プラスチックごみの削減やリサイクルなど、問題解決のためにできることは?
プラスチック問題は、大量使用や不適切な廃棄処理によって、地球温暖化や生物多様性への影響など、様々な環境問題とも関連しています。プラスチックごみを削減するためには、私たち1人ひとりの行動が大切!家庭でできる取り組みや、知っておきたい知識をまとめました。
プラスチックごみ削減・リサイクル促進にむけて
プラスチックは、多くの製品に使用されている便利な素材のひとつです。その一方で、廃棄の際に生じる二酸化炭素(CO2)の排出や、海洋プラスチックごみによる生物への影響など、環境問題とも関連しています。実は日本は、1人あたり年間32kgのプラスチック容器包装を廃棄しているといわれています(世界第二位)※1。持続可能な社会を作るためにも、プラスチック使用量を最小限におさえ、使い捨てずにリサイクルするなど、問題解決に向けての取り組みが求められています。
- 1 出展:UNEP(国連環境計画)報告書、2014年
(プラスチックの使用量について、詳しくはこちら)
企業や行政の取り組む項目として、プラスチック使用量を少なくするための技術開発や、リサイクルのための仕組み作りなどがあげられます。一方、生活者は、環境負荷の小さい製品を利用する、ごみの分別を行うなどがあります。この記事では「4R」という概念とともに、普段から取り組める行動を紹介します。プラスチックごみ削減とリサイクル促進に向けて、私たち生活者が日常生活の中で取り組めることは意外に多く、循環型社会の実現に向けて、できることから取り組んでいきませんか。
プラスチック問題に取り組むための「4R」とは?
ライオンでは、プラスチック問題に取り組むため、一般的に知られるReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の「3R(スリーアール)」に、Renewable(リニューアブル)を加えた「4R」を進めています※2。なお、「Refuse(不必要な物を断る)」や「Replace(別の素材への代替)」を用いて4Rとしている企業や行政もあります。
- 2 出典:「LION’s SUSTAINABILITY2022~より良い生活習慣づくりで取り組むSDGs~」
Reduce (リデュース)
Reduce(リデュース)とは、使う量やゴミの量を減らす取り組みのことで、企業では製品を作る際に使う資源の量を少なくしたり、廃棄物の発生を減らしたりする取り組みが行われています。耐久性の高い商品の提供や製品寿命を延ばすためのメンテナンス体制の構築も、Reduce(リデュース)の取り組みのひとつといえます。また、家庭でできる事としては次のようなことがあります。
・エコバッグやマイボトルを持ち歩く
・使い捨てのラップの使用を控えて、繰り返し使えるフタやフタ付き容器を利用する
・洗濯用洗剤などは濃縮化した高濃度タイプを選び、容器の廃棄量を減らす(詳しくはこちら)
・利用頻度の少ないものはレンタルやシェアリングのシステムを活用する
・商品を購入する時は、耐久性の高いものや省資源化設計のものを選ぶ
ライオンが調査したところ、このような取り組みを楽しく前向きに行うために、「かわいい&おしゃれなグッズを愛用する」「趣味を生かす」などの工夫がされていることがわかりました※3。こういった楽しみがあると、積極的かつ継続的に取り組めそうですね。
- 3 ライオン調べ、「プラスチックごみ削減のために楽しくできること」を調査、10〜80代、633名、2022年
「好きなキャラクターのマイボトルを持ち歩き、外出先でペットボトルを買わないようにしています」(女性、33歳)
「エコバッグはお気に入りのブランドのものを愛用し、レジ袋削減」(男性、57歳)
「エコバッグを手作りしています。自宅にある生地や着なくなった衣類を、リメイクして作るのが楽しい」(女性、44歳)
ライオンの取り組みは?
