子どものやる気を伸ばす「お手伝い」|親子で楽しむ簡単お洗濯&魔法の声かけ
家事に育児、何かと時間がない中で悩ましい子どものお手伝い。子どもも積極的になり、ママも助かるお手伝いのコツを、お洗濯マイスター大貫和泉と、父親支援のNPO法人ファザーリング・ジャパン杉山錠士さんに教えていただきました。小さな子どもたちでも簡単に出来る「お洗濯」のお手伝い、子どものやる気をアップさせる「声かけ」方法について、それぞれ伺いました。
多くの子どもたちは3~5歳くらいで自我が芽生え始めるといわれます。これぐらいの年齢になると、時には「お手伝いしたい!」と意欲的な姿勢を見せてくれ嬉しくなるママたちですが、日々の家事や仕事に追われるとなかなかお手伝いに時間をさくのが難しい…。
そんなママたちの悩める声を聞きつけたLidea編集部。実際にどんなことに悩んでいるのか、詳しく聞いてみることにしました。
集まってくれたのは二組の親子。
ママたちの悩める「子どものお手伝い事情」
お仕事をしながら子育てをしている高橋さんは、お手伝いについて「やらせたいとは思うけど、平日はやっぱり難しいです」と普段の生活を振り返ります。
5歳の男の子、健太くんは、知り合いのお兄ちゃんから聞いて、ある日突然「お手伝いをするから、ゲームを買って!」とポイント制のお手伝いを自ら提案!(凄い!)
最近は自分の洗濯物をたたむことはやってくれるそうですが、やっぱり大人と同じペースではまだまだ難しいのだとか。
一方、専業主婦の吉田さんもまた、5歳の男の子、光くんがポイント制のお手伝いをしていると言います。こちらのお目当ては変身ロボットのおもちゃ。ちょっとママを大好きすぎるところがあって一緒に遊ぶ時間をたくさん作るようにしているのですが、なかなかお手伝いの時間をとることが難しいそうです。
いずれもやんちゃ盛りの男の子。明るくて元気なのはいいですが、集中力は続きにくいと口を揃えていました。
そんな悩めるお二方に、今回、ママも助かる小さい子どもでも出来る「お手伝い」を教えてくれるのは、ふたりの子どもを持つママでもあるお洗濯マイスター大貫和泉です。
大貫 和泉(おおぬき いずみ)
ライオン株式会社 お洗濯マイスター。
消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士、洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきた経験と母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすく伝えている。
習慣が身に付く!お洗濯のお手伝い3ステップ
お洗濯は「洗う」「干す」「たたむ」と、1日をかけて行なう大切な家事のひとつ。親子で工程ごとにコミュニケーションを取りながら簡単に楽しく、さらにお洗濯に関する習慣も身に付く「お洗濯のお手伝い」を大貫マイスターに伝授していただきましょう。
STEP① 干す前は「裏探し探検」
洗濯かごに入っている洗濯物の中には子どもたちが脱いだまま裏返しになっていたり、シャツとトレーナーが一緒に脱いで2枚重ねになっている物も多く、洗濯機に入れる前にそれを探して直すのって意外と手間ですよね。
そんな時こそ子どもたちの出番。子どもたちは探検が大好き!ということで、たくさんある洗濯物のジャングルから裏返しになっていたり、2枚重ねになっていたりするものを探す旅にスタート!見つけたら元に戻してもらいましょう。
このお手伝いをすることで、自分が脱いだ靴下や洋服を裏返しのまま洗濯かごに入れない習慣も身に付けることができるでしょう。できれば一緒に脱ぎがちなシャツと上着やズボンとパンツも分けて入れてくれることも覚えてくれたらうれしいですね。
STEP② 干す時は「元気に“振りさばき”」
タオルなどは干す前に一度振りさばくことで乾いた時の仕上がりがふわっとするし、水分が飛ぶので乾きやすくなります。でも、たくさんのタオルを振りさばくのは大変。
そんな時こそ元気な子どもたちのパワーを存分にいかしてもらいましょう!洗濯物を干すという細かい作業までは難しくても、振りさばくことなら簡単。どれぐらい元気に振りさばけるか、親子で一緒にやってみるといいですね。
小さいうちはこの振りさばく意味がわからなくても、経験として干す前に振りさばくという習慣を身に付けることができます。大人になって自分で洗濯をするようになった時にもふと思い出す可能性があり、将来の家事力アップに繋がることも期待できます。
STEP③ たたむ時は「靴下仲間探し」
