100回以上洗濯を繰り返して検証!ライオン研究員に聞く「NANOX one」開発秘話
洗濯をすればするほど、洋服が色あせてしまう...。そんな悩みに寄り添う新しい洗濯洗剤「NANOX one」。パワフルな洗浄力なのに色あせしにくいので、衣類を捨てずに長く着られるからサステナブルなアクションにつながります。でも、そもそも洗浄力と色あせ抑制力は、どうして両立できているのでしょう。不思議に思ったイラストレーターの原あいみさんがライオンの研究所に突撃取材しました。
洗濯にそれぞれ悩みを抱える我が家
今回お話を伺ったのは…
NANOX one 開発担当研究員 森田さん
パワフルなのに色あせしにくい理由の1つは「洗浄成分の最適な配合」!
本日はよろしくお願いします!
NANOX oneの開発を担当している森田です。なんでも聞いてくださいね。
ありがとうございます!それでは一番不思議だったことから質問させてください…!
はい!どのようなことでしょう?
実は我が家…娘も夫も私も、それぞれ洗濯の悩みを抱えていまして…。特に服の色あせが常々気になっているんです。NANOX oneは「高い洗浄力」と「色あせ抑制」を両立した洗剤と聞きました。洗浄する力が強いと、おのずと色も落ちやすくなるのでは…?と思ってしまうのですが、両立できたのはなぜなのでしょうか?
かなり簡単に説明すると、様々な洗浄成分の相性を何度も検証して、最適な配合を導き出したからです。技術的にかなりむずかしい挑戦で、幾度もトライ&エラーを繰り返しました!
それは詳しく聞かねば…!
まずは、洗浄力について説明しますね。洗浄力を高めるには、洗剤の主成分である「界面活性剤」と「酵素」を最適な比率で最大限の効果が出るよう入れる必要があります。その上で全国津々浦々、様々な気候などの条件のもとでも同じように使える「安定性」も重要になってきます。
安定性!日本は北から南、気候もいろいろですしね。
はい!そのため、様々な気候や季節、湿度、日当たり、保管状況であっても安定した品質で使い続けられるよう実験を重ねています。
すごい…!ところで「界面活性剤」や「酵素」という成分は、具体的にはどんな働きをするのでしょうか?
どちらも汚れを落とすために働いてくれます。「界面活性剤」は、皮脂や油を水と混ざりやすくし、汚れを落とすための主成分。「酵素」は「界面活性剤」だけでは落としにくい繊維にがっちりこびりついた汚れを分解して、落としやすくしてくれる成分です。
イメージとしては、こびりついたような汚れを「酵素」がチョキチョキと切り離してくれて、それを「界面活性剤」が運んで取り除いてくれる…という感じです。
おおー!連携力がすごい!
「界面活性剤」にも「酵素」にも複数の種類があって、得意な汚れの性質や効果を発揮しやすい温度などがそれぞれ異なります。
ほおお…!千差万別なんですね。
はい!ただ、落とすのが得意な汚れが被ってしまったりすると、お互いのパワーを十分に発揮できなくなる可能性があるので、成分同士の相性もかなり大切です。その上で、洗浄力に特化するのであれば、「界面活性剤」も「酵素」も、できるだけたくさん入れるのがいいんです。ただ、入れ過ぎてしまうと、特に高濃度タイプの液体洗剤では、洗剤が固まってしまったり、配合成分が析出※したりするのであまりたくさん入れられなくて…。どこまで配合が可能なのか、見極めがむずかしいんです。
※結晶や固体状成分が分離して出てくること
高い洗浄力を実現させるだけでも、すでに気が遠くなる感じですね…。
NANOX one「モデル試験布による洗浄力×色あせの両立実験」
色あせのメカニズムに注目!原因を突き止めた執念の観察力
高い洗浄力については理解できました。次は、色あせ抑制のメカニズムを教えてもらえますか?
色あせには様々な原因があって、まずは「染料のヌケ」と「水道に含まれる塩素による色素分解」の2つ。ただ、近年の衣類は染めの技術が非常に高いものも多くて、かなり色が抜けにくくなっているようです。また、水道水の塩素も昔に比べると量が減っているので、それほど強い影響はないと考えられているんです。
じゃあ、そもそも色あせにくくなってきているんですね。
そうなんです。…なのですが、それでもやっぱり100回位洗濯した衣類と新品を並べて見ると、何かが違うんですよ。「繊維」として近づいて見比べると色に大差はないように見えるのですが、少し離れて「服」として見比べると、どう見ても白っちゃけて見える…つまり色あせて白っぽく見えるんです。
ええっ!見比べるために100回も洗濯を…!?