容器のコンパクト化でReduce
洗濯用洗剤は、主に「濃縮化なし(通常タイプ)」と「濃縮化あり(高濃度タイプ)」の2種類があります。「高濃度タイプ」は、濃縮化技術によって「通常タイプ」の約半分の洗剤使用量ですむため、容器を小さくしてプラスチック使用量を減らすことができます。洗濯1回あたりのプラスチック使用量を計算すると、「高濃度タイプ」が断然エコ! さらに高濃度タイプはコンパクトなため、車1台あたりで運べる量も多くなります。そのため効率的に商品を輸送できるようになりCO2排出削減といったメリットにもつながります。
Reuse(リユース)
Reuse(リユース)とは、再使用を意味しており、使い捨てにせず、繰り返し使うことを指します。これは、自分が繰り返し使うことだけを指すのではなく、使わなくなったものを、必要な人に使ってもらうことも含まれます。例えば家庭では次のようなことが該当します。
ライオンの取り組みは?
詰め替え品の利用でReuse
洗剤のボトルを使い捨てせずに詰め替えることで、プラスチックの使用量を減らすことができます。例えばライオンの「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」の本体ボトル1個に使われるプラスチック量は、詰め替え用12枚とほぼ同じ。家族4人で「キレイキレイ」を1年間使うとすると、詰め替え用の使用でプラスチック量は約2.6kg減らすことができます。
- 以下の条件で算出
・4人家族の1年間の使用量:10,804ml(=29.6ml※3×365日)
・本体ボトルの内容量250ml、プラスチック使用量73.1g
・詰め替えの内容量200ml、プラスチック使用量6.2g
・本体ボトルの耐久性は使用状況により異なります。 - 3 4人家族の1日の使用量:29.6ml(=1ml※4×7.4回※5×4人)
- 4 1回の標準使用量:1ml
- 5 1人が1日に使用する回数:7.4回(ライオン調べ、2014年)
Recycle(リサイクル)
Recycle(リサイクル)とは、廃棄されたものでも原材料などとして再び利用すること。ごみの分別は、リサイクルを促進するために重要です。容器包装リサイクル法では、容器包装廃棄物の処理を自治体だけが責任を担うのではなく、生活者は分別して排出し、自治体が分別収集し、事業者(容器の製造事業者・容器包装を用いて中身の商品を販売する事業者)はリサイクルするという、3者の役割が定められています。生活者にも義務があることを理解し、3者一体となって取り組む必要がありますね。
ライオンの調査では、リサイクルに楽しく取り組むために、次のようなアイデアがありました※2。
「プラスチックごみをどれだけコンパクトにできるか、ゲーム感覚で楽しんで取り組んでいます。折りたたんだり、切ったりして、テトリスみたいに袋に詰めています」(女性、31歳)
「きちんと分別するとごみも少なくなり、節約になるので、ゲーム感覚でやっています」(女性、35歳)
「スーパーのペットボトル回収機に投入するのは、幼稚園生と小学1年生の子どもたちの役目に。ポイントもたまるので、プラスチックごみ削減と環境への意識をつけながら親子で楽しんでいます」(男性、48歳)
厳密には、リサイクルではないのですが、プラスチックでオブジェを作るという方もいらっしゃいました。子どもたちにやってもらうと、プラスチック問題を考えるきっかけになるかもしれませんね。
「趣味のプラモデルで出る部品の枠(ランナー)や余剰部品を組み合わせ、オブジェを作れないかと試行錯誤。そのままではごみになるものも、手をかけて作品にできれば捨てずにすみます。完成までの時間も楽しい!(男性、55歳)
ライオンの取り組みは?
ハブラシ・リサイクルプログラムでRecycle
使用済みのハブラシを集め、リサイクルするプロジェクトです。技術を高め再び製品として活用可能な品質のプラスチックとして再生することを目指しています。現在は植木鉢や定規など身近に使えるプラスチック製品に再生し、リサイクル活動を伝えるツールとして活用しています。
ライオンの取り組みは?
