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方向音痴の女子が専門家に相談したら、家事や仕事の段取り力もアップした

方向音痴の女子が専門家に相談したら、家事や仕事の段取り力もアップした

初めての道はもちろん、行ったことのある場所でさえ迷子になってしまう方向音痴なライター・むらやまあき。認知心理学を専門とし、地図上に表示された目印の地点をたどりタイムを競うスポーツ『オリエンテーリング』の第一人者である村越真先生に方向音痴を克服する方法を聞くと、道歩きで重要な「ナヴィゲーション能力」は、仕事や家事にも応用できるという、うれしい発見がありました。

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こんにちは、ライターのむらやまあきです。

普段から方向音痴で、スマホのマップを使っても目的地や待ち合わせ場所にたどり着けないことがしばしば。遅刻しないか毎回ひやひやしていて、生活に支障をきたすレベルです。

地図アプリを使うライターむらやま

ずっと「自分は方向音痴だ」と諦めてきましたが、来たる季節はそう、心躍る春。お出かけの機会が増えるかもしれないし、もし改善方法があるなら今知っておきたい!(涙目)

そこで、空間認知・認知心理学を専門とし、地図上に表示された目印の地点をたどりタイムを競うスポーツ『オリエンテーリング』の第一人者である静岡大学の村越真先生に助けを求めました!

村越真先生

村越 真(むらこし しん)
1960年静岡生まれ。静岡大学教育学部・防災総合センター教授。専門分野は認知心理学。空間認知・ナヴィゲーション・リスク認知・安全教育を研究しているが、現在もオリエンテーリング等を実践しつつ、読図やリスクマネージメント・山岳遭難対策講習・講演などを通して研究成果を実践に還元している。主著書は『山のリスクと向き合うために』(東京新聞出版局)、『山岳ナヴィゲーション』(エイ出版社)など。

そもそも方向音痴ってどんな人?

ライターむらやまあき

先生、方向音痴な私を助けてください。よろしくお願いします。

なるほど(笑)。よろしくお願いします。

村越真先生
ライターむらやまあき

まずは、方向音痴の定義を教えていただけますか?

狭い意味では、「東西南北がわからない」ですが、日常的な意味では「目的地の方向がわからない」とか「情報があっても目的地にたどり着けない」というのが方向音痴だといえます。

村越真先生
ライターむらやまあき

西も東も、さっき使った最寄り駅の方向もさっぱりわかりません。

自覚があるんですね(笑)。とはいえ、僕ら現代人は狩猟採集生活をしているわけではないので、東西南北がわからなくても日常生活に支障はないですよね。本当に困るのは「目的地に行けない」「駅に戻れない」みたいなシーンです。

村越真先生
ライターむらやまあき

まさに私ですね。

だからもう少し広い意味でいうと「目的地に行ったものの、帰り道はほぼ間違える」人も方向音痴と呼べますね。

村越真先生
がっかりするライターむらやま

認定されてしまった…

さらに、方向音痴には2つのタイプがあります。ひとつは、東西南北や目的地の方角が把握できないタイプ。もうひとつは、ルート上の目印である建物などを覚えられないタイプです。

村越真先生
ライターむらやまあき

(これもどちらも当てはまるかもしれない…)

たとえば、目印が覚えられなくても、目的地の方角が把握できれば何となくたどり着けるもの。一方で、方角がわからなくても目印をちゃんと覚えていれば、記憶をたどってなんとか行けますよね。

村越真先生
ライターむらやまあき

なるほど、どちらもできないタイプはかなり重症ということに?

そうですね。どうしようもない(笑)。

村越真先生
ライターむらやまあき

私どうしようもないかもしれないのですが、方向音痴の人のクセみたいなものってあるんでしょうか?

むらやまさんは歩いている時に、地図以外にどんなものを見ていますか?

