あなたのパートナーの血液型は?働き盛り要注意!専門医に『健康』を学ぶ
働き盛りの自分とパートナーの健康が気になっている、ライターの大西マリコ。30代を迎え、そろそろ生活習慣も整えなければ...と思っていたところ、血液型によってかかりやすい病気や疾患があるという書籍タイトルを発見!血液型による性格診断は聞いたことがあるけど、それって本当?血液専門医の久住英二先生に話を聞くと、血液型と疾患には相関関係があることがわかりました。
30代、働き盛りの健康状態が気になる……!
はじめまして。ライターの大西マリコです。
現在、パートナーと一緒に暮らしているのですが、二人ともフリーランスのため、からだに負担をかける働き方をしてしまうのが悩みです。忙しい時期はつい徹夜をしてしまうのですが、気付けば私たちも30代!なかなか疲れが取れなかったり、おいしいお肉を食べた翌日はなんだか胃腸が重かったり、からだの変化を感じつつあります。30代を過ぎると臓器の発育が終わり、日頃の栄養や休養、運動が不十分だと、早くも衰退が始まる…なんて衝撃的な情報を聞いたこともあって、なんとかしなきゃとは思っているのですが、具体的な生活改善はできていません。
そんなある日のこと、健康に関する知識を身につけようと電子書籍を広げてみると、『血液型でわかるかかりやすい病気と対策』というタイトルを発見!
一般的に、A型は几帳面、B型はマイペース、O型はおおらか、AB型は変わり者……みたいな性格にまつわる噂はよく聞きますが、まさか血液型が病気や疾患にも影響しているの!?
というわけで、血液専門医でナビタスクリニック院長・久住英二先生にお話を伺いました。
久住 英二(くすみ えいじ)
ナビタスクリニック院長。血液専門医、内科認定医。医療法人社団鉄医会 理事長。1999年新潟大学医学部医学科卒業。国家公務員共済組合虎の門病院にて内科研修の後、血液科を専攻し、成人の造血器悪性腫瘍に対する臍帯血移植の臨床研究に従事。専門は内科、血液腫瘍内科、旅行医。SNSなどで正しい医療情報を広く発信しており、優しい語り口と分かりやすい説明でメディアへの出演も多数。著書に『血液型でわかるかかりやすい病気と対策』(扶桑社)がある。
本当は30種類以上に分類できる血液型!
こんにちは。本日はよろしくお願いいたします!
こんにちは。こちらこそよろしくお願いしますね。
今日は血液型に関するお話を色々とお聞きしたいと思っているのですが、そもそも血液型っていつから4種類に分けられているんですか?
血液型は、1900年にオーストリアの科学者・ラントシュタイナーさんが世界で初めて「ABO式血液型」を発見したのが始まりです。彼が輸血の研究中、別々の人から採った赤血球と血清を混ぜたところ、赤血球が固まる組み合わせと固まらない組み合わせがあることに気付き、血液型に種類があることがわかりました。
人類の歴史は長いけど、現代のいわゆる「血液型」が見つかったのはたった120年前の話なんですね。
日本には、江戸時代に長崎県の出島を通じて入ってきて、西洋医学の発展とともに広まっていったといわれています。
では、血液型は何で決まるのでしょうか?
血液を採取して放置すると、「血清」と呼ばれる上澄みができて、この中にはタンパク質である「抗体」が存在しています。
ふむふむ。
抗体は、自分とは異なる物質である細菌やウイルスの「抗原」に結合して、外敵として排除する働きがあって、これを「抗原・抗体反応」と呼びます。
抗体と、…抗原?すごく重要そう!ということは、最初にお話しされていたラントシュタイナーさんの実験で他人の血清と混ぜて赤血球が固まったのも、「抗原・抗体反応」ですか?
その通り。彼の実験は赤血球の表面で起きた「抗原・抗体反応」の一種です。抗原には「A抗原」「B抗原」があり、同じく抗体にも「A抗体」「B抗体」があります。血液型は、自分がどの抗原を持っているか、または持っていないかで決まるんですよ。
なるほど!赤血球の抗原によって血液型は決まっていることはわかりました。ちなみに、血液型にまつわる性格論に根拠はあるのでしょうか?
