カーペット(絨毯)や布団からダニを退治!ダニ対策の秘訣教えます
ダニは気温20~30℃、湿度60%以上になると発育が活発に。死骸や糞がアレルゲンとなる厄介な存在ですね。梅雨~秋までは特に気をつけたい季節です。ダニは高温や乾燥に弱いので、寝具のダニ退治には布団乾燥機の活用が便利です。ダニを寄せ付けないために、普段から、こまめな掃除機がけや換気を心がけましょう。
ダニってどんな生き物?
ダニは、世界中で約40,000種類が存在するといわれていますが、ほとんどは土の中にいて、枯れ葉の分解に関わるなど、生態系で大切な役割を担っています。しかし、中には「植物に寄生して農作物に被害を与える」「動物や人に寄生する」「室内のチリに生息してアレルギーの原因になる」「貯蔵食品に発生する」など、人の生活に害をおよぼすダニもいます。
<人に被害をおよぼす代表的なダニの種類と特徴>
種類 | ヒョウダニ | ツメダニ | イエダニ | コナダニ |
発生場所 | カーペットやソファなど | カーペットや畳など | ネズミに寄生するなど | 畳や食品など |
えさ | 人やペットのフケや垢、食べかすなど | ヒョウヒダニ、コナダニなど | 動物や人の血液など | ワラ、貯蔵食品、カビなど |
被害 | アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など | 人を刺すことがある | ネズミから人に移って吸血する | 条件がそろうと大量発生し、人に不快感を与える |
家の中にいるダニの特徴
ダニは、大きさ1mm以下と小さいので、肉眼ではほとんど見つけられません。しかし、実は家の中のあちこちにいて、特に布団や畳、カーペット、ホコリの中といったやわらかい材質のものや、空気のよどみやすい押し入れの中や部屋の隅などに多く生息しています。
人・ペットのフケや垢、食べかすなどをえさにしていて、気温20~30℃、湿度60%以上になると発育が活発になり、寿命3か月ほどで世代交代します。
厄介なのは、ダニの死骸や糞がアレルゲンとなり、人の体内に入るとアレルギーの原因になる場合があることです。ダニが増殖しやすい梅雨頃から、アレルゲンとなる死骸が多くなる秋頃までは、特に気を付けたい季節です。
近年知られるようになったマダニの被害
2013年1月、国内で初めてウイルス性の「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者が発生して話題になりました。このウイルスは、マダニという種類のダニが媒介することが知られています。マダニは主に山間部や庭・公園の茂みなどに生息していますので、ガーデニングや散歩などの野外活動をする時は、できるだけ肌の露出は避けるように注意しましょう。
覚えておこう!ダニ対策のポイント
目に見えないダニも、性質を知れば効果的に対策することができます。
以下のポイントをおさえて効果的に行いましょう。
ダニ対策のポイント
1. 生きているダニは周囲にしがみつき、掃除機ではなかなか吸い取りきることができないので、まずはダニを死滅させてから、死骸や糞を掃除機で吸い取る。
2. ダニは高温に弱く、50℃以上の温度が約20分続くとほとんど死滅するので、高温にできる家電をうまく活用する。
3. ダニは乾燥に弱いので、こまめに換気をする。
4. ダニのえさをなくすために、食べかすなどはそのままにしないで、掃除や洗濯をこまめに行う。
ここでは、寝具とカーペットのダニ退治の方法と、ダニを寄せつけないための環境づくりの方法をご紹介します。
寝具のダニ退治の方法
まずは、ダニが多く生息している寝具の対策をご紹介します。
布団乾燥機を活用しよう
ダニは、50℃以上の高温に弱い性質があります。寝具のダニ対策には、温風を寝具に直接吹き込むことができる布団乾燥機を活用すると良いでしょう。最近の機種はダニ対策用の運転モードがついているものがあります。使用の際は、取扱説明書に従って使ってください。
布団乾燥機のあとは掃除機をかける
布団乾燥機を使ったあと、寝具にはアレルゲンとなるダニの死骸や糞が残っていますので、掃除機を念入りにかけて取り除きましょう。
布団の天日干しの効果は?
