フライパンが長持ちする!種類別の洗い方・使い方・取り扱い方
フライパンは種類によって、使い方やお手入れの方法が違います。フライパンをよく熱してから使っていませんか。何も入れない状態で、うっすら煙が立つほど熱してよいのは「鉄製」のもの。「フッ素樹脂加工」の場合は、空焚き・強火はNG。洗い方も全く異なります。どちらも間違えると寿命を縮めるので、ここでチェック!
フライパンは種類によって、使い方や洗い方が全く違う!
毎日の食事作りに欠かせない「フライパン」。焼いたり、炒めたり、ゆでたりとオールマイティーの調理道具で、まさに主婦の右腕といえる存在です。
ひとくちに「フライパン」といっても、素材や表面加工によって、得意な料理はもちろん、使い方やお手入れの方法まで、取り扱い方が大きく違うのです。
例えば、フッ素樹脂加工のフライパンは空焚き・強火の調理は厳禁ですが、鉄製のフライパンは十分に熱してから材料を入れるのが焦げつかせないコツなど、使い方はまるで正反対!
今回は、鉄製とフッ素樹脂加工のフライパンを中心に、それぞれの特徴や使い方、長持ちさせるコツなどを紹介します。
特徴や取り扱い方を知りたいフライパンをクリック!
◇鉄製フライパン、スキレット
◇フッ素樹脂加工のフライパン
◇ステンレス製のフライパン
◇セラミックコートのフライパン
鉄製フライパン、スキレットは頑丈で強火調理が得意!
料理のプロや料理好きの方にファンが多いのが、鉄製フライパン。料理の時やお手入れに、ちょっとしたコツが必要ですが、耐久性は抜群!使うほどに味が出て、道具を育てる楽しみも味わえます。
また、「スキレット」も鉄製フライパンの仲間。もともとはキャンプ用でしたが、そのままテーブルに出せばカフェ風に、見た目のかわいらしさがインスタ映えするので大人気です。
鉄製フライパンのメリット
・頑丈で長持ち
・高温に強い
・保温性や蓄熱性に優れている
・さびても再生できる
・強火で一気に仕上げるチャーハンなどの中華料理や、ステーキなど焼き目をつけたい調理が得意
鉄製フライパンのデメリット
・さびやすい
・調理の仕方によっては、食材が焦げつきやすい
・手間のかかるお手入れが必須
鉄製のフライパンはとても丈夫。けれど、素材(鉄)がむき出しなので、調理後に洗ってふくだけではすぐにさびてしまうことも。きちんとお手入れをすれば一生ものとして使えるようです。
鉄製フライパン、スキレットを長持ちさせる4つのコツ
「鉄のフライパンはお手入れが大変そう」と心配な方も、ご安心を!「表面に油をなじませる」ことが最も大切なこと。コツをつかめば、誰でも上手に使いこなせます。
鉄製フライパンを使う際のポイント
(1)購入したら、まず「油慣らし」をする
購入して、そのまますぐに調理するのはNG。使い始める前に、フライパン表面に油の被膜を作る「油慣らし」をしましょう。
<油慣らしの方法>
1.フライパンを強火にかけ、空焚きをして、鉄の表面全体が青っぽくなるまで熱する。
2.調理油大さじ2~3を入れ、野菜くずなどを軽く炒め、火を止める。
3.フライパンが冷めたら野菜くずを捨て、やわらかいスポンジかたわしを使って、水またはぬるま湯だけで洗う。
4.空焚きをして水気をとばし、フライパンの内側全体に薄く調理油を敷く。
(2)調理するときは、十分に熱してから材料を入れる
フライパンを中~強火にかけたら、うっすらと煙が立つまでしっかり熱します。その後、調理油を入れて表面全体になじませてから、食材を入れます。こうすることで、材料がくっつきにくくなります。
(3)洗剤を使わず、お湯か水で洗う
鉄製のフライパンを洗う時に、食器用洗剤を使用するのは厳禁!フライパン表面の油の被膜が洗い流されてしまい、焦げつきやすくなったりさびやすくなったりします。調理後まだ熱いうちに、たわしやスポンジを使って、水だけで汚れをさっと洗い流しましょう。フライパンが冷めてしまった時は、40~50℃の湯で洗うと油汚れも落ちます。
(4)洗った後は空焚きをし、調理油をなじませる
水分が残っていると、鉄製のフライパンはさびやすくなります。洗った後は空焚きをして水気をしっかりとばし、薄く調理油をなじませておきましょう。
焦げつかない!お手入れもラク!フッ素樹脂加工のフライパン
フッ素樹脂加工により表面が非常になめらかになり、かつ一番外側にあるフッ素が他のものとむすびつきにくい性質を持っているため、材料がこびりつかず、使い勝手は抜群!