はっきり言ってしまって申し訳ないのですが、根拠なんてないですね(笑)。
えぇー!なんとなくそうかなと思っていましたが、バッサリ言われてしまいました……。
あはは。実は、血液型って実は何十種類もあるんですよ。私たちがよく知っている4つの血液型は分類方法のひとつでしかなくて、それ以外にもRh式、Glob式(*)というように数えると30種類以上あります。
(*)赤血球血液型の分類は主にABO式、Rh式、Glob式、I式、MNSs式、Kell式、Duffy式、Kidd式、Lutheran式など9種類。この他の分類方法も合わせると、全部で30種類以上あります。
え!そうなんですか!
輸血をする際の指標のひとつとして4種類に分けているだけなので、人間の性格が4種類に分けられるというわけではないんですよね。
でも、几帳面な友人に「何型?」と聞いて「A型」と言われたら、「やっぱり〜!」なんて感じで、血液型と性格って関係があるな〜と思うことが多い気がするのですが。
それは「バーナム効果」といって、誰にでも当てはまる性格の特徴を自分にだけ当てはまるように感じる心理現象です。血液型と性格の関連性に医学的根拠はなく、A型であることを誇りに思ったり、A型な自分が好きな人がA型的といわれる性格に自ら寄せていっているのかもしれませんね。
そうだったんですね。血液型占い好きとしては少しさみしいですが、事実を受け止めます…。
そもそも血液型でこんなに盛り上がるのは日本人だけなんです。海外では国民の9割程度がA型かO型という国もあって、日本みたいに4種類まんべんなくいる国は珍しいです。それに、日本人みたいに国民のほとんどが血液型を知っているのも稀です。海外では輸血の時に調べるくらいで、普段から血液型を知っている人は少ないんですよ。
え〜自分の血液型を知らないなんてびっくり!日本人は血液型に対して興味関心が強いんですね。
血液型によって、かかりやすい病気や疾患があるって本当?
血液型と性格に関係はないということはわかりました。先生の書籍のタイトルにもなっていましたが、血液型によってかかりやすい病気や疾患があるというのが、ずばり事実ですか?
大前提として、病気というのは年齢や環境、生活習慣といったさまざまな因子の影響を受けるものなので、何型だから良い悪いというのは言い切れないんです。それを踏まえたうえでのお話になりますが、血液型も病気や疾患と相関しているというデータはあります。
わかりました。前提を踏まえたうえで、それぞれの血液型がかかりやすい病気について教えてください!
はい。それでは、各血液型がかかりやすいといわれている主な病気を挙げてみますね。
私はB型だから、がんや感染症にとくに気を付けます。あ!糖尿病もある!食事は不規則だし甘いものが好きだから注意しないと……。パートナーはA型だから、がんと生活習慣病かぁ。私より年下なのをいいことに、からだのことをあまり気にせず働いているから心配だなぁ。
あくまで参考程度にしてくださいね。血液型によって何の病気が多いか少ないかなんて、「ニコラス・ケイジと溺死の関係」を議論しているようなもので、「まぁ、そうかもね」くらい気楽に。茶飲み話として話題に困ったら使ってあげてください。
茶飲み話(笑)。それより先生、その「ニコラス・ケイジと溺死の関係」というのはどういうことですか?
相関関係と因果関係の違いって分かりますか?
……。
ピンときていないようなので、説明しますね。
ありがとうございます。
俳優のニコラス・ケイジっているじゃないですか。彼が映画に出ると溺れて死ぬ人が増えるという相関関係があるようなんですよ。ちょっと検索して調べてみてください。
本当だ(笑)。検索するとグラフが出てきますけど、同じような推移で増減してますね。
なぜ、この二つのグラフが同じような推移になるのかわかりますか?
えーと、ニコラス・ケイジのアクションに憧れてプールに飛び込んだ人が増えて、でもほとんどの人はニコラス・ケイジのようにトレーニングをしていないから溺れてしまった…。なんて、あまりにこじつけですよね…。たまたまなんじゃないでしょうか?
