「トイレ掃除」汚れもニオイもスッキリ!場所別掃除のコツ決定版!
トイレには、尿ハネのほか、黄ばみや黒ズミなどの汚れがあったり、うっかり見落としがちな所があったりで、掃除が行き届いていない方も多いのでは?放置するとガンコなこびりつきやニオイの原因になってしまいます。そこで、場所ごとに、汚れもニオイもスッキリとれるお掃除方法を紹介。便座を外してお掃除するテクニックも!
トイレは、こんな場所まで汚れている!
ライオンが行った実験では、男性が立って小用をした場合、床に飛び散る尿ハネは、1日になんと約2300滴※という結果も!!
また、立って小用をする男性ばかりではありません。座って小用をした場合(男女とも)、便座の裏に多数の尿ハネが飛び散ります。
トイレをこまめにお掃除している方も多いと思いますが、実は尿ハネなどで思った以上に汚れているようです。
- 床に尿ハネに反応する感水紙を敷き、男性が立って小用を7回(1日の平均回数に相当)したときに床に飛び散った直径2mm以下の尿ハネの数をカウント。
トイレの「汚れ」の原因は?
トイレの汚れは、「尿」が原因になるものと、「水」が原因になるものが多くあります。
どちらの汚れも放っておくと、尿石汚れ、水垢や黒ズミ汚れなど、ガンコな汚れになってしまうので、こまめなお手入れが大切です。
「尿」が原因になるもの
小用のときに飛び散った尿ハネをそのままにしておくと、床や便座などにいる菌に、尿の成分が分解されて、ツーンとするアンモニア臭が発生します。
さらに、フチ裏などでは、ガンコな「尿石汚れ」になってしまいます。尿石汚れは尿の成分が菌によって変化してトイレに流す水の成分と結びつき、その名の通り石のように固まった黄ばみ汚れです。
尿石汚れそのものを取り除くのも、とてもやっかいですが、汚れの凹凸に新たな尿が付きやすくなったり、菌がたまったりするので、汚れはどんどんひどくなってしまいます。
「水」が原因になるもの
「水」は乾燥すると、水中のミネラル分が固まって「水垢」という落としにくい汚れになります。水垢にホコリなどが混じると、ガンコな「黒ズミ汚れ」になってしまう場合も。
このタイプの汚れは、「水に濡れる→乾燥する」を繰り返しやすい、便器の水たまりの水面付近や、手洗い器などにつきやすいです。水垢の成分は便器の成分と近いので、放っておくと汚れと便器(陶器)が強固に結合してしまい、取り除くのがとてもむずかしくなってしまいます。
基本のトイレ掃除の方法
トイレの汚れは、家族の人数や年齢によって汚れやすさは様々。生活スタイルも人それぞれなので、掃除頻度はご自宅の汚れやご自分のペースに合わせて習慣化するとよいでしょう。
例えば働いている人なら、週1回仕事が休みの日に掃除をする、と決めれば、生活サイクルに合うので忘れずに習慣化しやすいですね。
では、基本のお掃除方法を紹介します。
1.フチ裏を狙って洗剤をかける
便器の「フチ裏」を狙って、トイレ用洗剤をぐるっと1周かけ、2~3分そのままおきます。
2.ブラシで便器の中を洗う※
トイレ用ブラシで、フチ裏や水たまり部など、便器の内側全体をこすり洗いし※、水を流してすすぎます。
この時、ブラシを水たまりのところですすいでしまうと効率的です。
- 塩素系のトイレ用洗剤を使った場合は、ブラシでこすらず、2~3分おいた後に水を流してすすぐ。
3.便器と便座をふき掃除する
ふき掃除は、雑巾や使い捨てトイレ用シートでもできますが、ここでは、トイレットペーパーとトイレ用ふき取りクリーナーとで即席の「お掃除シート」を作って、ふき掃除をする便利な方法をご紹介します。トイレ用ふき取りクリーナーは、トイレットペーパーがボロボロにならないタイプのものを使いましょう。
即席の「お掃除シート」の作り方
トイレットペーパーを長さ50cmくらい切り取って、手のひらサイズに折りたたみ、トイレ用ふき取りクリーナーを2~3回プッシュします。一度たたんで開き、泡を全体にしみ込ませます。これで、ふき取り用の「お掃除シート」の完成です。
「お掃除シート」で便器と便座をふきます。ふき掃除に使ったトイレットペーパーは、汚くなったら新しいものに取り替えてください。汚れたものは便器に捨て、最後にまとめて流します。
おすすめのふき掃除の順番を以下に紹介します。便座やフタの上げ下ろしの導線がスムーズです。
これで、基本のトイレ掃除は終了です。
動画でも紹介しています。
ふき掃除のポイント
直接スプレーしてもOK
即席の「お掃除シート」を作らずに、便器や便座の狙ったところに、直接トイレ用ふき取りクリーナーをシュッとスプレーして、トイレットペーパーで泡を伸ばしながら汚れをふき取ることもできます。
ノズル周辺をしっかり
立って小用をする男性の家族がいる場合は、ノズルの周辺(格納カバーなど)も尿ハネで汚れやすいので、忘れずにふきましょう。
便座の裏も忘れずに
女性や座って用を足すスタイルの男性は、便座を上げる機会が少ないので、意外と気付かないのが便座の裏側の汚れです。忘れずに、掃除しましょう。
トイレ掃除はこの場所をチェック!
