「着心地のいい服」はお洗濯で作れる!肌触りを良くするお洗濯のコツ
衣類を肌触りよく仕上げるには、適切に柔軟剤を使うことが重要。実験では、洗いたてのジーンズもきつさを感じにくくなりました。さらに着心地をアップさせるには、おしゃれ着用洗剤で洗う方法も。衣類のダメージをケアしながら、着心地良く洗い上げます。
おうち時間が増えたと言われている今、以前と比べて服選びの基準が変わってきたと感じている人も多いのではないでしょうか。肌触り、締め付けがないなどの着心地の良さをポイントに、いつでも無理なく心地よく過ごせる服を選びたいというニーズが高まっているようです。
そこでおすすめしたいのが、お手持ちの服を「着心地のいい服」に格上げするお洗濯法です。衣類の風合いや肌触りは、洗い方次第で大きく変化するもの。服の着心地を良くするための、お洗濯の方法をご紹介します。
「柔軟剤」で衣類の肌触りをアップする!
香りに注目されることが多い柔軟剤。使っている人も多いと思いますが、柔軟剤には、香りだけでなく衣類にとってうれしい効果はほかにもたくさんあります。特に、ふんわりやわらかな風合いにする、なめらかな肌触りにするのは、柔軟剤の代表的な効果です。洗濯を繰り返してゴワゴワになってしまった肌着やTシャツ、カットソーなども、お洗濯の時に柔軟剤を使えば、なめらかな肌触りややわらかさがよみがえります。
柔軟剤が衣類につくと、衣類表面の摩擦が少なくなるので、衣類をやわらかくなめらかに感じたり、すべりがよく感じられるようになるんですね。
柔軟剤を使用した布と使用していない布で、どのくらいすべり性が違うか実験してみました。
柔軟剤を使うと「すべり性」はどれくらい変わる!?動画でご覧ください。
実験でも、その違いは明らか!柔軟剤を使うと、おもりが布の上を早くすべり落ちました。
また、柔軟剤を使用した時、使用していない時の着用感について比較した実験でも、ほとんどすべての人が「柔軟剤を使用した方が、なめらかな肌触りに仕上がる」と回答しました。
- 〈実験方法〉肌着①(綿100%)と肌着②〈ナイロン90%、ポリウレタン10%〉について各10枚を用意し、洗濯機の標準コースにて洗浄後、5枚は柔軟剤使用、残りの5枚は未使用で、繰り返し10回洗濯を行う。柔軟剤使用の肌着と未使用の肌着を着用⇒脱衣した時に感じたなめらかさを5名で評価した。
柔軟剤でズボンのきつさも変化!?
洗いたてのジーンズに、きつさやしゃがみにくさを感じたことはありませんか?これは、デニムをはじめとした綿素材は洗うと縮む性質があるためです。締めつけ感が気になって、おうちで過ごす時にはジーンズやコットンパンツを敬遠してしまうという人もいるかもしれません。
柔軟剤には、洗濯後のズボン類のきつい感じをやわらげてくれる効果も期待できます。
2種類のジーンズで、柔軟剤を使用した時、使用していない時のきつさの違いを評価する実験を行いました。その結果、9人中7人が「柔軟剤を使った方が、きつい感じがしない」と回答しました。
- 〈実験方法〉ジーンズ①(綿99%、ポリウレタン1%)とジーンズ②(綿100%)について各18枚を用意し、洗濯機の標準コースで洗浄後、9枚は柔軟剤使用、残りの9枚は未使用で繰り返し10回洗濯を行う。柔軟剤使用のジーンズ、または未使用のジーンズを着用して3回屈伸し、きつく感じるかを9名で比較した。
評価した人からは、「膝への当たり具合に差があった」「屈伸した時に、膝のきつさが違うと思った」、「膝や太ももに当たる感じがゴワゴワしていると、きつく感じる」などの声が聞かれました。
さらに、こうしたきつさの違いを検証するため、洗濯時に柔軟剤を使用したズボン、柔軟剤未使用のズボン、それぞれで膝にかかる圧力を調べる実験を行いました。実験者1名が、膝に衣服の圧力を測るエアパックを付けてからズボンをはき、座った時にかかる圧力を測定しました。
実験の結果、柔軟剤を使用した方が、柔軟剤を使用しない場合に比べて膝にかかる圧力が小さくなり、膝へのきつさが少なくなることが実験データにも現れました。