村越真先生
ライターむらやまあき

え〜なんだろう。気になった看板のデザインやイラストとか見ちゃうかもしれないです。

同じ看板を見るにしても、方向感覚がいい人は、デザインやイラストよりもそれがどの曲がり角にあったとか、道歩きのための手がかりとして注目する傾向がありますね。

村越真先生
看板に描かれたイラストに注目する人と、位置に注目する人(イラスト)

看板に描かれたイラストに注目する人と、位置に注目する人

ライターむらやまあき

着眼点が全然違うんだ。

でも、それもひとつの個性ですよね。方向感覚的には悪いかもしれないけれど、人と違う着眼点を持っているってことですから。

村越真先生
モニターの向こうからフォローしてくれる村越先生(写真)

時折フォローしてくださる優しい先生。ありがとうございます……

ライターむらやまあき

ちなみに先生は何を見ているんですか?

道の幅や方向の変化、あとはガソリンスタンドやコンビニなど目立つ建物もチェックしています。

村越真先生
ライターむらやまあき

先生の目線カメラが欲しいです(笑)。そうだ、「方向音痴は女性に多い」と聞きますが、根拠はあるのでしょうか?

心理学の研究で、方位や目的地の方向を把握する点では、男性よりも女性の方が苦手という結果が出ています。ただし方向音痴にも様々な側面がありますから、必ずしも男女差があるとはいえないですね。

村越真先生
ライターむらやまあき

では、よくいわれる遺伝もあまり関係ないのでしょうか?

遺伝や育ってきた環境など何かひとつが決定的に影響しているわけではないですが、経験による差は大きいと思います。

村越真先生
ライターむらやまあき

と、いいますと?

20世紀の前半から後半に向けて、男女の空間認知能力の差が小さくなってきたという研究結果がありますが、それは時代が変わるにつれて男女の役割や行動パターンに大きな差がなくなったことが影響しているんじゃないかな。

村越真先生
ライターむらやまあき

今の時代、女性だから外出を制限されるなんてこともないですもんね。時代の変化も関係しているんですね。おもしろい。ちなみに、スマホのマップに頼りっぱなしだと方向音痴が悪化することってあるんですか?

紙の地図が上手に使えなくなる、という研究はあります。ただ、使わない能力が衰えるのは当たり前なので、現代社会を考えると悪化とは言い切れません。僕はオリエンテーリングやアウトドアが好きなので、紙の地図をよく使いますよ。

村越真先生

方向音痴の人は、どうしたら道に迷いにくくなる?

ライターむらやまあき

性別も遺伝も関係なく、歩いている時の意識が重要なんですね。ということは、方向音痴は努力で改善できるということになりますか…?

できます。

村越真先生
ライターむらやまあき

よかった~!できるだけ簡単に実践できるアドバイスやコツをお聞きしたいです。

まずは「出発点と目的地の方向がどちらにあるか常に意識する」「目印になるランドマークを決める」「初めて通る道は時々後ろを振り返る」を意識してください。

村越真先生
ライターむらやまあき

ふむふむ。

あとは、「曲がり角で進行方向の変化を意識すること」。たとえば駅を出てまっすぐ歩いてくと、駅は後ろですよね。右に曲がると、駅はどっちですか?

村越真先生
考えるライターむらやま(写真)

授業で突然先生に当てられて焦る生徒

ライターむらやまあき

えっ、ちょっと待ってください。駅が後ろにある状態で右に曲がると、右?

そうです! 曲がるたびに意識すれば、駅から離れているのか、駅と平行に歩いているのか、駅と近づいているのかを意識できますよね。そうすると方向がわかると同時に、自分が動いている方向や目的地の場所をきちんと頭の中で位置づけやすくなるんですね。

村越真先生
曲がり角で進行方向を確認している女性(イラスト)

ライターむらやまあき

スマホばかり見ていると曲がり角を曲がることに意識がいかないから、一度迷うともう目的地にたどり着けないけれど、これはいいかも!

