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縄文人の蒸し料理は土の中!?想像を超える家事について、専門家に聞いた

縄文人の蒸し料理は土の中!?想像を超える家事について、専門家に聞いた

必要な水は泉や川で汲み、狩猟や採取をして暮らしていた縄文時代。当時の人々はどんな家事をしていたの?現代の料理・洗濯・掃除とどのくらい違いがあるの?そんな疑問をもったライターの地主恵亮さんが、縄文時代の暮らしについて専門家に教えてもらい、現代と比較してみました。

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縄文時代の家事は、どんな感じだったのか

縄文時代というものがある。約1万5000年前に始まり、約2400年前に終わった。1万年以上、縄文時代は続いたということだ。狩猟や採取を行い、当時の人々は生きていた。今の我々とは大きく異なる生活だと思う。

縄文グッズを見つめる地主さん

どうも、縄文系の顔の地主です!

縄文時代がいま熱い。2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」がユネスコの世界遺産に登録された。遺跡からは当時の人々の暮らしが見えてくる。意外とほかの地域との交流があり、現代でも作るのが大変そうな構造物があったりもする。

縄文時代の暮らしのイメージイラスト

縄文時代のイメージ(私が描きました)

当時の人々はどんな生活をしていたのだろうか。やはり食べなければ生きていけないので料理はしていたはずだけれど、何をどのように料理していたのだろうか。洗濯はしていたのだろうか。縄文時代といえば竪穴式住居(※)だが、掃除はしていたのだろうか。疑問は尽きない。

※地面を円形や方形に数十センチメートル掘りくぼめて、垂直に近い壁や平らな土間(どま)の床を作り、その上に屋根を架した半地下式の住居のこと

縄文グッズを手に取りながら疑問に思う地主さん

疑問だ!

そこで縄文時代の人々がどのように家事をこなしていたのか、奈良女子大学の武藤康弘教授にお話を聞くことにした。今とはどのくらい違うのだろうか。

武藤康弘(むとうやすひろ)

武藤 康弘(むとう やすひろ)
1959年秋田生まれ。2011年より奈良女子大学文学部教授。専門は文化人類学、民俗学、考古学。著書に『知られざる縄文ライフ』(誠文堂新光社)監修、『縄文時代の食と住まい』(同成社)などがある。

縄文時代の蒸し料理は、穴と石と葉っぱを使う

武藤康弘教授のスクリーンショット

武藤康弘教授にオンラインで聞きました!

地主恵亮さん

武藤先生、本日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします。

武藤先生
地主恵亮さん

さっそく質問させてください!そもそも縄文時代の人々は家事をしていたのでしょうか?

はい。家事はしていたはずですよ。採ってきたものは調理して食べていました。遺跡から焼けた石なども出てきていますから。

武藤先生
地主恵亮さん

当時の人々は何を食べていたのでしょうか?

メインはシカとイノシシですね。貝塚(※)遺跡から骨がたくさん出てきています。あとはデンプン質の食料によってエネルギーを安定して確保しなければならないので、ドングリ類、それから栃の実(トチノミ)や、ゆり根やいも類などの根茎類ですね。

武藤先生

※縄文人が残した生活のあとの1つ。貝殻や動物の骨などのほか、土器が出てくることもある。

栃の実の写真

栃の実です!

地主恵亮さん

それをどう料理していたんでしょうか?

縄文時代の調理法は基本的に「煮る」「焼く」「蒸す」です。

武藤先生
地主恵亮さん

やっぱりその調理の時間って今よりもずっと長かったんですかね?

長かったでしょうね。例えば栃の実は、強烈なアクを持っているので、そのまま食べると渋いわけです。アク抜きをしなければなりません。流水にさらしたり、長時間煮込んだりしてアクを除いてから、粉末にして、クッキーのようなものを作ったりもしていました。

武藤先生
地主恵亮さん

大変!スーパーに小麦粉売ってないから!

栃の実の断面写真

栃の実の断面

栃の実を味見して、渋い表情をする地主さん

食べるとめちゃくちゃ渋かったです!

地主恵亮さん

調理はどこでやっていたんですか?竪穴式住居にキッチンとかあったんですか?

竪穴式住居は換気がすごく悪いので、大がかりな料理は、外でやっていたと推測できますね。寝る時や、雨や冬場の寒冷期しか、竪穴式住居にはいなかったようです。

武藤先生
地主恵亮さん

毎日がバーベキューのようで楽しそうではありますね!