靴下はペアで使う物。洗濯する時にバラバラになってしまうので、取り込んで畳む時にこのペアを元に戻すのが一苦労です。
そんな時は宝探しが大好きな子どもたちの出番。探し物を見つけるのは子どもの方が上手だったりしますよね。しかも、そのペアをクルッとまとめることも作業としてはそれほど難しくないので覚えるチャンスになると思います。
こうやって面倒なことをゲーム感覚でやる習慣がつくことは、大きくなってからも役に立つと思います。
ママたちの感想
「ゲーム感覚のものが多かったので、お手伝いという感覚がなく、子どもが気軽に取り組めるのでとても参考になりました!特に、靴下を探してペアにするお手伝いは、子どもたちがとても楽しそうにやっていたので、今後も取り入れたいですね」
お手伝いをやる気にさせる3つの言葉
「簡単な洗濯のお手伝いができるようになっても、まだまだ小さい子なので途中で飽きてしまう、続かない子どもたちが多いですよね。率先してお手伝いをするようになるためには、子どもたちが自らやる気になるように声かけをするのが大事です」
そう話すのは、NPO法人ファザーリング・ジャパンの杉山錠士さんです。
杉山 錠士(すぎやま じょうじ)
放送作家としては活動するかたわら自身の子育て経験を活かし、父親支援のNPO法人ファザーリング・ジャパンなどに所属。WEBメディアなどでの執筆や全国各地での講演など子育てにまつわる情報を発信している。
「子どもをやる気にさせる3つの声かけ法があるんです!」と杉山さん。
何々?それはどんな言葉…?杉山さんが解説してくださいました。
①依頼する時は「○○隊長に任命します!」
子どもがお手伝いをしたいのは、家事がしたいのではなく、認めてもらいたいから。まずは「やらせてあげる」という上から目線ではなく、ちゃんと「お願いする」ことが重要です。子どもたちはちゃんとお願いされることで「認められている」と感じます。
また、「お手伝いお願いね」ではなく、「タオル隊長に任命します!」というように、より具体的に範囲を決めて任せることで、意識が変わって、さらなるやる気に繋がります。
②お手伝いのあとは「使いやすいよ!ありがとう!」
子どもは、褒められたり、ありがとうと言われたりすると喜んでくれるものですが、多くの場合「お手伝いをやった瞬間」だけに伝えがちです。もちろんこれだけでもいいのですが、使う時にも感謝を伝えるとより効果があります。
例えば、まとめてくれた洋服を着る時に「○○が元に戻してくれたから使いやすいよ!ありがとう!」と伝えると、一回やったお手伝いで2回褒められことになり、子どもたちがもっと喜び、やる気もあがります。予想外のタイミングで褒められるのって大人でもうれしいですよね。
また、この声かけには、服をたたむだけで終わりではなく、使う時に繋がるという家事のサイクルを知らず知らずのうちに学ぶ機会にも繋がります。
③やりたい!と言ってきたら「一番好きなものを一枚たたんでください」
子どもに「やりたい!」と言われても全部お願いするのは現実的には難しいところ。でも、だからといって全部断るのは気が引けます…、そんな時にかける言葉がコレです。
“好きな物を選んでいい”というワクワク感もありつつ、限定的とはいえ“たたんでください”と、たたむ行為が認められたことで、更にやる気が上がります。
親に余裕がないと思わず反射的に「ダメ」と言ってしまいがちですが、そんな時も一息ついて、少しだけ許可することは子どもの自己肯定感につながります。
ママたちの感想
「隊長に任命する」というのは男の子にはとてもいい声かけだと感じました。“任せられた”という使命感で嬉しそうな表情をしていたのが印象的です。「好きなものを1枚たたんでください」という声かけも好きなものを悩んで選んだ1枚なので、その1枚をいつもより丁寧にたたんでいる姿を見ることが出来ました。
おうちでも体験してみました!
後日、高橋さん&健太くん宅では大貫マイスターの「お洗濯のお手伝い」を実践しました。これはその時の模様です。
高橋さん「座談会で教えていただいた時には、靴下をまとめられず悔しがってましたが、自宅では、練習の末、靴下をまとめてペアにすることが出来るようになりました!息子もとても楽しそうにやっていて、達成感を感じていてよかったです。これからも続けられるように一緒にやっていきたいと思います」
何かと時間が無い中では悩ましい子どものお手伝い。
忙しいママさんたちも、声かけに工夫しながらできることを任せることで、子どもたちと一緒に楽しい時間を過ごすことが出来ますね。
(文/Lidea編集部)
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