容器に再生PETを使用した商品でRecycle
ライオンの「CHARMY Magica」の容器は約10%(重量比)の再生PETを使用。また「トップ スーパーNANOX」の容器はなんと100%の再生PETを使用し、プラスチックの資源循環に貢献しています。
Renewable(リニューアブル)
Renewable(リニューアブル)とは、製造時に再生可能なものを原料とし、廃棄を前提としないもの作りをする方針のもと、再生可能な資源に替えること。例えば石油由来のプラスチックの代わりに、くり返し使える素材として「バイオマスプラスチック」を採用すること。植物を元に作られるバイオマスプラスチックは、カーボンニュートラルの視点から有効な材料です。リサイクル同様、バイオマスプラスチックを使用した商品を積極的に選びたいですね。
なお、「バイオマスプラスチック」は「生分解性プラスチック」とは定義が異なります。バイオマスプラスチックは化学構造によって生分解するものとしないものがあります。
バイオマスプラスチックについてはこちらをチェック!
ライオンの取り組みは?
バイオマスプラスチック素材の包装容器でRenewable
ライオンでは、一部の商品の容器・包装材料に、サトウキビから砂糖を作る時に残る「廃糖蜜」や、とうもろこし等の植物を原材料の一部とするバイオマスプラスチックを活用。例えば「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」のつめかえ用パウチは、2021年実績でバイオマスプラスチック使用率10%。ほかにもボディソープ、ハミガキ、衣料用洗剤・漂白剤などに使用されています。
プラスチックごみ削減に継続的に取り組む工夫
様々な取り組みを前向きにかつ継続的に進めていくために、自分なりの楽しさを見つけられると良いですね。すでに4Rの項目でも紹介しましたが、「かわいい&おしゃれなグッズの愛用」「趣味や特技を生かした工夫」「ゲーム感覚での実施」のような視点で楽しさを見つけている方も多いようです。他にも「取り組んだ実感を得る」という視点で、次のような意見もありました。
「きちんと分別すると、可燃ごみが大幅に減って効果を実感できます」(男性、65歳)
「ごみを1か月分まとめて、重さを量ってから収集所へ。今月はこんな工夫をして、これだけ減らせたということが数字でわかり、楽しく続けられます」(男性、74歳)
「近くのスーパーにペットボトルの回収機があります。回収によって寄付金にもなるとのことで、できるだけ利用しています」(男性、70歳)
確かに効果の実感が得られると取り組む意欲も湧いてきますね。日本では1人あたり年間32kg(約3kg/月、約90g/日)のプラスチック容器包装を廃棄しているといわれていますので※1、これを目安にして、自分がどれくらいの削減に貢献できているかを試算するといいかもしれません。
さらに、「ごみ出しの頻度が減った」「地球温暖化防止に役立っていると思えて気持ちがいい」「プラごみ削減を意識すると節約にもなることがわかった」といった声もあがりました。プラスチックごみ削減への行動が周囲の人にも広がったり、当たり前と感じられるようになったりするといいですね。
プラスチックを使う時に知っておきたいこと
プラスチックごみの削減が求められていますが、その処理にはどんな方法が取られているのでしょうか。あらためて、プラスチックの処理方法や、いま世界でどのくらいのプラスチックが使われ、捨てられているのかを見ていきましょう。
プラスチックの処理方法は?
家庭で使い終わったプラスチックは、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみのいずれかとして処理される場合が多いようです(自治体によって分別方法は異なります)。
資源としてリサイクル利用されている場合もあれば、焼却や埋め立てにより処分されている場合もあります。
プラスチックの年間生産量と廃棄量は?