ただ、やはり時間はかなりかかったと思います。例えばこの縄文土器…

武藤先生
武藤先生の所持品である縄文土器のスクリーンショット

武藤先生の私物の縄文土器

武藤先生と縄文土器武藤先生と縄文土器

縄文土器のサイズ感が知りたかったので、オンライン取材後に土器全体(と武藤先生)の写真を送っていただきました。約6000年前の「円筒下層d2式」とのこと。大きい!

けっこう大きいでしょう?7キロあるんですよ。水を入れて、食材を入れると20キロを超えると思うんですよね。

武藤先生
地主恵亮さん

そんなに大きな縄文土器を鍋として使っていたんですね!

容量は約14リットルあるので、調理に使う時、沸騰させるのにも時間がかかっていたはずです。

武藤先生
地主恵亮さん

ところで土器にフタってないんでしょうか?

縄文時代の後期には、フタが遺跡から見つかっていますね。

武藤先生
地主恵亮さん

水もどこかに汲みにいかないといけないんですよね?

そうです。しかも、土器は素焼きでできているので、持ち運んでいる最中に水が漏れていた可能性も考えられます。

武藤先生
地主恵亮さん

大変!食材を調理するだけでもそれだけ労力がかかっていたのか…。考えただけで息切れしてきた…!

縄文時代の料理は、現代に比べるとどれだけ大変だったかがわかる。現代なら、例えば、リード プチ圧力調理バッグに鶏むね肉を入れて、お酒としょうがを入れて、電子レンジで加熱すると10分とかからず「超簡単サラダチキン」ができてしまう。現代はラクなのだ。

現代の家事でやってみると…

リード プチ圧力調理バッグを手に持つ地主さん

これがリード プチ圧力調理バッグ!

リード プチ圧力調理バッグに鶏むね肉を入れている地主さん

鶏むね肉を入れて、

リード プチ圧力調理バッグに料理酒を入れている様子

しょうがと日本酒を入れて、

リード プチ圧力調理バッグを電子レンジに入れる地主さん

電子レンジで加熱するだけ!

現代の家事でやってみると…

地主恵亮さん

縄文時代はどんなふうに調理していたのでしょうか?

縄文時代には、土器で長時間煮込んだりする煮る料理が中心となります。このほかに、蒸す料理もあります。地面に穴を掘って、石を並べその上で火を焚きます。石が熱いうちに、葉っぱに包んだ食材を入れ、葉や土をかけて食材を蒸していたようです。「集石炉」や「集石遺構」と呼ばれる遺構(※)として残っています。

武藤先生

※建物の柱や基礎の痕跡、溝など、土地に刻まれた痕跡

縄文時代の蒸し調理法のイラスト

縄文時代の蒸し調理法

地主恵亮さん

この方法だと、できあがるまでにどのくらい時間がかかるんですか?

1〜2時間はかかると思います。

武藤先生
地主恵亮さん

大変!…でもおいしかったらいいか!

現代でももちろん1〜2時間かかる料理はあるけれど、縄文時代の人々は毎日そのくらいの時間をかけて料理をしていたということ。一方、現代ではリード クッキングペーパーを使えば、温野菜が5分もかからずにできてしまう。現代は早いのだ。

現代の家事でやってみると…

リード クッキングペーパーを手に持つ地主さん

現代だとリード クッキングペーパーもございます!

野菜を包丁でカットする様子

野菜を切って、

濡らしたリード クッキングペーパーで野菜を包んでいる様子

濡らしたリード クッキングペーパーで包んで、

リード クッキングペーパーに包まれた野菜を電子レンジで加熱している様子

電子レンジで加熱するだけ!

完成した超簡単サラダチキンと温野菜

現代の料理です!全部作ってもたった15分くらいで完成しました!

現代の家事でやってみると…

地主恵亮さん

ちなみに縄文時代の味付けはどんな感じだったんですか?

塩味だったと思います。

武藤先生
地主恵亮さん

あれ、内陸部では塩は取れないですよね?

当時はもう交易(※)が行われていたので、沿岸部で採れた塩が、内陸部にまで運ばれていた可能性が高いです。また内陸部にも、塩分が強い温泉が湧き出す所があるので、そこで採れた塩を利用したかもしれません。

武藤先生

※物品を交換すること。縄文時代にはすでに海路や陸路が確立されていて、日本列島全体で交易が行われていたといわれている。

地主恵亮さん

醤油は欲しいですね!

縄文土器を使ったあと、洗っていた?

地主恵亮さん

食器とかは使っていたんですかね?

箸などは発掘されていないので、手で食べていたり、葉っぱをお皿にしたり、木製の小皿などを使っていたんじゃないかと考えられます。

武藤先生
地主恵亮さん

なるほど。料理に使った土器は洗っていたんですかね?