はい!もう、とにかく毎日じっくり繊維を見比べていました。ほかにも何か原因があるんじゃないかって。
肉眼で、ですか?
はい!まずは、じぃ〜〜っと肉眼で確かめてから、顕微鏡を使って繊維の奥の奥まで確認してみました。すると、繊維の一本一本を作っているさらに細い繊維が摩耗して、ちょうどヘアスタイルを整える時に気になるアホ毛のようなものがピッピッって出ているのが見つかったんです。
もはや執念ともいえる探究心!素晴らしい…!
ありがとうございます(笑)。専門的にはこれを「フィブリル化」といいます。これのせいで、表面の光の反射のしかたが変わり、見え方が変わっていたんです。私たちは、色あせの原因の1つはこの現象にあると考えました。
フィブリル化の原因は「洗濯時に生じる摩擦」です。洗浄力を高めるために「界面活性剤」と「酵素」を配合していても、汚れを落とすにはやはりある程度の揉み洗いやたたき洗いといった、洗濯機の「機械力」が不可欠なんですね。そこで、衣類の繊維を保護してゴシゴシの摩耗から守ってくれる「特殊ポリマー」を見つけて配合しました。
お、新たな登場人物が!ですが「界面活性剤」と「酵素」の配合バランスにすでに苦慮されていたので、さらに新しい要素を足すのはけっこう大変だったのでは…?
はい、おっしゃるとおりです(笑)。来る日も来る日も実験室で、洗濯に洗濯を重ねて、検証し続けました。
検証実験をしていた頃は、洗濯機に呼ばれては洗濯物を干して、また次の実験用の洗濯物を入れての繰り返しでした。デスクで仕事をしていても、すぐに洗濯機が「ピーピーピー!」って鳴るんです(笑)。
なんとぉ…。在宅ワーク中に頻繁にちょっかい出してくる我が子のことを思い出してしまいました(笑)洗濯以外の仕事が全然進まなそうです…!
でも、結果が出た時はうれしかったです。私たちが目をつけたところはやっぱり間違っていなかったって!
素晴らしい!
ちなみにNANOX oneに配合されている「特殊ポリマー」は、「繊維を保護する」だけでなく「汚れの再付着を防ぐ」機能もあります。
再付着?一度取れた汚れが、もう一度ついてしまうということ…?
はい。洗濯中の衣類から出た汚れは、水の中にいるんですよね。だから、洗濯中の水って実は汚くて。その汚れが、また衣類にくっついてしまうことがあるんです。
え〜!洗濯した意味がない…(涙)
そうなんです! NANOX oneに配合している「特殊ポリマー」は、洗濯のすすぎまでの間、一度落ちた汚れを布につきにくくして、再付着の防止もしてくれているんです。
「特殊ポリマー」、なんていい子!
様々な効果のある「特殊ポリマー」のおかげで、カラフルな色の服や黒い服は、白っちゃけて見えないし、白い服は白いまま。そんな洗剤が実現できました。
NANOX one「衣類の黒ずみ抑制実験」
「な〜んか臭うタオル」を使った大実験でたどり着いた「消臭力」
「消臭力」の秘密についても教えてください!
まずは、ニオイの主な原因となる洗濯物に残った皮脂をしっかりと洗浄することがとても重要です。さらに糖分が入った汚れなどが残っていると、ニオイのもとになる細菌がそれをバクバク食べて増殖してしまうので、菌が繁殖しないように「抗菌剤」もしっかり配合しています。
パワフルな洗浄力が消臭力とも直結しているんですね!
はい!その上でどうしても残ってしまうニオイに関しては、「香り」でマスキングするという方法もとっています。
香りで打ち消す…という感じですね。それは、どうやって検証を進めたんですか?
それはですね…。まず、研究員がそれぞれ家から「な〜んか臭うタオル」を持ち合うんです。
えぇっ!自宅から持ってくるんですか!?意図的に臭いタオルを作って実験するんじゃないんだ!