世界では、年間4億トンものプラスチックが生産され、年間に廃棄される量は3億トンです(2015年時※6)。
日本においては、936万トンが生産され、822万トンが廃棄されています。(2020年時※7)
プラスチックごみ約800万トンは、ジャンボジェット機の重さに換算すれば約5万機(≒822万トン÷160トン)、スカイツリーの重さに換算すれば約228基(≒822万トン÷3万6千万トン)。こうして置き換えてみると、あらためて大量のプラスチックごみが捨てられていることがわかります。
毎日使う洗剤やシャンプーなど、洗剤類の商品だけを見ても、国内で年間に捨てられるプラスチックは約8万トン※8にのぼります。また、ハブラシは約4.5億本が消費されています※9。
- 6 出典:国連環境計画 国際環境技術センター「SINGLE-USE PLASTICS:A Roadmap for Sustainability」
- 7 出典:一般社団法人プラスチック循環利用協会「2020年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」
- 8 出典:日本石鹸洗剤工業会 調べ(https://jsda.org/w/06_clage/ca265/plasakugen2019.png)
- 9 出典:国内生産本数、全日本ブラシ工業協同組合 調べ
日本人1人あたりのプラスチック使用量は?
2018年6月に発表されたUNEP(国連環境計画)の報告書では、2015年のプラスチック生産量で、全体の36%を占めてもっとも多かったのは「容器包装関連」のプラスチック生産量でした。
さらに、プラスチック容器包装の廃棄量を国別に比較すると、日本はアメリカに次いで2番目に多く、その使用量は年間1人あたり32kgに相当します※1。私たち1人ひとりが、1か月あたりに約3kg、1日あたり約90gのプラスチックごみを出している計算です。その量を実際に可視化してみると、数字のインパクト以上に多くのプラスチックを捨てていることに気付かされます。(プラスチックの形や密度などにより見た目は変わるため、目安の量・大きさです。)
そもそもプラスチックってどんな素材?
身の回りにあふれるプラスチックですが、ひと口に「プラスチック」といっても様々な種類があります。製品やパッケージを見ると「PE」「PET」「PS」などの表示がありますが、これはプラスチックの種類を示す略語です。代表的なプラスチックを並べてみただけでも、実に様々な用途があり、プラスチックが加工しやすい便利な素材であることがわかります。
プラスチックは「合成樹脂」とも呼ばれ、原油を精製して得られる「ナフサ」を原料に作られます。ナフサを熱分解させることで、「エチレン」「プロピレン」などの様々な物質に分けられます。これらの物質を元に、様々な機能を実現するよう作られています。
さらにプラスチックは、いろいろな形に加工しやすい素材です。大量生産できるため、製造コストをおさえ、安価に販売できます。軽くて丈夫で、耐久性に優れて長持ちするのも魅力です。また、水につけても変質しない、腐ったりしないほか、電気を通しにくい性質をもっているため、多くの電化製品にも使われています。
その他にも、内容物保護に必要なバリア性を付与できること・熱融着ができることなど、多くの利点があるため、パッケージとしても広く使われています。
プラスチックの課題は?
便利な反面、プラスチックの大量使用には課題もあります。
まず、プラスチックの製造や廃棄の際には、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)が排出されています。地球温暖化が叫ばれる今、その原因の一つと考えられている二酸化炭素の排出量をおさえることは世界的な課題です。
また、プラスチックによる海洋汚染も深刻です。プラスチックは自然界では分解されません。現在、世界全体では年間800万トンものプラスチックごみが、海に流れ込んでいるといわれています※7。プラスチックは波や紫外線の影響を受けて小さくなります。しかし小さくなっても消えることなく海に貯まり続けます。そして、海に貯まるだけでなく、生き物がエサと間違えて食べてしまったり、からまってしまったりと、生物を傷つけてしまいます。2050年には、海洋プラスチックの量が海にいる魚の量を上回るという予測もあります※10。
- 10 出典:WORLD ECONOMIC FORUM(2016年)
また、プラスチックの原料である石油の埋蔵量には限りがあることも忘れてはいけません。
もっと知りたい!プラスチックQ&A
- INDEX
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- Q1.プラスチックの生産量、廃棄量は?
- Q2.プラスチック容器包装の適切な廃棄方法は?
- Q3.プラスチック容器包装を資源ごみとして廃棄する時のポイントは?
- Q4.プラスチック容器包装を資源ごみとして廃棄する場合は洗う必要がある?
- Q5.廃棄されたプラスチックはどう処分されるの?