あとは、多少遠回りでも「角にちゃんと大きな目印があるなどわかりやすい道を行く」のもポイントです。

村越真先生
ライターむらやまあき

無理に近道を目指さない方がいいってことですね。

そうですね。その方が結果的に早く着くかもしれない。

村越真先生
ライターむらやまあき

まさに「急がば回れ」ですね。シンプルな道を選ぶように心掛けようと思います。

あとは、街の全体的な作りがどうなっているか、持っている知識を活用するという側面もあります。それができれば、目印や方向がわからなくても何とかなる可能性がある。「渋谷は谷だから、とにかく低い方に向かって下っていけば駅にたどり着けるよ」とかね。

村越真先生
ライターむらやまあき

それ、友人に言えたらめちゃくちゃかっこいいですね(笑)。

地形の知識を持っていると街歩き自体もより楽しくなりますよ。

村越真先生
ライターむらやまあき

知らない場所に行くのが楽しみになりました。ありがとうございます!

POINT

【方向音痴を克服するポイント】

・出発点と目的地の方向がどちらにあるか常に意識する
・目印になるランドマークを決める
・初めて通る道は時々後ろを振り返る
・曲がり角で進行方向の変化を意識する
・多少遠回りでも大きな目印があるなどわかりやすい道を行く

仕事や家事にも応用できる「ナヴィゲーション能力」とは?

ライターむらやまあき

少し脱線しちゃうかもしれないのですが、地図を見ても頭の中でうまく整理できないという点で、「方向音痴=段取りが重要な仕事や家事が苦手」みたいことはありえますか?

方向音痴だからといって、仕事や家事が上手くできないということではないです。とはいえ、もしかしたら、道歩きの「ナヴィゲーション能力」という考え方を応用すれば、仕事も家事も今よりスムーズになるかもしれませんね。

村越真先生
ライターむらやまあき

ひとまずよかった(笑)。そのナヴィゲーション能力って何ですか?

仕事と家事に苦戦する女性(イラスト)

「空間情報を処理する力」と「それを組み立てて目的地に向かうという目的を完遂する力」を合わせて、僕はナヴィゲーション能力と呼んでいます。

村越真先生
ライターむらやまあき

空間情報を処理する力は、さっき教えていただいたものですね。

そうです。道歩きは、それに加えて「必要情報を地図から読み取り、ルートを考える(Plan)」、「歩きながらルートを維持する(Do)」、「周囲をよく見て現在地を把握する(See)」の連続です。

村越真先生
ナビゲーション技術のサイクルを表した図

ナビゲーション技術のサイクル

ライターむらやまあき

ふむふむ。

大学受験を例にしましょう。有名大学に入りたいという目標があった場合、まずは、大学合格するための、勉強計画を立てる(Plan)。計画に沿って勉強する(Do)。模試で自分の得意・苦手科目を把握し、分析する(See)。その繰り返しですよね。

村越真先生
ライターむらやまあき

なるほど。わかりやすいです。

この「Plan Do See」は考え方だから、勉強の例のように道歩き以外の仕事や家事に応用できるんです。

村越真先生
ライターむらやまあき

具体的にどういうものがあげられますか?

家事だと、たとえば料理ですね。パスタをおいしく食べるという目標のために、麺が茹であがるタイミングとソースを作る時間を計算(Plan)し、調理(Do)しながら、完成するタイミングがぴったり合うようにソースの火加減を調節する(See)わけです。そういう複合的な段取りが必要な部分には生かせますよね。

村越真先生
ライターむらやまあき

たしかに!料理中ってけっこう頭使いますよね。

目標や目的に対して、自分ができること、できないことをきちんと理解したうえで計画を立てる「Plan」。実際に行動する「Do」。行動が効果的だったか振り返る「See」といったところでしょうか。仕事も家事も道歩きも、これができるかがすごく問われているような気がします。

村越真先生
ライターむらやまあき

たしかに、日常生活にも生かせることがたくさんありそうです。

道歩きも仕事も、時には寄り道するのも悪くない!

もちろん、最初から精密なPlanがある場合もあれば、ぼんやりしたPlanしかないけど、少し進んでみることで先の道が見えてくるという場合もあると思うんです。

村越真先生
ライターむらやまあき

後者の場合、Planを立てる時点で延々と頭を抱えていたら一歩も進めないですもんね。

そう。その時に大事なのが、起こりうるリスクは自分でコントロール可能かどうかという見極めなんです。

村越真先生
ライターむらやまあき

その見極め、難しそうですね…。

自分の心掛けと行動次第で制御できる危険ならば進む。そうじゃなければ、進まないということですね。

村越真先生
ライターむらやまあき

たとえば、仕事ですでに進んでいるプロジェクトで何かトラブルがあった時、「ここまでやったしなぁ」と思ってしまうのですが、そういう場面でも同じでしょうか?