- 〈実験方法〉レギンスパンツ(綿67%、ポリエステル30%、ポリウレタン3%)、スキニーパンツ(綿98%、ポリウレタン2%)、ジーンズA(綿85%、ポリエステル13%、ポリウレタン2%)、ジーンズB(綿91%、ポリエステル7%、ポリウレタン2%)について各2枚を用意し、洗浄後1枚は柔軟剤を使用、もう1枚は未使用で繰り返し30回洗濯を行う。衣服圧センサー(AMI3037-10)のエアパックを膝につけてズボンをはき、10秒しゃがみ、その時の圧力を測る。着用1回目のデータ。
使い方を間違えると効果が低下!柔軟剤の適切な使い方
肌着やTシャツ、カットソーなどはもちろん、デニム等のズボン類の着心地もアップしてくれる柔軟剤。
ただ、適切に使わないと、せっかくの柔軟剤も十分に効果を発揮できません。
洗剤と柔軟剤を同時に洗濯槽に入れない
洗剤と柔軟剤を洗剤自動投入口に一緒に入れたり、洗濯槽に同時に入れたりすると、お互いの効果を打ち消しあってしまいます。必ず、洗剤は洗剤自動投入口に、柔軟剤は柔軟剤自動投入口に入れましょう。
また、お洗濯の際に、洗濯機に一度に入れる洗濯物の量は、洗濯槽の容量の7割程度にとどめます。一気にすませようとたくさん詰め込んでしまうと、衣類が洗濯機の中でスムーズに動かず、柔軟剤が全体に行き渡らなくなってしまいます。
「おしゃれ着用洗剤+弱水流コース」でさらに着心地アップ
洗濯機の標準コースで、柔軟剤を使ってお洗濯する方法より、もっと着心地をアップさせたい方におすすめしたいのが、おしゃれ着用洗剤*と柔軟剤を使い、弱水流コースで洗う方法です。
おしゃれ着用洗剤(アクロン)には、洗うことで服の伸び・ヨレなどのダメージをケアして整えたり、型くずれや縮み、しわ、毛玉を防ぎながらキレイに洗い上げる効果があります。
また、洗濯機の「手洗いコース」「おしゃれ着コース」「ドライコース」などの弱水流コースで洗うと、しわやダメージを防ぎ、上質な仕上がりになります。
- *おしゃれ着用洗剤で洗濯する場合は、必ず「手洗いコース」「おしゃれ着コース」「ドライコース」などの弱水流コースで洗うか、手洗いをしてください。
下の写真は、一般衣料用洗剤を使って標準コースで洗ったTシャツ、おしゃれ着用洗剤と柔軟剤を使って弱水流コースで洗ったTシャツを比べたものです。
一般衣料用洗剤を使って標準コースで洗った方は、しわがたくさんあり、触ってみてもゴワゴワしています。一方、おしゃれ着用洗剤と柔軟剤で弱水流コース洗ったTシャツは、しわや凹凸が少なく、さらになめらかな仕上がりになっています。
- 〈実験方法〉Tシャツを2枚用意し、1つは一般衣料用洗剤を使用し、標準コースで洗濯、もう1つはおしゃれ着用洗剤(アクロン)と柔軟剤を使い、洗濯ネットに入れてドライコースで洗濯。着用、洗濯を繰り返し10回行った。
レースやニットなど、デリケートな衣類用におすすめのおしゃれ着用洗剤。「肌着やカットソーなどの普段着に使って、しっかり汚れは落ちるの?」と不安になる方もいらっしゃるかもしませんね。
でも、心配はご無用!おしゃれ着用洗剤は、洗浄成分に浸透性の高い界面活性剤を使っているので、弱水流コースでも汚れやニオイをすっきり落とします。
お気に入りで何度も洗濯を繰り返しているTシャツやカットソーなどは、ダメージをケアするおしゃれ着用洗剤で洗ってみるのも、着心地をアップする効果的な方法といえるでしょう。
リラックスできる心地いい服で、より自分らしく快適に過ごしたいというニーズは、年代を問わず多くの方に共通するのではないでしょうか。デザインや生地の素材感だけでなく、お洗濯の仕方によっても着心地にはかなり差が出るものです。柔軟剤を適切に使ったり、おしゃれ着用洗剤を活用して、お気に入りの洋服をずっと心地よく保ちませんか。
この記事を作成・監修した
マイスター
お洗濯マイスター
大貫 和泉
おおぬき いずみ
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。
母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。
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