、抜け毛を除きながら、もつれを細かくほぐしていきます

3.顔まわりやおなか、足はコームでやさしくとかします

猫の舌をヒントに開発された、新発想のブラシ

「猫が喜んでくれるケア」を目指して開発されたブラシも登場しています。
「ネコペロブラシ」は、その名の通り、猫の舌にヒントを得て設計されたブラシです。

猫の舌

猫の舌 拡大写真

猫の舌 拡大写真

猫になめられたことがある人は、猫の舌がザラザラした感触であることをご存じですね。実は、猫の舌には、上の写真のようにトゲトゲの突起がびっしりついています。「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」と言われるもので、突起の内側はスコップのようにくぼんだ構造になっています。

アーチ型の形状 内側のくぼみ 糸状乳頭

猫が体をなめると、突起部分(糸状乳頭)が体をやさしくブラッシングして抜け毛を除きます。さらに、突起の内側のくぼみが唾液を薄く広く行き渡らせ、体をキレイにしてくれるのです。
このような猫の舌をモデルに、獣医師との共同設計で開発されたのが「ネコペロブラシ」です。

  • ライオン商事㈱獣医師
ネコペロブラシ 獣医師との共同設計で開発

猫の舌をモデルにした突起が、ボディをやさしくマッサージ。同時に、抜け毛を気持ちよくかき取ってくれます。突起の内側には溝があるので、同じシリーズのドライシャンプー「お手入れウォーター」と合わせて使うのがおすすめです。泡タイプの洗浄液が効率よく広がり、ふき取ることで汚れやニオイもすっきり落としてくれます。

自分でグルーミングする時のような心地よさを感じられれば、猫ちゃんもうっとり、リラックスできるはず。ボディケアへの抵抗感も、少しずつなくなっていくでしょう。猫ちゃんが喜ぶ姿を見られると、飼い主さんもケアへのモチベーションが高まりますね。

猫ちゃんにとっても、飼い主さんにとってもメリットの多いブラッシング。便利なアイテムを活用しながら、楽しく続けられると良いですね。

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