「ショートコート」の上手なお洗濯方法
春先や秋口に活躍する「ショートコート」は、綿やポリエステル混紡などの素材で、家庭でお洗濯できるものもあります。洗濯表示を確認し、適切な洗剤を選んで、やさしく洗い、形を整えて干すのがコツ。素材に合わせた温度設定で、アイロンがけもＯＫです。水洗いすると汚れがキレイに落ちて、気持ちがいいですよ。
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「ショートコート」が家庭でお洗濯できることをご存じですか？綿やポリエステル混紡などの素材なら、家庭で洗えるものもあります。今回は、型くずれを防ぎながらコートをキレイに洗う方法をご紹介します。
洗う前の「準備」
次の手順で、お洗濯前の「準備」をしましょう。
1. 絵表示の確認
洗う前に必ず取り扱い絵表示を見て、家庭で洗えるかどうかを確認しましょう。
「洗濯機マーク」もしくは「手洗いマーク」の場合は、家庭で洗えます。
「水洗い不可」と「ドライマーク」が併記してある場合は、家庭では洗えません。クリーニング店へ依頼しましょう。
要注意！
衣類についているタグや、取り扱い絵表示の裏などに記された注意書きも確認しておきましょう。
2. 適切な洗剤を選ぶ
取り扱い絵表示だけでなく、その裏の注意書きも確認して、適切な洗剤を選びます。
大切な衣類を洗う場合は、「中性」の表示がなくても、色あせや型くずれを防ぐおしゃれ着用洗剤（アクロン）がおすすめです。
3. 前処理をする
エリや袖口、ポケット口などの汚れやすい部分には、「エリ・袖用の部分洗い剤」か「おしゃれ着用洗剤」の原液をつけておきます。汗や食べ物のシミがある場合は、「液体酸素系漂白剤」か「シミ用の部分洗い剤」をつけます。
目立つ汚れがある場合は前処理をする
汚れをもんだり強くこすったりすると布を傷めるので、キャップや洗濯ブラシの背などでたたいて落としましょう。
目立つ汚れは洗剤をつけ、洗濯ブラシの背などでたたく
4. 洗濯ネットに入れる
型くずれを防ぐため、洗濯ネットに入れます。洗濯ネットは大きめのものを用意します。あらかじめボタンやファスナーを閉じて、汚れている部分が外側にくるように、横2つまたは3つ折りにして入れます。ベルトがついている場合は、取り外してから一緒にネットに入れてください。また、ベルトに金具があるタイプは布地などを傷めることがあるので、ベルトだけ手洗いしましょう。
汚れている部分が外側になるようにたたんで入れる
要注意！
濃い色の衣類は、色落ちや色移りの心配があるので、単独で洗いしましょう。
「洗う」時の手順
次に「洗う」時の手順について解説します。
1. やさしく洗う
表示に従い、やさしく洗います。
「洗濯機弱水流マーク」の場合は、手洗いコースか、ドライコースで洗う
「手洗いマーク」の場合は、手でやさしく「押し洗い」する。洗濯機を使用する場合は、手洗いコースか、ドライコースで洗う
2. 柔軟仕上げをする
柔軟剤は、衣類をやわらかくするほか、静電気防止効果もあるので、裾や裏地のまとわりつきがなくなります。洗濯じわを減らしたり、香りが長続きして汗のニオイや食べ物のニオイが付くのをおさえたりする効果のある柔軟剤もあります。目的に応じて使い分けましょう。
「干す」時の手順
次に「干す」時の手順について解説します。
1.干す前にしわを伸ばし形を整える
洗濯じわを防ぐため、脱水後はすぐに取り出します。両手ではさんで、手のひらで軽くたたくか、両肩を持って軽く振りさばき、しわを伸ばして形を整えます。
両手ではさんで軽くたたく
両肩を持って振りさばく
2. ハンガーにかけて日陰に干す
ショートコートの肩幅に合った、厚みのあるハンガーにかけて、日陰に干します。細いハンガーを使う場合は、タオルを巻きつけて厚みを持たせましょう。エリは立てずに着用時と同様の形状にして干します。
細いハンガーを使う場合は、タオルを巻いてハンガーに厚みをつける
＜「ピッピ・テク」で縫い目を整える＞
エリや切りかえ部分などの縮んだ縫い目は、指先でピッピと引っ張って伸ばしましょう。よりキレイに仕上がります。
縫い目に沿って指先で軽く伸ばす
＜もっとしっかり形を整えたい場合＞
1. 身頃
