失敗しないダウンジャケット・ダウンコートの洗濯!自宅でふんわり仕上げる洗い方
ダウンジャケットの洗濯は、「洗い方」と「干し方」で仕上がりに差が出ます。ダウンジャケットを、自宅で失敗なく洗うには「おしゃれ着用洗剤」を使って「やさしく手洗い」することがポイント。脱水後すぐに振りさばいて、乾く途中で羽毛のかたまりをほぐして干すと、ふんわり仕上がりますよ。
ダウンジャケットの洗濯でよくある失敗は?
冬の屋外でも、寒さからしっかり守ってくれる「ダウンジャケット」や「ダウンコート」。皆さんは、どのようにお手入れしていますか?多くの方は、クリーニングに出しているのではないでしょうか。
実は、ダウンジャケットには自宅で洗濯できるものもあります。でも、普段着と同じように洗濯機の標準コースで洗ってしまうと、思わぬ失敗をすることも…。ライオン株式会社が「ダウンジャケットの洗濯でよくある失敗例」を調査したところ、次のような結果になりました。
<ダウンジャケットの洗濯でよくある失敗ベスト3>
1位 中の羽毛が出てきた
2位 ふんわり感がなくなった
3位 型くずれした
- ※ライオン調べ、ダウンジャケットを持っている20~60代男女、333名、2022年
ダウンジャケットの汚れをしっかり落とし、型くずれなく、ふんわりキレイに仕上げるためには、「洗い方」と「干し方」にポイントがあります。ダウンジャケットの適切な洗濯方法とポイントをご紹介します。
失敗しない!ダウンジャケットの洗濯4つのポイント
まずは、上手に洗うポイントを押さえておきましょう。
1.洗濯表示を必ず確認
最初に洗濯表示を見て、家庭で洗えるかどうかを確認します。
2. おしゃれ着用洗剤(アクロン)を使う
洗剤は、おしゃれ着用洗剤(アクロン)がおすすめです。色あせや型くずれなどの洗濯ダメージを防ぎながら、洗えます。
※1 ここから先は外部サイトへ移動します。価格やサービス内容については、各サイトに記載されている内容をよくお読みになり、ご自身の責任でご利用ください。
※2 通販限定販売品は、「取扱店舗を探す」ではご案内しておりませんのでご了承ください。
3. やさしく手洗いをする
ダウンジャケットはやさしく手洗いすることが基本です。洗濯機の「標準コース」で洗うと、中の羽毛が出てきたり、型くずれする可能性があります。また、「おしゃれ着コース」で洗うと、ダウンジャケットが水に浮き上がってしまい、汚れが十分に落ちないことがあるからです。
4. 陰干し後、軽くたたいて羽毛をほぐす
風通しの良い場所で陰干しします。乾いている途中で羽毛をほぐすと、ふっくら仕上がります。
ダウンジャケットの洗濯方法
洗濯おけでは洗濯できない厚手のダウンジャケットは、洗濯機を使って手洗いできます。
洗濯表示を確認後、汚れがひどい部分があれば前処理をします。洗濯槽に、全体が浸かる程度の水とおしゃれ着用洗剤(アクロン)を入れてダウンジャケットを浸し、やさしく手洗いします。すすぎと脱水を2回繰り返し、羽毛をほぐしてかたよりを減らしてから陰干しします。製品によっては、乾燥機で乾かすことができるものもあります。
次から具体的な手順を説明します。
手順1 洗濯表示を確認する
最初に、洗濯表示を見て自宅で洗えるかどうかを確認しましょう。洗濯表示は衣類の裏側のラベルについています(写真赤丸部分)。
洗濯表示に「洗濯おけ」や「手洗い」の記号がついている場合は、家庭で洗えます。また、従来の絵表示の場合は、「洗濯機マーク」や「手洗いマーク」がついていれば家庭で水洗いできます。
ただし、フードについているファーは水洗いできないので、必ず取り外して別に処理しましょう。
ファーは、両端をつまんで、軽く振ったり、たたいたりしてホコリを落とした後、洋服ブラシで、最初は毛並みと逆方向に、次は毛並みに沿ってブラッシングすると、毛羽がふっくら仕上がります。
手順2 汚れている部分は「前処理」でキレイに!