洗っていたとは思います。

武藤先生
地主恵亮さん

台所用洗剤のCHARMY Magica 酵素+(プラス)はないですよね?

ないですね! 代わりに灰を使っていたと思います。

武藤先生
地主恵亮さん

灰?

そうです。おそらく灰を水に溶かして汚れを落としていたのではないかなと。木灰(※)を使うとアルカリ性の液ができます。灰は縄文時代に限らず、山間部では最近まで使われていました。

武藤先生

※草木などを焼いて作った灰

灰の写真

これが灰です!この写真は生徒さんたちが灰を触っている様子とのこと。

地主恵亮さん

肉は脂が出ると思うんですけど、灰を使えば落ちやすくなるんですか?

落としやすくなるはずです。どの木で作った灰が一番落ちやすいかとか、当時の人は知っていたと思いますよ。ちなみにツバキとかウバメガシ(※)みたいなかたい木の灰は良く落ちるんです。逆にスギとかはあまり落ちないですね。

武藤先生

※クヌギやカシの木の仲間。ドングリの木の一種。備長炭の原料として使われることもある。

地主恵亮さん

現代のMagicaが、縄文時代はツバキとかウバメガシの灰だったんですね!

そういうことですね!

武藤先生
現代の家事でやってみると…

Magica 酵素+を手に持つ地主さん

Magica 酵素+!

お皿を洗う地主さんとMagica 酵素+

泡切れも良くてかなりおすすめ!

現代の家事でやってみると…

洗濯物は?

地主恵亮さん

次に洗濯についてお聞きしたいんですが、そもそも縄文人は服を着ていたんですか?

発掘ではほとんど出てきていませんが、土偶なんかを見ると衣類表現があるので、服を着ていたのは確かです。

毛皮か、木の皮の内側のやわらかい部分を使用した樹皮繊維などがあったかもしれません。出土例からは、スギの樹皮やカラムシ(※)の繊維を利用して縄や糸を作っていたことが明らかになっています。

武藤先生

※高さ1メートルほどに成長する多年草。縄文人は、この茎から取れる繊維を衣類や縄などに使っていたといわれている。

服なんて着ていて当たり前だろ、と思うかもしれないけれど、必ずしもそうではない。世界には、近代まで服を着る文化がなかった地域もあったと聞いたことがある。南米のセルクナム族もその1つだそうだ。その代わりに土をからだに塗っていた。時代を問わず、服を着る、着ないはいろいろな可能性があるわけだ。

セルクナム族の切手

チリで購入したセルクナム族の切手です!

地主恵亮さん

洗濯もやっていたんですかね?毛皮はどうやって洗っていたんだろうと気になってました!

そこは正確にはわかっていませんが、毛皮は洗うと硬くなるので洗っていなかったでしょうね。ただ、樹皮繊維や、カラムシの繊維で作った衣類は洗っていた可能性があります。

武藤先生
地主恵亮さん

なるほど!そこにアクロンスマートケアはないですよね?

ないですね!

武藤先生
アクロンスマートケアを手に持つ地主さん

アクロンスマートケア

地主恵亮さん

洗剤の代わりに何か使っていたんですか?

灰です。

武藤先生
地主恵亮さん

灰、大活躍!

直接、灰を衣類につけて洗う場合も、水で溶いて使う場合もあったと思います。

武藤先生
地主恵亮さん

灰は偉大ですね。

ただ、頻繁には洗っていなかったんじゃないかと思います。水は非常に貴重な資源でしたし、灰は強いアルカリ性なので、手も衣類も傷んでいきますから。

武藤先生
地主恵亮さん

灰は強力なんですね。

アクロンスマートケアのパッケージのアップ写真

アクロンスマートケアもあまり水を使いません!

地主恵亮さん

服はどれくらい持っていたんですかね?

遺物として服が残っていないので、なんとも言い難いのですが、竪穴式住居の広さを考えると、何種類も服を置いておくのは難しかったと思います。まぁ2、3着は持っていたかもしれないです。

武藤先生
縄文時代の洗濯の様子のイラスト

当時の洗濯の想像の絵

現代の家事でやってみると…

アクロンスマートケアを注いでいる地主さん

一方、現代はアクロンスマートケアを使い、

ベランダで洗濯機のボタンを押す地主さん

ボタンを押すだけ!