ビニール袋を膨らませ、口をゴムなどで閉じてつくる「お助けビニール袋」を身ごろの内側に入れて、立体的な形にしましょう。
身頃の中に「お助けビニール袋」を入れて、立体的な形にして干す
2. 袖
長袖の袖口には、タオルを1枚ずつクルクル巻いた「お助けタオル」を入れて重みをつければ、袖をピンと仕上げることができます。
袖口に、「お助けタオル」を入れておもりにする
「アイロンがけ」の方法
温度設定したら、ポイントをおさえて、各部分の「アイロンがけ」をしましょう。
＜適切な温度と方法を確認＞
取り扱い絵表示を確認し、素材に合わせて温度を設定してかけましょう。綿は霧吹きで水分を与えてからアイロンがけをすると、しわが伸びやすくなります。ポリエステルやポリウレタン混紡の場合は、低い方の温度に合わせます。
＜適切な手順でかける＞
順番どおりに「アイロンがけ」することで、キレイに仕上げることができます。
1. 裏から縫い目に沿ってかける
最初に裏から縫い目に沿ってかけ、次に、身ごろ全体にかけます。
2. あて布をしてかける
身ごろでしわが気になる部分とエリにあて布をして、表からアイロンをかけます。
3. 縫い目は表から
裏地がついているものは、縫い目は表からかけます。
4. 肩をアイロンがけ
肩は脚つきアイロン台の角を利用するか、バスタオルの「馬」（バスタオルを丸めたもの）を中に詰めてかけると、仕上がりがキレイになります。バスタオルの馬は袖のアイロンがけにも使えます。
アイロン台の角を使ってアイロンがけする
バスタオルを詰めてアイロンがけする
アイロンがけの「注意点」
以下に、アイロンがけの「注意点」をご紹介します。
1. 濃色の綿やウールの場合はあて布をする
濃色の綿やウールの場合は、テカリを防ぐために必ずあて布をし、軽くおさえるようにしてかけましょう。
2. 前身ごろやエリは強く押し付けない
前身ごろやエリには、ポケットや芯地がついているため、布が重なっている部分があります。ここにアイロンを強くおしつけると、テカリが出てしまうので気を付けましょう。
3. 布や縫い目を軽く引っ張りながらかける
一方の手で布や縫い目を軽く引っ張りながらかけると、しわが伸びやすくなります。
「収納・保管」の方法
「収納・保管」の際は、以下の点に注意しましょう。できれば吊るして収納したいものですが、型くずれやしわを少なくするように工夫することで、たたんで収納もできます。
＜ハンガーにかけて収納＞
洋服ダンスなどに吊るして収納します。長期保管の場合はしっかり洗濯し、十分乾燥させたあとに収納します。
要注意！
保管中にクリーニングのビニール袋をかけておくのは、カビの原因になるので禁物。汚れよけのために、通気性の良い布地をかけましょう。
＜やむを得ずたたむ場合＞
型くずれやしわを少なくするように工夫してたたみましょう。手順は以下の通りです。
折り目を少なくしてたたむのがコツ
1. ショートコートを平らにする
ボタンを外して前身頃を重ね、ショートコートを平らにします。
2. エリを立てる
エリを立て、後ろの飛び出した部分は前身頃側に倒します。
3. 袖を自然に下に垂らす
袖を自然に下に垂らし、しわの寄り方が少ない位置に置きます。
4. 箱などに保管
身頃を横2つ折りまたは3つ折りにし、箱などに保管します。
「お洗濯しない時」のお手入れ法
「お洗濯をしない時」は、洋服ブラシでブラッシングしてホコリを払います。そのあと、「しわとり消臭スプレー」でニオイとしわをとってリフレッシュさせましょう。しわとり消臭スプレーをしっとりする程度にスプレーしたら、しわの部分を縦・横・斜めに軽く引っ張りながらしわを伸ばし、乾燥後に収納することで、ニオイもしわもとれて気持ち良く着用できます。
この記事を作成・監修した
マイスター
お洗濯マイスター
大貫 和泉
おおぬき いずみ
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。
母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。
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