その通りです。この2つデータは、たまたま「相関関係」にあっただけで「因果関係」はありません。
ニコラス・ケイジより、トム・クルーズの方が影響しそうですよね。
そうですね(笑)。例えば、「酒を飲んだら酔った」これは因果関係です。一方で相関関係というのは、「酔っ払いがいた。その近くに酒の空き缶があった」と言っているようなもの。それによって酔ったということにはならないですよね。
「多分飲んだんじゃない?」みたいな話ですよね。
はい。血液型と病気のリスクも同様で●型だからこの病気や疾患になりやすいというのは、相関関係があるけれど、因果関係はないということです。
わかりやすい例えをありがとうございました(笑)。
病気になりにくいからだをつくる!今から心掛けたい生活習慣5ヶ条
どの血液型にも何らかのリスクはあるということですよね。だから何型が有利とか不利とかはないと!
はい、その通りです。仮にそうだとしても、血液型を変えることはできないので、何型であっても日頃から健康には気を付けていきたいですね。
先生、できるだけ長く健康でい続けるためにはどんなことに気を付けたら良いですか?
すべての病気を予防するうえで役立つ5ヶ条をお教えしましょう。それは、「タバコを吸わない、酒を飲み過ぎない、ストレスを溜めない、適度な運動をする、睡眠をしっかりとる」こと。これらは血管年齢の若さと免疫の働きを保つために大切な生活習慣です。
先生!私もパートナーもタバコ以外守れていませんし、これからも守れる気がしません!!二人ともストレスを食べたり飲んだりすることで解消するクセがありまして…、それなのに運動もほとんどしていないので20代の頃と比べて太ってしまいました…。
私も若い頃は日頃の疲れを酒でごまかしたりしていたので、とてもよくわかります(笑)。今は平気でも、男女ともに更年期を迎える50歳くらいあたりから20〜30代の頃の生活習慣が響いてくるんです。
50歳ですか、このペースで働いていたらあっという間にきそうです。
生活習慣病は一日にしてならず、です。若い時から健康的なライフスタイルを続けることが、長い期間にわたって仕事で活躍したり趣味を楽しんだりするうえで非常に大事です。人生を楽しむ上で後から効いてくるものなので、ぜひ意識してほしいです。
わかりました。できるところから意識してみたいと思います!
とはいえ、毎日清く正しい生活なんてできっこないので、1週間の中で帳尻を合わせたら良いと思いますよ。例えば食べ過ぎた日があったら、その後2日間は野菜をたくさん食べるようにするとか。
なるほど!それなら忙しい働き盛り世代の私たちでもできそうです。
夏休みの宿題と一緒ですよ。終わりになってから1か月分片付けるのは難しいけれど、絵日記とかも1週間分くらいだったらまとめて書けますよね。
頑張ります!本日はありがとうございました。
元気な未来のために!ゆる〜く「健康貯金」始めました!
取材の結果、血液型と病気についてはある程度の相関関係はあるみたいだけど、血液型によってかかりやすい病気や疾患があるとは言い切れないということがよくわかりました。パートナーにも注意すべき病気などの情報をシェアできたので、二人で健康について考える良いきっかけになったかも!「A型は、がんと生活習慣病に気を付けたほうがいいよ〜」と伝えると、私よりもさらに不規則な生活をしていえる彼は未来を案じて怯えていましたが、先生に教えていただいた「1週間帳尻合わせ」健康法の話を伝え、二人で意識していこうと話しました。
仕事に没頭して、ついからだのことは後回しにしがちな二人ですが、元気に働き続けられるのも健康あってこそ!そのことを忘れずに、未来の自分たちのために毎日少しずつ「健康貯金」していきたいと思います。
・当記事に掲載の情報は、執筆者の個人的見解で、ライオン株式会社の見解を示すものではありません。
イラスト:北川ともあき
編集:ノオト
この記事を書いた人
大西マリコ
ライター・占い師。ライターとして美容を始め、幅広いジャンルを取材執筆する一方、幼い頃から学び続けている西洋占星術を用いて占い師としても活動中。個人鑑定のほか、ライター業を活かし、美と天体を絡めたコンテンツ作成も得意。
HP http://mariko-onishi.com/
X(旧Twitter) https://twitter.com/chan_mariii
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