はい、実際の生活のなかで染みついたニオイで検証することが大事なんです。その中でもしっかりと臭うレベルのほうが、香りとの相性も検証しやすいので、そういうタオルを持ってくると褒められます(笑)。
うれしいような、悲しいようなっ。うちにもありますよ、確実に。
な〜んか臭うタオルたちを洗濯して、香りとの相性を確認していきました。香りの種類によっては、染みついたニオイと相まって、より不快な悪臭へと変化することもあるので、いい香りならなんでもいいってわけではないんです。
あぁ、なんかわかる気がします。
ニオイをずっと嗅ぎ続けていると、だんだん鼻の穴にニオイが染みついてきて、取れなくなったらどうしよう…と不安になることもありました(笑)。
ひえ〜〜!ライオンの研究員さんがタオルのニオイをかぎ続ける仕事をしていたなんてっ…!過酷!ちなみに柔軟剤を使う家庭も多いと思うのですが、そちらとのマッチングはどのように…?
はい、もちろん考えています。柔軟剤を使った場合でも、その香りを引き立てつつ、どうしても残ってしまう臭いニオイを消す香りに作り上げました。洗濯のたび、香りを嗅ぐたびに気分がアガるような製品になっていると思います。
なるほど、私たち生活者のためにそんなところまで考えてくれているのですね。もしかして、NANOX oneが とってもクリアでキレイな色なのも…?
はい!キャップで洗剤を量り取る時に、少しでも「ああ、キレイ♪」と思っていただけたらと考えて、こだわった部分でして…!
おお〜!詳しく聞かせてください!
宝石のように美しい、クリアでカラフルな色の秘密は?
洗濯は、ヘアケアやスキンケアなどと違ってワクワクしながら使う…人はそう多くはないと思うんです。洗っても洗っても毎日出てくる洗濯物。憂うつな気持ちでやっている方も少なくないかな、と。
まあ、そうですね。正直ワクワクはしてないです。
だからこそ、ほんの少しでもいいので、ボトルを持った時、入れる時、一瞬でも気分を上げていただけたらという思いで、見た目の透明感や美しさにこだわりました。
まさか、そんな意図で作られた色だったとは!
見た目にこだわったのには、もう1つ理由があります。私たち開発者としては、これまでにない洗剤を生み出せたという自負があっても、まずは生活者の方に店頭で「お?」っと思っていただけないと、手に取っていただくことも叶いません。なので、この商品はデザインチームともタッグを組んで、見た目の新しさも重視しながら開発しました。
確かに見た目、大事ですよね。ちなみに、様々な成分を配合しながら、こんなにクリアな色に仕上げるのはむずかしいのでは?と思ったんですけども…
はい、かなりむずかしいことでした。私たちが求めている機能を持った組成で、かつデザインチームが求める美しさや新しさも実現させる必要があったので、ここでも実験を繰り返しています。
どんなふうに、色を作っていったのでしょうか?
まずは、十分な洗浄機能を備えた状態で、どんな色をつけることが可能か様々な検討を行いました。その上で、検証は実験室内だけではなく、製品の製造から配送、店頭、お客様の手に届いた後などあらゆる状況を考慮して、実際の環境においても検証を行う必要があると考えました。
例えば、どんな気候条件でも変わりなく使えることを実証するために、色つきの洗剤を屋外に大量に並べるなど様々な条件に置いてチェックしましたね。日差しが強い日でも雨でも雪でも、毎日外へ行って色を確認するんです。
うわぁ、そんなことまでやるんですか…!でも、それってつまり、実際の状況でも研究員さんたちの目でしっかり確認してくれているということですね。それを聞くと、ますます愛おしく宝石のように輝いて見えてきます。でも、正直、開発チームからしたら「もういいじゃん見え方なんて!不透明なボトルにしちゃえばいいじゃん!」ってさじを投げたくなりそうですが…
そうですね。実は私は中身の開発と容器の外観、両方に関わっていたので、せっかく画期的な洗浄成分を見つけても、保存の状態で色が変わるなどの見た目に問題があって使えない時には葛藤を感じました。
正直にいうと、デザイン部門の皆さんに「不透明ボトルに変えてもらえないか」と相談したこともあったんです。でも話し合いを重ねて、見た目も妥協しないという結論になりました。
すごい。議論を重ねたからこそ、みんなで同じゴールに向かえたんですね。
はい!ちょっとでも皆さんに気分をアゲていただけるよう、毎日のお洗濯時間を少しでも楽しく過ごしてほしいという想いで突き進みました。
私、以前はデザイン会社に勤めていたので、パッケージデザインの仕事もしたことありますが、中身と容器の外観とを一緒に作っていくなんて、聞いたことないです。
私たちも今までは分業体制でしたが、このNANOX oneはみんなで共有しながら作り上げています。おかげでチームの結束力もぐんと高まりました。
衣類のロングライフ化、頑張らないサステナブル!