- Q6.プラスチックごみが海に流れ込むのはなぜ?
- Q7.プラスチックの使用や廃棄と「二酸化炭素(CO2)」って関係あるの?
- Q8.プラマークなどの識別マークの意味と種類を知りたい!
- Q9.プラマークの下にPETと書かれている洗剤容器は、飲料のペットボトルと同じごみに出せるの?
- Q10.洗剤などの詰め替え製品を、別の製品の容器や旧品の容器に移し替えてもいい?
- Q11.洗剤などのプラスチック製容器を、他の用途に使用しても大丈夫?
Q1.プラスチックの生産量、廃棄量は?
A 日本では、1年間に936万トンが生産され、822万トンが廃棄
日本では、2020年は936万トンが生産され、822万トンが廃棄されています※7。廃棄量の約800万トンは、ジャンボジェット機の重さに換算すれば約5万機、スカイツリーの重さに換算すれば約228基。こうして置き換えてみると、大量に捨てられていることがあらためてわかります。また、世界では、2015年には、年間4億トンものプラスチックが生産され、廃棄される量は3億トンです※6。
Q2.プラスチック容器包装の適切な廃棄方法は?
A 各自治体の指示に従って廃棄することが原則です
お住まいの自治体の指示に従ってください。一般的には、プラスチック容器包装には「識別マーク(Q8参照、プラマークもしくはPETマーク)」がつけられており、プラスチック容器包装とペットボトルに分けてそれぞれ資源ごみとして出します。ペットボトルもプラスチックですが、多くの地域ではペットボトルはそれだけ単品で回収されます。識別マークがついていないものは自治体の指示に従って普通ごみ、可燃ごみ、または不燃ごみとして出します。
識別マークがついているものでも、汚れているものは、水ですすいで汚れを落として資源ごみとして出します。汚れが落ちないものは自治体の指示に従って普通ごみ、可燃ごみ、または不燃ごみとして出します。ごみ分別アプリなどを公開している自治体もありますので、活用してみてください。
Q3.プラスチック容器包装を資源ごみとして廃棄する時のポイントは?
A 汚れを落とし、材料別に分け、つぶして運びやすくすることです
プラスチックについた汚れは、リサイクル品の品質を低下させます。まずは内容物などをできるだけ使い切った(消費した)上で、廃棄前に洗ったり、ふきとったりしましょう。また、飲料のペットボトルは、ラベルやキャップをはずして、材料別に分別しましょう。プラスチック製品はかさばるものもあり、無造作に袋に入れると容量が大きくなりがちです。容量が小さくなるよう、つぶしたり、たたんだりすると、輸送の際の環境負荷低減につながります。ただし、ペットボトルは「つぶさずに出す」ことを推奨している自治体もありますので、各自治体のルールに従ってください。
Q4.プラスチック容器包装を資源ごみとして廃棄する場合は洗う必要がある?
A リサイクル品の品質を下げてしまう不純物を除くために洗いましょう
せっかく分別しても、汚れがあると資源としてリサイクルできません。また、汚れているものが混じることで、汚れていないものを汚してしまうこともあります。リサイクル処理施設では、汚れているプラスチックを取り除くという選別が主に手作業でされているため、その手間やコストを省くためにも、汚れていたら洗いましょう。
Q5.廃棄されたプラスチックはどう処分されるの?
A 可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみのいずれかとして処理されます
自治体によって異なりますが、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみのいずれかとして処理される場合が多いようです。資源としてリサイクル利用されている場合もあれば、焼却や埋め立てにより処分されている場合もあります。
Q6.プラスチックごみが海に流れ込むのはなぜ?