天日干しした時の布団の温度を測定したところ、日に当たっている表面は40~50℃、裏面は30℃前後になっていることがわかりました(気温30.2℃、晴れの日に測定)。すなわち、残念ながらダニを死滅させる50℃以上の温度が布団全体で20分以上続く状態にはならず、天日干しでは温度によるダニ退治の効果はそれほど期待できないといえそうです。また、高温を嫌うダニは温度の低い方に逃げる性質を持っていますので、より温度の低い布団の裏面に逃げてしまう可能性も考えられます。
しかし、天日干しは、布団の湿気を飛ばすには効果的です。天気の良い日にはできるだけ布団を干し、ダニが生息しにくい環境をつくるよう心がけましょう。
カーペットのダニ退治の方法
次に、カーペットにおけるダニの退治方法を紹介します。
まずは「くん煙タイプの殺虫剤」でダニを退治
生きているダニはカーペットにしがみつき掃除機ではなかなか吸い取りきれないので、まずはダニを死滅させるために、お部屋をまるごと処理できる「くん煙タイプの殺虫剤」を使うのがおすすめです。「くん煙タイプの殺虫剤」は、煙の力で殺虫成分を部屋の隅々まで行きわたらせ、小さくてどこにいるかわからないダニをほとんど死滅させることができます。
くん煙タイプの殺虫剤を使ってみよう
くん煙タイプの殺虫剤には、強い噴出力の「煙タイプ」、水を使って煙を出す煙が少なめの「水タイプ」、煙が出ずに短時間で済む「霧タイプ」がありますので、下表を参考にライフスタイルに合わせて使いやすいものを選びましょう。初めて使う方や小さなお子様がいるご家庭では、煙が出ず部屋を締め切る時間が短い「霧タイプ」が使いやすいでしょう。
使用する時は、食品や食器などの他、パソコン・テレビなどの精密機器は、煙からガードするためにビニールなどで覆います。ペットや観葉植物は、部屋の外に出しましょう。また、タイプによっては火災警報器に反応してしまう場合がありますので、警報機にはビニールなどで覆いをします。
殺虫剤始動後は、部屋を締め切って所定の時間そのままにします。終了後は、部屋をよく換気しましょう。火災警報機に覆いをした場合は、忘れずに外してください。
※説明書をよく読んでから使いましょう。
くん煙タイプの殺虫剤を使ったあとは掃除機をかける
くん煙タイプの殺虫剤を使ったあと、カーペットにはアレルゲンとなるダニの死骸や糞が残っています。掃除機を念入りにかけて取り除きましょう。
ダニを寄せつけない環境をつくる
ダニの発生は、できるだけ未然に防ぎたいもの。自宅にダニを寄せつけないようにするための、環境づくりのポイントをご紹介します。
こまめな換気で湿度を下げる
ダニは、クローゼットや押し入れの中、部屋の隅、ベッドの下など、空気がよどんで湿気が高い場所に好んで生息しています。天気が良い日には換気をして空気の流れをつくると、湿度が下がりダニが嫌がる環境にすることができます。
こまめな掃除機がけで部屋を清潔に保つ
食べかすやホコリなどをそのままにしておくことは、ダニにえさを与えているようなものです。こまめに掃除機をかけて、部屋を清潔に保つようにしましょう。
洗える寝具は洗いましょう
寝具には、ダニのえさとなる人のフケや垢などの汚れがたくさんついています。洗える寝具は洗濯をして汚れを落とし、ダニが生育しにくい環境をつくりましょう。
寝具類のお洗濯はこちらをご参照ください。
寝具・インテリア : お洗濯のアイデア
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教えてマイスター!
掃除機をどうかければゴミがたくさん取れるの?
掃除機はゆっくりかけるか、同じ所を繰り返しかけると効果的
「掃除機はゆっくりかけましょう」とよく聞きますが、本当にそうなのか試してみました。下のグラフは、掃除機をかける速さを変えてゴミの吸い取り率を測定した実験の一例です。やはり、ゆっくり掃除機をかけるとより多くのゴミが取れるようです。
ポリエステル100%のカーペットの上にゴミ2gを撒き、1m幅で掃除機を動かし吸引。紙パック重量を測定しゴミ吸い取り率を算出(n=3の平均)
使用掃除機:日立製CV-PC8、紙パック:日立製GP-110F、ゴミ:コットンリンターと試験用ダスト7種を同量混ぜて使用
でも、「ついつい掃除機を速く動かしてしまう」という方も多いのではないでしょうか。ある実験の結果では、同じ所を5回以上往復させて掃除機をかけると、ゆっくりかけるのと同じくらいの効果がありました。速く動かしてしまっている方は、同じ所を繰り返しかけるように心がけると良いでしょう。
また、掃除機をかける方向は「一方通行」だけでなく、「往復」させたり「クロス」させたりするなど、向きを変えてかけるようにしましょう。多方向からゴミを吸い取ることができるため、より効果的です。
この記事を作成・監修した
マイスター
リビングケアマイスター
吉井 和美
よしい かずみ
掃除用洗剤の製品開発を約15年、技術者向けの情報発信を約5年経験してきました。
これまでの知識を活かし、掃除に前向きに取り組めるようなコツやノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。
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