基本の掃除以外にも、汚れがたまりやすい所やうっかり見落としがちな所は、ちゃんと掃除できているか気がかりではないでしょうか。
そこで、ここでは場所別に、トイレ掃除のポイントをご紹介します。汚れもニオイもスッキリとって、ピカピカのトイレにしましょう!
便器の中/フチ裏
便器の中で忘れずにお掃除したいのが、「フチ裏」です。
見えにくい場所なので掃除しにくいうえに、水が流れにくく、放っておくと、飛び散った尿が変化してガンコな「尿石汚れ」になってしまい、悪臭の元にもなります。
フチ裏のお掃除方法
酸性のトイレ用洗剤をぐるっとかけて、ブラシでこする
尿石汚れに強いのは「酸性」のトイレの洗剤です。黄ばみやニオイの原因となる尿石汚れを溶かして落とします。
必ず表示を確認!
「まぜるな危険」の表示のある「酸性タイプ」のトイレの洗剤は、絶対に塩素系洗剤と混ぜないでください。有害なガスが出て危険です。
「まぜるな危険」の表示の有無をよく確認してから使いましょう。
便器の水たまり部
便器の水たまり部にいつのまにかできるリング状の黒ズミ。実はその正体は2種類あることをご存じですか?
1つはバイ菌によるヌメリが原因でできる黒ズミで、この場合は比較的楽に落とすことができます。もう1つは、水垢にホコリなどの汚れが入り込んでできた黒ズミで、落としにくいガンコな汚れです。
どちらの黒ズミ汚れか分からない場合は、まずは次に示すトイレ用洗剤を使う方法を試してみて、それでも落ちない場合にクレンザーを使う方法を試してみましょう。
ヌメリが原因でできる黒ズミのお掃除方法
トイレ用洗剤をかけトイレ用ブラシでこする
ヌメリによる黒ズミは、この記事前半の「基本の掃除」の方法で落とすことができます。トイレ用洗剤をかけ、トイレ用ブラシでこすって落とします。仕上げに水を流して汚れをキレイにしましょう。塩素系のトイレ用洗剤を使った場合はこすらずに流します。
水垢に入り込んだ汚れが原因でできる黒ズミのお掃除方法
クレンザーでこすり洗い
クリームクレンザーをスポンジにつけ、少しずつ汚れをこすり落としましょう。この時、溜まっている水の水位を下げると掃除しやすくなります。水位を下げるには、洗面器1杯分の水を便器の中に勢いよく流し入れるか、小さな容器を使って便器の中の水をくみ出しましょう。
便器の表面を傷つけないように注意
便器の表面に傷がつくと、汚れがつきやすくなるので注意してください。また、表面がコーティング処理された便器にクレンザーを使うと、コーティングがはがれてしまうおそれがあります。便器の取扱説明書で確認してから行ってください。
ノズル
使うとき以外は格納されていて目につかず、うっかりお手入れを忘れがちな「温水洗浄ノズル」ですが、いつでも気持ちよく使えるように定期的にお手入れしましょう。
ノズルのお掃除方法
ノズルを出し、全体をやさしくふく