洗う前に全体をよく見て、汚れが特にひどい部分に「前処理」をするとキレイに仕上がります。
2-1. 汚れている部分をチェック
特に汚れやすいエリや袖口、ポケット口などを中心に、汚れている部分を確認します。前身ごろやひじの部分などにシミがないかどうかもチェックしましょう。
2-2. 洗剤液を含ませたスポンジで汚れ部分をたたく
洗面器などに水を入れ、おしゃれ着用洗剤(アクロン)を適量加えて洗剤液をつくります。(アクロンの場合、水4Lに対して10mLが目安)
やわらかいスポンジに洗剤液をつけて、汚れている部分を軽くたたきます。生地を傷めてしまうので、スポンジのかたい面でこすらないように注意してください。
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※2 通販限定販売品は、「取扱店舗を探す」ではご案内しておりませんのでご了承ください。
食べ物などのシミ部分には、シミ用の部分洗い剤または液体酸素系漂白剤の原液をつけておきます。
漂白剤を使用する時は、必ず洗濯表示を確認し、使用できるかどうかを確認してください。
手順3 やさしく手洗いする
洗濯槽を「洗いおけ」がわりに利用して洗濯します。ボリュームのあるダウンジャケットもしっかり洗えます。薄手のライトダウンジャケットなら、洗面器や洗面台の洗面ボウルを利用しても良いでしょう。
3-1.ファスナーを閉じる
ファスナーやボタン、フックなどは、洗濯中に引っかかって布地を傷めることがあるため、洗う前にあらかじめ閉じておきます。また、フードにファーがついている場合は取りはずしておきます。
洗う時に洗濯ネットに入れると、洗濯機の中で袖が広がらず、押し洗いしやすくなります。
ライトダウンジャケットの場合は、洗濯ネットの大きさに合わせて折りたたんで入れます。
3-2.洗濯槽や洗面器の中で押し洗いをする
洗濯槽や洗面器にダウンジャケットが浸るくらいの量の水(30℃以下)を張り、おしゃれ着用洗剤(アクロン)を適量入れて洗剤液をつくります(アクロンの場合は水30Lに対して40mL)。
ダウンジャケットを浸して、全体を上下に40回程度押し洗いします。
この時、両手のひらでやさしくゆっくりと、洗剤液中に沈めたり浮かせたりを繰り返し、ダウンの中に洗剤液を通すようにして洗うのがポイントです。もみ洗いすると、中の羽毛を傷めてしまうので避けましょう。
3-3. すすぎと脱水を繰り返す
洗いが終わったら、洗濯機のおしゃれ着コースなどの弱水流コースで1分程度脱水し、再び水をためます。
- *「弱水流コース」は、「手洗いコース」「おしゃれ着コース」「ドライコース」「おうちクリーニングコース」など、洗濯機によって名称が異なります。
3-2 と同じ要領で水の中でダウンジャケットを上下させてすすいだら、再び弱水流コースで1分程度、脱水します。この作業を2回繰り返します。
- *柔軟剤を使用する時は、すすぎの2回目に入れましょう。
ダウンジャケットの表の布地は水を通しにくいため、脱水中に洗濯機が大きく揺れ、途中で止まることがあります。その場合には洗濯機での脱水は止め、洗面ボウルの中で衣料を丸めてぎゅっと押し絞り、さらにタオルドライして、できるだけ水分を取り除くと良いでしょう。
要注意!
通水性のないビニールやゴム引き製品、透湿防水性素材などは脱水時の水抜けが悪く、洗濯機の故障につながるおそれがあるので、洗濯機の使用は避け、バスタオルに挟んで上から押して水分を取り除くタオルドライをおすすめします。
手順4 羽毛をほぐしてから干す
脱水したあと、そのままハンガーにかけて乾かすのはNGです。布地の中で羽毛がかたよったまま、かたまってしまい、失敗につながります。ふんわり仕上げるためには、干す時に「手わざ」をプラスします。しわや型くずれも防げる大事なプロセスなので、面倒でもぜひ実践しましょう。
4-1. 脱水後、すぐに振りさばく
脱水が終わったら、洗濯じわや型くずれを防ぐため、すばやく取り出します。続けて、羽毛のかたよりを減らすため、ダウンジャケットの肩を持って軽く振りさばいて形を整えます。
4-2. 陰干しする
形を整えたダウンジャケットをハンガーにかけ、風通しの良い場所に陰干しします。
4-3.乾燥途中で中の羽毛をほぐす
表面が乾いてきたら、両手ではさんで軽くたたきながら中の羽毛をほぐします。
要注意!
