絶対に夏バテできない!プロランナー神野大地が実践している、夏バテ攻略習慣
絶対に夏バテできない職業の1つ、アスリート。夏バテしないためにどんな体調管理を行っているのか、プロランナーとして活躍中の神野大地さんにお話を伺いました。暑い時期の食事や入浴の仕方、睡眠へのこだわり...長い陸上人生の中で、神野さんが自分に合うものを厳選してきた体調管理法は、誰もがすぐに取り入れられるものばかりでした。
毎年厳しい暑さに見舞われる日本の夏において、避けては通れないのが夏バテ問題。食欲がない、疲れがとれない、よく眠れない…といった症状に悩まされる人も多いのではないでしょうか。しかし、「夏バテでだるい」と言って、それが影響して成績やパフォーマンスを落すわけにはいかないのが、 第一線で活躍するスポーツ選手たち!彼らは、どのような夏バテ対策をしているのでしょうか?そのヒミツを探りに、プロランナーの神野大地さんに突撃取材しに行きました!
神野 大地(かみの だいち)
1993年9月13日、愛知県津島市生まれ。中学校入学と同時に本格的に陸上を始め、中京大中京高校から青山学院大学に進学。大学3年生の時に箱根駅伝往路5区で区間新記録を樹立、“3代目山の神”として駅伝ファンに親しまれる。大学卒業後は実業団のコニカミノルタに進み、2017年12月の福岡国際マラソンにてフルマラソン初挑戦。2018年5月にプロ転向。現在は、東京オリンピックにマラソンで出場するため、日々トレーニングに励んでいる。
後悔をしないために、ひたすら練習と向き合う日々
プロランナーとして活躍しながら、2020年開催の東京五輪出場を目指している神野大地さん。今年9月に控えるのは、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)こと、東京オリンピック代表決定レース。そこに向けて、週6日、練習に明け暮れる日々を送っているそう。
神野「現在は、基本的に1日2回に分けて、平均30km走っています。練習でフルマラソンを走る時もあるので、多い時には1日50km走りますね。マラソンや陸上競技は、日々の鍛錬を淡々とこなし、継続していくことで力がつくスポーツだと思っているので」
1日練習をがんばったからといって即成果が出るものではなく、日々の積み重ねが大事。さらにじっくり練習と向き合うためにも、体のケアをしっかり行うことも重要だと語ります。特に神野さんが大事にしているのは「食事」「入浴」「睡眠」。
神野「普段の食事や睡眠、入浴などは、気をつけているというか、アスリートとして当たり前のことですけど、その当たり前の部分をどれだけ徹底してやれるかがカギだと思います」
対症療法的な考えでは根本解決にはならず、夏バテにならないように体調管理を行うためには、基本的なことをしっかりやることがやはり大事なんですね。
それでは、神野さんが実際に行っているケア法を、具体的にご紹介していきましょう!
お米をメインとした1日3食で、パワーをまかなう
夏バテすると、まず一番実感するのが“食欲の低下”ではないでしょうか。食欲がないからと食べないでいると、余計に悪循環になってしまうと神野さんは言います。
神野「よい食事をとることで人は強くなれると思っています。夏バテしないコンディションを保つのにおすすめなのは、白米+お味噌汁!そして1日3食しっかり食べること。僕がお世話になっている管理栄養士さんにも薦められているメニューです。最近だと、糖質制限とかでお米を食べないという話もありますが、やはり糖質を摂らないとエネルギーを生み出せません。僕も食欲がなくなる時がありますが、そんな時でも時間をかけて無理やり食べるようにしています」
白米に加え、やはり栄養バランスのよいおかずを食べるのがベスト。でも夏バテで食欲低下している中で食べるのはなかなか厳しいのも事実…。
神野「そんな時は、お味噌汁がいいですね。暑いからイヤだって思うかもしれないですけど、温かいから内臓を癒してくれるし、塩分も入っているから脱水予防にもなり、たくさん汗をかく夏にぴったり。食欲がないのにおかずをたくさん並べられるとげんなりしちゃうけど、具だくさんのお味噌汁にすれば、これだけなら食べられるなと思えますし、汁物だから意外とするする食べられますよ。だから管理栄養士さんにも、夏こそお味噌汁を食べろと言われています」
食欲低下を防ぐためには、水分の取り方にもポイントがあるのだとか。