まず、トイレの操作パネルの「ノズルそうじ」ボタン(機種によって名称が異なります)を押してノズルを出し、トイレ用ふき取りクリーナーをスプレーしたトイレットペーパーか、やわらかい布でノズル全体をふきます。 お掃除する時に、ノズルを強く押したり引っ張ったりすると、曲がったり外れたりするおそれがあります。片方の手で下を支えながら、軽い力でやさしくお手入れしましょう。 ノズルやノズル収納口の周辺に気になる汚れがついていたら、小さいブラシなどでこすりましょう。最後に、「ノズルそうじ」ボタンを押して、ノズルを収納します。
機種によってノズルの出し方などが異なるので、必ず取扱説明書で確認してください。
床
トイレは、洋服やトイレットペーパーから出るホコリがたまりやすい場所。実はトイレのホコリには、他の場所のホコリより多くの菌が潜んでいます。加えて、立って用を足す家族がいる場合は、尿ハネが飛び散っている可能性もあり、忘れずにこまめにふき掃除したいですね。
床のお掃除方法
即席の「お掃除シート」で尿ハネやホコリをふく
長さ50cmくらいに切り取ったトイレットペーパーに、トイレ用ふき取りクリーナーを2~3回ふきかけて、即席の「お掃除シート」を作り、床全体をふきます。
途中で「お掃除シート」が汚くなったら新しいものに取り替えてください。汚れたものは便器に捨て、最後にまとめて流します。
掃除したい場所にトイレ用ふき取りクリーナーを直接スプレーし、トイレットペーパーでふき取ってもOKです。フローリングなど床の素材によっては、水気を嫌うものもあるので注意してください。
スリッパの裏も汚れていたら、ふき取るとスッキリしますよ。
壁
立って用を足す家族がいるご家庭では、腰の高さより下の部分には、尿ハネが飛び散っている可能性があるので要注意です。床と同様に、即席の「お掃除シート」でふき掃除しましょう。
壁のお掃除方法
「腰の高さより下の部分」をふく
トイレットペーパーにトイレ用ふき取りクリーナーを2~3回ふきかけて、即席の「お掃除シート」を作り、汚れが気になるところをふき取ります。
凹凸がある素材の壁の場合は「お掃除シート」が破れやすいので、たたくようにしてふくとうまくふけます。また、壁の素材によっては水気を嫌うものもあるので注意してください。
トイレの壁や床のふき掃除の方法は動画でもご紹介しています。
便器と床の隙間/便器と便座の隙間
「便器と床の隙間」は意外な盲点。たれた尿が入り込み、汚れています。見逃さずにキレイにしましょう。掃除がしにくい「便器と便座の隙間」は、便座を外すとお手入れしやすくなりますよ。
便器と床の隙間のお掃除方法
隙間に即席の「お掃除シート」を竹串で差し込んでふく
トイレットペーパーにトイレ用ふき取りクリーナーを2~3回ふきかけて、即席の「お掃除シート」を作り、竹串を使って便器と床の隙間に差し込み、便器に沿ってぐるりと、周囲の隙間をキレイにふいていきましょう。
便器と便座の隙間のお掃除方法
便座を外すと掃除しやすい!