ダウンジャケットは乾きにくいので、2~3日かけて乾燥させると良いでしょう。羽毛に湿気が残っていると、保管中にイヤなニオイやカビが発生する原因となります。両手のひらでダウンジャケットをギュッとはさんで、水分が手につかなくなるくらい乾かすのが目安ですが、念のためもう1日干すと完全に乾燥できます。
動画で解説!ダウンジャケットを自宅で失敗なく洗うコツ
ダウンジャケットの洗い方、干し方のポイントをわかりやすくご紹介します。
ふっくら仕上がる「ダウンジャケット」の洗い方
ダウンジャケットを乾燥機で乾かすポイント
ダウンジャケットの中には、乾燥機にかけられるものもあります。洗濯表示を見て、タンブル乾燥できるかどうかを必ず確認しましょう。
タンブル乾燥禁止のマークがあるものは、型くずれや縮み、中の綿や羽毛が出てくる、装飾品の破損などが起こる可能性がありますので、使用をお控えください。
洗濯表示 |
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タンブル乾燥処理ができる(排気温度上限80℃) |
タンブル乾燥処理ができる(排気温度上限60℃) |
タンブル乾燥禁止 |
<失敗しない!タンブル乾燥する時のポイント>
1.ファスナーを閉じる
ファスナーやボタン、フックなどは、乾燥中に引っかかって布地を傷めることがあるため、あらかじめ閉じておきます。
2.弱(低温)で乾燥させる
型くずれや生地の傷みを防ぐためには、低温設定での乾燥がおすすめです。
洗濯表示にある「排気温度上限」の温度は、必ず守りましょう。
<陰干ししたダウンを乾燥機でふわっと仕上げる>
乾燥機を使えるダウンは、干して乾かしたあと、洗濯機の乾燥機能を使って、もっとも低温の設定で5分程度乾燥させるとふわっと仕上がります。
ダウンジャケットは、洗濯の仕方で仕上がりに大きな違いが出ます。お手入れ後もふっくらとしたダウンの着心地やあたたかさを楽しむために、適切な方法でお手入れしたいですね。
ダウンジャケットの洗濯頻度は?
ダウンジャケットを持っている約400名を対象に行ったライオンの調査では、「1シーズンに1回洗う」という方がもっとも多く、約半数を占めました。「洗わない」という人も約2割いました。
- ※ライオン調べ、ダウンジャケットを持っている20~60代男女、413名、2022年
衣類の汚れは時間の経過とともに落ちにくくなり、嫌なニオイの原因にもなります。袖口やエリ、ポケットの周りなど、汚れが気になったら洗ってみてはいかがでしょうか。さっぱり気持ちよく着られますよ。
また、洗わないで収納すると、黄ばみやニオイの原因に。衣替えの際には、洗濯もしくはクリーニングでキレイにしてからしまいましょう。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
ダウンジャケットをおしゃれ着用洗剤(アクロン)で洗う理由は?
中性洗剤なのでダウンが傷みにくいから
ジャケットの中に入っているダウンなどの羽毛は、髪の毛と同じたんぱく質でできています。アルカリに弱い素材なので「弱アルカリ性の洗剤」の使用はNG。中性の「おしゃれ着用洗剤」を使うことをおすすめします。
「おしゃれ着用洗剤」には、色あせ、しわ・ヨレ、型くずれ防止成分が配合されているので、ダウンジャケットの洗濯では、普段着用の中性洗剤よりもこちらがおすすめです。
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※2 通販限定販売品は、「取扱店舗を探す」ではご案内しておりませんのでご了承ください。
この記事を作成・監修した
マイスター
お洗濯マイスター
大貫 和泉
おおぬき いずみ
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。
母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。
下記のコメントを削除します。
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