アクロンスマートケアの良い点は、洗濯時間・水の量・電力を約5割カットできる(※)ことだ。すすぎ0回なので使用する水の量をおさえることができるのだ。水が貴重だった縄文時代の人に教えてあげたい。おしゃれ着洗いなのだけれど、当時の人はあまり服を持っていなかったようなので、すべてがある意味ではおしゃれ着のはず。キレイ・時短・ECOという素晴らしき逸品なのだ。

※すすぎ工程2回に比べて0回設定の場合

アクロンスマートケアの写真

おすすめです!洗剤の液も中性なので、優しく洗えます。

現代の家事でやってみると…

掃除はしていたの?

地主恵亮さん

掃除はしていたんですかね?

あまりやっていなかったと思うんですよね。

武藤先生
地主恵亮さん

でも、黒曜石などからナイフや槍を作る時、石の屑が出るから掃除はした方がいいですよね?

ナイフや槍を作る作業を、どこでやっていたかという問題はあるんですよね。おそらく、古くなって崩壊した竪穴式住居跡のくぼ地などで、石器を作っていたのではないかと。生活する場所とは分けていたと考えられます。

武藤先生
地主恵亮さん

なるほど、生活する場所が汚れないよう工夫していたんですね。

黒曜石で作ったナイフを手に持つ地主さん

これが黒曜石のナイフです!

はい、日常生活に支障がでる所では作業をせず、最初から掃除が必要になる行動をしていなかったんだと考えられます。

武藤先生
地主恵亮さん

でも家にホコリとかたまりません?

縄文人は常にホコリの中で生きているようなものでしたから。

武藤先生
地主恵亮さん

あ、確かにそうですよね。砂ぼこりとかすごいでしょうし。掃除はどの時代からやるようになったんですかね?

床が土から離れて、高床式になってからだと思います。

武藤先生
地主恵亮さん

そうなんですね。掃除が苦手なので縄文時代に生まれたかったな…。

縄文時代の人たちは、掃除はしていなかったようだ。先にも書いたように、縄文人は寝る時や雨、冬の寒冷期以外は、竪穴式住居にはいなかったようなので、部屋のキレイさは神経質に考えなくてもよかったのかもしれない。私は掃除が苦手なので、ぜひ竪穴式住居に住みたいけれど、土間のままだから湿気はすごそう。

当時床には敷物がありました。ただ、下から冷えると思います。

武藤先生
地主恵亮さん

そうなんですね…。総合すると、当時の人の生活はどうだったのでしょうか?大変だったんですかね?

縄文人は狩猟採取民として自然の中で暮らしていたので、そこまでシビアな暮らしではなかったと思います。万が一食料が取れなくても、別の食料で補完したり、それでもだめだったら別の場所に移動して暮らせばいい、というように保険をきっちりかけていたはずです。

むしろ弥生時代以降、農耕民になってからの方が生きるか死ぬかの問題がけっこうあったと思いますね。

農耕民だと村の人たちがお米に全力をかけるわけでしょ。干ばつや冷害、病虫害でお米が取れなかったら大変なことになります。村のリーダーの人たちにも葛藤があったはず。失敗したら全員死ぬかもしれないので。

武藤先生
地主恵亮さん

そう考えると縄文時代はいい時代とも言えますね。

そうですね!

武藤先生
地主恵亮さん

縄文時代にも住んでみたかったな…。先生、今日はありがとうございました!

ライオン商品を机に並べながらほほえむ地主さん

現代の方が楽ではあるけどね!

現代が楽ではあるね!

お話を聞いてみて、やはり現代とは大きく異なることがわかった。灰が偉大なことも。洗濯に使え、食器洗いにも使える。実は料理にも使っていて、栃の実のアク抜きなどに使っている。鹿児島の郷土料理に「あくまき」というのもあるけれど、灰が使われている。とにかく灰は便利アイテムなのだ。

ただ現代にはアクロンスマートケアがあり、服の生地を傷めずに洗えるし、リードの便利アイテムもある。半日もかけずともあっという間に料理が完成するのだ。

私は掃除が得意ではないので、竪穴式住居に住んでみたいと思った。掃除をしなくてもいいなんて最高だ。縄文時代と現代、どっちの生活がいいのかと言われると悩む。でも、料理や洗濯という点だけを見れば現代の方が楽だ。何より、塩味以外が食べられるわけだから。と言いつつ、焼き鳥とか毎回「塩」を頼むタイプなので、私は縄文時代の生活も楽しめるかもしれない。

編集:ノオト イラスト:地主恵亮

・当記事に掲載の情報は、執筆者の個人的見解で、すべてがライオン株式会社の見解を示すものではありません。

この記事を書いた人

地主恵亮

地主恵亮

1985年福岡生まれ。基本的には運だけで生きているが取材日はだいたい雨になる。著書に「妄想彼女」(鉄人社)、「ひとりぼっちを全力で楽しむ」(すばる舎)がある。

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