A 海や川に捨てられたり、風によって陸から運ばれたりする場合があります
直接海や川に廃棄されることも原因ですが、陸で捨てられたプラスチックが風や雨水によって河川に運ばれ、最終的に海に流れ込む場合もあります。また、意図せず下水道や河川に流出したプラスチック(例えば、人工芝の破片や洗濯排水に含まれる化学繊維片など)が海に達することもあります。環境庁の海洋ごみ調査によると、飲料用ボトル、漁網・ロープ、ポリ袋等が多くなっています※11。ペットボトルやビニール袋などプラスチックは軽いために地上で出たごみが海に流れ込み、漁網は回収し切れなかったものが原因です。
- 11 出典:環境省 令和元年度海洋ごみ調査の結果について(https://www.petbottle-rec.gr.jp/basic/mark.html)
Q7.プラスチックの使用や廃棄と「二酸化炭素(CO2)」って関係あるの?
A 製造時と廃棄時にCO2が発生します
原油を精製して得られる「ナフサ」を熱分解することで、各プラスチックの原料が得られます。この熱分解時に二酸化炭素が発生します。製品やパッケージを製造する際には加熱しますので、この時にエネルギーが消費される、つまり二酸化炭素を発生させています。また、廃棄時にプラスチックが燃やされることでも二酸化炭素が排出されます。
Q8.プラマークなどの識別マークの意味と種類を知りたい!
A ごみを分別する時に役立つマークであり、いくつかの種類があります
ごみの分別を容易にする目的で、資源有効利用促進法では、飲料用のスチール缶やアルミ缶、食料品・清涼飲料・酒類のPETボトル、プラスチック製容器包装、紙製容器包装に「識別マーク」をつけることが義務づけられています。下記のようにいくつか種類があり、一番左がいわゆるプラマークです※12。
- 12 出典:経済産業省「プラスチック製容器包装および紙製容器包装への『識別表示の義務』」パンフレット(https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/pamphlet/pdf/pamphlet_mark_gimu.pdf)
Q9.プラマークの下にPETと書かれている洗剤容器は、飲料のペットボトルと同じごみに出せるの?
A 同じごみとして出せません
ペットボトルのごみ収集は、ペットボトルに関する識別マーク(下図)がついているもののみが対象となります。そのため、PET樹脂でできたシャンプーや洗剤の容器は、通常のプラスチック容器包装ごみとして廃棄してください。ただし、事前に自治体のルールを確認してそれに従ってください。
Q10.洗剤などの詰め替え製品を、別の製品の容器や旧品の容器に移し替えてもいい?
A 詰め替え製品は必ず“その製品の本体容器”へ詰め替えましょう
製品の容器は、内容物に合わせた材質が選ばれ、内容物の劣化を防いでいます。容器の構造も、中身が適量出るように調整されていたり、用途によって適切な状態の泡や霧状で出てくるように工夫されていたりします。そのため、製品を異なる容器に入れると、詰まりや容器の故障が生じることがあります。このような不具合を招いたり、容器のラベルと中身が異なることにより、誤使用や誤飲といった思わぬ事故の原因となったりしないように、詰め替え製品は必ずその製品の本体容器へ詰め替えましょう。
Q11.洗剤などのプラスチック製容器を、他の用途に使用しても大丈夫?
A 洗剤などの容器を他の用途に使用しないでください
Q10と同様の理由で、内容物や容器の劣化を招いたり、誤使用や誤飲といった思わぬ事故の原因となったりしないように、洗剤などの容器をほかの用途に使用しないでください。
ライオンの取り組みは?
ライオングループは、プラスチックを材料とする製品を製造・販売する企業として、プラスチック問題に対して果たすべき責任は大きいと考えています。
- 出典:ライオン サステナビリティWebサイト2022<PDF版>
ライオンでは、プラスチック問題への対応方針を「ライオングループ プラスチック環境宣言」として公表しています。この方針に基づき、国内外で資源循環型社会を実現するための目標を順次設定し、課題解決に継続的に取り組んでいきます。
この記事を作成・監修した
マイスター
お洗濯マイスター
片木 徹也
かたぎ てつや
洗濯用洗剤などの製品開発に約15年携わってきました。
日々のお洗濯を楽しく、快適に行っていただけるよう、技術に基づいたノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。
下記のコメントを削除します。
よろしいですか?
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