実は、便座を簡単に外せるタイプはけっこう多いのをご存じですか。便座を外すと手の届きにくい隙間も、お手入れが簡単になりますよ。メーカーや機種によって外す方法が異なるので、必ず便座の取扱説明書をご確認ください。
便座を外す際は、はじめに電源プラグを抜き、電源コードや給水ホースがついている場合は、無理に引っ張らないように気を付けましょう。
便器の表面や便座の裏側は、トイレットペーパーにトイレ用ふき取りクリーナーをふきかけた、即席の「お掃除シート」を使ってふきましょう。この時、便座は落とさないように安定する場所に置いて、コードや水道管に気を付けながらお手入れしましょう。
脱臭フィルターがついている機種では、外してフィルターにつまったホコリなどを、小さいブラシを使ってキレイに取り除きます。
最後に、便座を元に戻し、電源プラグを差します。
手洗い器・タンク
トイレ掃除というと便器を中心に考えがちですが、「手洗い器」や「タンク」などもトータルでキレイにすると、一層心地いい空間になりますよ。
手洗い器やタンクの表面のお掃除方法
トイレ用ふき取りクリーナーをふきかけたトイレットペーパーでふく
「手洗い器」や「タンクの表面」を、トイレットペーパーにトイレ用ふき取りクリーナーをふきかけた、即席の「お掃除シート」を使ってふきます。トイレ用ふき取りクリーナーを直接スプレーしてトイレットペーパーや布でキレイにふき取るのでもOKです。
水洗レバーも、即席の「お掃除シート」で忘れずにふきましょう。
手洗い器の黒ズミのお掃除方法
クリームクレンザーでこすり洗い
手洗い器の上部の「黒ズミ」は、水垢にホコリなどが混じったガンコな汚れです。クリームクレンザーをスポンジか丸めたラップにつけ、こすり落とすのが効果的。そのあと、しっかり水ぶきしましょう。
クレンザーがタンクの中に入ると故障の原因になることがあります。お掃除する前に、タンクの穴に布を詰め、クレンザーが入らないようにしておきましょう。その際、布をタンクの中に落とさないように気をつけましょうね。
また、手洗い器の表面に傷がつくと、汚れがつきやすくなるので、クレンザーを使うときは力加減に注意してください。表面がコーティング処理されている場合もあるので、取扱説明書で確認してから掃除しましょう。
金属部分のお掃除方法
クリームクレンザーでやさしく磨き、水ぶき&乾ぶきする
水垢や手垢がつきやすい水栓金具や給水管などの「金属部分」は、クリームクレンザーをやわらかい布につけ、汚れをこすり落とします。そのあとしっかり水ぶきして、クレンザー成分が残らないようにしましょう。仕上げに、キレイな布で乾ぶきします。
なお、最近の水栓金具には、プラスチックに金属のメッキが施されているものもあるので、クレンザーなどでみがくときは、メッキがはがれないようにご注意ください。
換気扇
換気扇のお手入れどうしていますか?
ライオンの調査※では、「これまで一度も掃除をしたことがない」という人は「38%」。「1年以上掃除をしていない」という人を足すと57%にもなり、半数以上のご家庭でしばらく掃除をしていないという結果に。
最近の家では、一見しただけでは換気扇だとわかりにくい場合もあります。壁面ではなく天井についている場合もあるので、トイレに入ったときに、たまには上に目を配ってみませんか。
- ライオン調べ、「汚れを見るのが怖い」と答えたn=60、2014年
ホコリで汚れたままだと換気効率がダウンすることもあります。
ある家庭のトイレで、換気扇を掃除する前と後で、換気効率を計測したところ、約3割も違ったという結果もでています!
トイレの換気扇のお掃除方法
ホコリをていねいに吸い取ってから、ふく
換気扇のカバーが外れるようなら、カバーを外します。本体やフィルターにホコリがたくさんついている場合には、まず掃除機を使ってホコリをていねいに吸い取ってから、トイレ用ふき取りクリーナーを布またはトイレットペーパーにふきかけ、ホコリをふき取ります。
日常の「ちょこっと掃除」でキレイをキープ!
尿ハネは、放置するとガンコな汚れになってしまう場合もあるし、ニオイも発生してしまいます。
飛び散った尿ハネは、「汚しちゃった!」と思ったそのときに、本人がふき掃除するのがおすすめです。トイレから出る前にたった20秒だけ「ちょこっと」ふくルールを、家族みんなで習慣化してみてはいかがでしょうか。
トイレットペーパーにトイレ用ふき取りクリーナーをふきかけて作る、即席の「お掃除シート」なら、誰でも簡単に作れるので、家族みんなでやり方を覚えて実践してくださいね。
この記事を作成・監修した
マイスター
リビングケアマイスター
吉井 和美
よしい かずみ
掃除用洗剤の製品開発を約15年、技術者向けの情報発信を約5年経験してきました。
これまでの知識を活かし、掃除に前向きに取り組めるようなコツやノウハウをわかりやすくお伝えしていきます。
下記のコメントを削除します。
よろしいですか?
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