NANOX oneが提唱している『衣類のロングライフ化』についてもぜひ詳しくお伺いしたいです。
お洋服が色あせてくると、どうしても古びた感じが出てきて「あまり着たくないなぁ」と感じてしまうことがありますが、色あせを抑制できれば、「まだ着たい」と思える状態を長くすることができます。ひたすら洗濯を繰り返していくと、「これはもうさすがに捨てちゃうね」という状態になることがありますが、この状態になるまでの期間を当社従来洗剤の約1.2倍に引き延ばせたという検証結果もあるんです。
わ、すごい!ちゃんと数字で出ているんですね。
はい。それに加えて従来商品と同様に「すすぎは1回で大丈夫!」としっかりと言えることも、サステナブルなアクションにつながる大きな特徴です。「すすぎ1回はやっぱり不安」というお客様もいらっしゃるのですが、泡切れがよく洗濯物に洗濯成分が残りにくいことなどを確認できているので、安心して使っていただけると思います。
実は私も、ちょっと不安…って思っていました。
すすぎを1回にすると、使用する水の量が減るだけでなく、洗濯も早く終わって電気の使用量も減らすことができます。衣類へのダメージも軽減できるので、いいことだらけなんですよ。
た、確かに…。すみません、今まであまり気にせず、洗濯機のモードそのままでやっていました。今日から1回を徹底しますっ!
「 “頑張って”環境にいいことをする」ではなく、「自分にとってうれしいことが、環境にもいいなんて、お得じゃない?」というように、NANOX oneで無理なく自然にサステナブルなアクションに取り組めるようにできたらと思っています。
3つのタイプ、選ぶポイントは?
いやぁ、もう早く使いたくてしかたがないです!「NANOX one」には3つのタイプがありますが、私はどれを買ったらいいんでしょうか?選ぶ時のポイントやおすすめってありますか?
まず、汚れをしっかり落としたい場合は、「スタンダード(オレンジ)」がいいと思います。一方でお洗濯の仕上がりにおいて、汚れより「ニオイ」が気になる場合は「ニオイ専用(パープル)」をおすすめします。ちなみにどちらも、洗浄、消臭、色あせ抑制すべての機能を備えてます!
パープル、気になりますね…!娘の一番好きな色もパープルなんです。やっぱり見た目って大事な要素だと思います。ちなみに「PRO(ブルー)」はどのような感じなのでしょう…?
「PRO(ブルー)」は、さらにガンコな汚れもニオイも落としたい、しかも衣類の色あせも気になるからワンランク上の洗濯をしたいという方におすすめしています。これはNANOXシリーズ史上もうこれまでにないくらい限界量の「機能成分」を入れていまして…。だから“史上最高峰※の洗浄・消臭力!”とうたっています。
※当社液体洗剤内
気になりますね…!複数の種類を使い分けるのも、ありなのでしょうか?
もちろんです!普段の洗濯には「スタンダード(オレンジ)」か「ニオイ専用(紫)」で、食べこぼしや黄ばみがひどい衣類には「PRO(ブルー)」を使うという方法はかなりおすすめですよ。ぜひ、試してみてくださいね!
信頼できる洗浄力+気持ちがアガるクリアな色♪さらに環境にも良いなんて…
・当記事に掲載の情報は、執筆者の個人的見解で、全てがライオン株式会社の見解を示すものではありません。
編集:ノオト
この記事を書いた人
原あいみ
難しいことをわかりやすく“マンガ”で伝えることが得意なイラストレーター。小学生の娘を持つワーママ。
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下記のコメントを削除します。
よろしいですか?
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