よく目にする「テフロン加工」は登録商標であり、フッ素樹脂加工のひとつ。また、「ダイヤモンドコート」や「マーブルコート」といったものも、表面を硬化した特殊なフッ素樹脂加工です。
フッ素樹脂加工したフライパンの素材は、アルミニウム製のものが多いですが、ステンレス製のものもあります。
フッ素樹脂加工のフライパンのメリット
・材料がこびりつきにくく、調理がラク
・水や油をはじきやすい
・熱伝導性がよいので、火加減のコントロールがしやすい
・汚れが落ちやすく、お手入れが簡単
・金属の表面を加工しているので、さびない
・焦げつきやすい食材や少ない油での調理が得意(例えば薄焼き卵など)
フッ素樹脂加工のフライパンのデメリット
・高温、強火での調理には不向き
・金属のヘラなどかたい物を使うと表面に傷がつきやすい
・表面加工は、長期間の使用によりはがれることがあり、寿命がある
フッ素樹脂加工のフライパンはデリケート。少しでも長持ちさせるため、取り扱い方に注意しましょう。
フッ素樹脂加工のフライパンを長持ちさせる5つのコツ
最も大切なことは、「表面加工をはがさない使い方」です。
フッ素樹脂加工フライパンを使う際のポイント
(1)空焚きは厳禁!調理は中火~弱火が◎
フッ素樹脂加工の耐熱温度は、約250~270℃で、それ以上になると一気に劣化しはじめると言われています。
コンロに火をつけて1分程度で高温になるので、空焚きは絶対にしないようにしましょう。また、強火の調理もフッ素樹脂加工の寿命を縮めます。より長く使うためには、中火以下の調理を心がけましょう。
(2) 金属のヘラなどは使わない
かたい金属性の調理道具を使うと、表面に傷がつきやすく、そこから加工がはがれたり傷んだりする原因になります。木製やシリコン製などやわらかい素材の調理道具を使いましょう。
(3)洗う時は、食器用洗剤を使って手早くやさしく洗う
汚れが冷えて固まる前に汚れをふき取り、汚れの量を減らしておくと、洗剤も力も最小限でサッと洗うことができます。
やわらかいスポンジに食器用洗剤をつけ、やさしく洗います。焦げ汚れを落とすような研磨剤の練りこんであるスポンジのかたい面や金属たわしを使わないこと。
(4) 使用直後の熱いうちに、水をかけない
熱いうちに洗いたいからと、鉄のフライパンと同じように、アツアツの状態にジューッ!と水をかけたりしていませんか?実はこれ、NG行動。急激な温度変化による膨張・収縮で、フッ素樹脂加工がはがれやすくなってしまいます。
調理後に急いで洗いたいときは、やけどしないように気をつけながら、お湯を使って洗いましょう。
(5) 付いた汚れを放置しない。食材を入れっぱなしにしない。
フッ素樹脂加工には表面に小さな穴があるので、長時間食材を入れっぱなしにするとその穴に水分や食材のカスなどが入り込み、はがれやすくなってしまいます。フライパンメーカーの注意書きにもあるように、丸1日食材を入れっぱなしにするような保存はできませんので、できるだけ早く別の容器に移しましょう。
ステンレス製のフライパンは保温性、蓄熱性がピカイチ!
見た目がおしゃれで、料理にこだわる人にも好評のステンレス製フライパン。
ステンレスなのでさびづらく、耐久性があるのがメリットです。また、熱伝導性が低いので、フライパンが熱くなるまで時間はかかりますが、冷めにくく保温性や蓄熱性はピカイチです。煮物などに向いています。
一方、デメリットは、鉄製フライパンと同様に素材がむき出しのため、材料がこびりつきやすい点です。また、重いので動かしながらの調理はむずかしいでしょう。
こびりつかないように使うには、「調理前にしっかりと加熱してから油を入れる」、また「油が適温(180℃くらい)になってから食材を入れる」ことがポイントです。洗う時は、食器用洗剤を使ってスポンジで傷をつけないように洗います。金属たわしや研磨剤入りのスポンジのかたい面を使ってしまうと、表面に傷が付き、光沢が失われるだけでなく、こびりつきやすくなってしまうので、気をつけましょう。
洗ったあとは、よく水をふき取り、乾かしてからしまいます。「もらいさび」を受けないように、さびやすいものと接触しないように保管します。
白さが美しく、磨耗にも強いセラミックコートのフライパン
真っ白で見た目にもキレイな「セラミックフライパン」。表面がセラミックでコーティングされていて、本体はアルミニウム製のものが多いようです。
表面が非常にかたいので、摩耗に強く、金属製のヘラも使えるのが特徴です。
焦げつきを防ぐには、火をつける前に内側全体に薄く油をぬるのがポイント。
また、セラミックは高熱に強い素材ですが、急激な温度変化はコーティングの劣化を招きます。フッ素樹脂加工のフライパンと同様に、フライパンの温度が急激に上がる空焚きは避け、中火以下で調理しましょう。
使用後は、冷ましてから食器用洗剤とスポンジで洗います。
落としにくい汚れは、食器用洗剤とぬるま湯でつけおきしてから洗いましょう。表面はかたいのですが、加工を傷めるおそれがあるので、金属たわしや研磨剤入りのスポンジのかたい面は使用しないようにしましょう。
TEACH ME, MEISTER!
教えてマイスター!
脂汚れは、温かいうちの方が落としやすいのは、なぜ?
脂は、冷めると固まって厄介に
調理に使う植物性の油と違い、肉を焼いた時に出てくる脂は、冷めると白く固まり、ベタベタして洗いにくい汚れになりますよね。これは、固体から液体に変わる「融点(ゆうてん)」が関わっています。常温(20℃程度)では、菜種油などは液体であるのに、牛脂や豚脂は固体です。牛脂の融点が40~50℃、豚脂は28~48℃※なので、調理で加熱されると脂が肉から溶け出てきます。そして調理後に少し冷めた程度でも固まってしまいます。
ですから、温かく、吸い取りやすい液体のうちに、キッチンペーパーなどでふき取り、汚れの量を減らしておくだけで、洗うのがラクになります。
- ※引用文献「油脂化学入門 ―基礎から応用までー」
この記事を作成・監修した
マイスター
リビングケアマイスター
杉本 美穂
すぎもと みほ
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。
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