そうですね。中止した時のメリットと、やり続けた時の最悪な状況を思い浮かべて、その状況が大したことがなければ進んでもいいと思います。

村越真先生
仕事や家事のアドバイスをする村越先生(写真)

道歩きだけでなく、仕事や家事のアドバイスも的確な村越先生

あとはね、時には寄り道も必要だと思うんです。道歩きにしても、仕事にしても。

村越真先生
ライターむらやまあき

先生も寄り道されることあるんですね!

寄り道ばっかりです(笑)。目的地からはそれる形になるけれど、途中の景色の中に偶然おもしろいものを見つけることだってありますよね。意図的に試すというのは大事なことだと思います。

村越真先生
ライターむらやまあき

うんうん、そうですよね。

仕事でも、とにかくいろんな方向から情報を集めて、結果使わなかったけれど、新しい価値観や考えを知ることができたりとか、その寄り道が意外と効率的になっていたりとかあるじゃないですか。あの寄り道には価値があったと後からわかる。結果論にすぎないんです。

村越真先生
ライターむらやまあき

なるほど!「寄り道はダメだ」と思いこまず、時間の許す限りいろんな方法を試すのがいいのかもしれないですね。

そうですね。寄り道の方法って、地図やマニュアルにあるわけじゃない。自分の頭で考えること、幅広い視野を持つことが大切です。方向音痴の話から、なんだか仕事論になっちゃいましたね(笑)。

村越真先生
ライターむらやまあき

とっても勉強になりました!仕事だけでなく、毎日の生活にも役立ちそうです。

道歩きはもちろんのこと、ぜひ日々の暮らしの中にもナヴィゲーションを取り入れてみてくださいね。

村越真先生
ライターむらやまあき

先生、今日はありがとうございました!

仕事も家事も「Plan Do See」で分解してみた

村越先生のお話を聞いて、希望の光が見えてきたのでさっそく実践!ライターの仕事である取材と執筆を「Plan Do See」に細分化してみました。

取材と執筆を「Plan Do See」に細分化したノート

一見当たり前のことだけど、細分化して書き出してみると整理ができますね。

計画を立てたとしても、自分ではコントロールできない変更など、思った通りにいかないこともある。その中で調整していく力が必要で、それは道歩きのナヴィゲーション能力に通ずるのだと実感することができました。

わたしはPlanに時間をかけすぎてしまう傾向にあるので、時には「ひとまず進んでみる」ことを意識しつつ、Seeの時間を設けて振り返りと改善を大切にやっていきたいなと思いました。これからは少し余裕を持って仕事が進められそうな気がするぞ!

ちなみに、つい溜めがちだった洗い物や部屋の掃除でも同じように細分化して、実行する曜日を決めたり、シンクの1/3まで溜まったら洗う、という自分なりのPlanを立ててやるようにしてみたら、結構いい感じ。

部屋の掃除を「Plan Do See」に細分化したノート

掃除をするライターむらやま(写真)

やらなきゃ!という意識ではなく、何のために掃除が必要なのかわかるとやる気が出る!

「ナヴィゲーション能力」の考え方を教えてもらったら、仕事も家事も向き合い方がポジティブになった気がします。同じように、悩みを通り越して、もはや諦めの境地にあった方向音痴問題も解決するといいな。

気兼ねなく外出ができるようになったら、視野を広げて街にあるヒントをもとに街歩きをしてみようと思います!

・当記事に掲載の情報は、執筆者の個人的見解で、ライオン株式会社の見解を示すものではありません。

イラスト:Akari Ito
編集:ノオト

この記事を書いた人

むらやまあき

むらやまあき

ライター・編集者。1995年長野生まれ。幼稚園から大学まで演劇をやっていました。
1本80円のやきとんとレモンサワーがあれば、結構しあわせ。

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