神野「喉が渇いて水分ばっかり摂っていると、ごはんを食べたいという欲がなくなってきちゃうので、一気に水分を摂らずにこまめに飲むのもポイントだと思います。そしてよく言われることですが、冷たい水を飲みすぎるのは内臓に負担をかけてしまうので、避けたほうがいいですね。僕も水は基本的に常温しか飲みません」
夏バテしているからといって、いつもと違う物を食べたり、工夫するというよりは、必要な栄養素と胃に優しいものを入れることが大事。食べないでいるといつまでも体調が回復しないというのはスポーツ選手に限ったことではありません。最低限のエネルギーと栄養を欠かさないことで、夏バテに負けない丈夫な体が作られていくということなんですね。
疲れを翌日に残さないための、入浴&睡眠ルール
夏バテは、日々の暑さによる疲れの積み重ねによっても引き起こされるもの。よって、その日の疲れを翌日に持ち越さないように意識することも重要です。食事と並行して神野さんが日々の生活の中で重きを置くのが、「入浴」と「睡眠」なのだとか。
神野 「僕は毎日“交代浴(温冷交代浴)”をしていて。アスリートの人はけっこうやってるみたいですね。血行をよくすることによって疲労回復につながると言われています。女性の方だったら、足のむくみとかにも効果的だと思いますよ!やり方としては、5分お湯に入ったら、水(シャワーでもOK)に2分半。お湯に2分入ったら、水に1分という風に、お湯と水を2:1のバランスがいいそうです」
夏は水分の摂りすぎでむくみに悩む女性も多いので、これはうれしい情報!
神野「そして入浴も大事なんですけど、一番疲労をケアできるのが睡眠かなって思ってます。睡眠はだいたい7時間くらいのことが多いですが、できれば夜10時に寝て、朝7時くらいに日差しで起きるというのが理想。特に疲れている時こそ、寝ることで体の状態を整えることができると感じています」
夏は暑くて寝苦しい日もありますが、神野さんは意外と人が避けがちな方法で快眠を手に入れているのだそう。
神野「実は、僕は夜中もがんがんクーラーをかけるんですよ、26~27度くらいにして。正解かどうかわからないんですけど。でも寝てる時にストレスを感じたくないんです。暑くて起きるっていうのもすごいストレスだし、寝てても休まりきれてない気がするので、僕は気持ちよく眠れる環境を作るようにしています」
体に悪いような気がして、クーラーを使うのを控えたり、タイマーにして寝始めはよかったとしても暑くて夜中に起きてしまうということも夏場はよくありますが、朝起きたときの快適さを考えると、クーラーをうまく活用したほうがいいというのが神野さんの見解。
神野「僕は昔から練習の前とかでもクーラーをかけて、リラックスできる環境を作って練習に臨んでたんですよ。一方で、クーラーを使わずにストイックにやっていた人もいて。そういう人ほど、練習でうまく結果出せなかったりしたんです。練習で疲労するのに、普段休まないといけないその時間でも疲労してしまうわけじゃないですか。そうすると、僕と疲れレベルが違うので、それはバテやすくなりますよね。涼しいところから暑いところに出ると、暑いな~と思ったりしますけど、疲れは回復できているから、すっと気分を切り替えて練習に臨めている気がします」
これまでの陸上人生で実感した、体調管理で大切なこと
長い陸上人生を通して、トレーナーさんからアドバイスをもらったことや、それを実践してみて自分に合ってるなと思ったことを取り入れてきたという神野さん。食事や入浴、睡眠について実践していることを教えていただきましたが、本当に大切なのは、「1つ1つの積み重ね」だと話します。
神野「1つだけがんばってもダメです。食欲がなくてもお米とお味噌汁だけは必ず3食毎回食べる、入浴中に交代浴をする、しっかり睡眠をとるって、言ってしまえばそんなに難しいことではないと思うんですよ。何か1つ特別なことをやろうとするのではなく、しっかり食事、入浴、睡眠といった当たり前のことに向き合うことで、良いコンディションで生活が送れるはず」
とは言え、1つ1つは難易度が低くても、やろうと思ってもなかなかできない人が多いのが本当のところ…。
神野「僕もトレーナーさんから新しいストレッチを教えてもらう時に、これまで生活になかったことを取り入れるってことで、若干めんどくさいなって思ったこともあるんです。でも今では30分やるようになってますね。まずはハードル低く10分とかからやってみると、次第にそれに慣れて当たり前になっていく。するともっとケアできるかなと思って、さらに新しいストレッチを教えてもらったりするんですよ。そうすると、日々継続していった先に、1歩2歩ではなく、5歩6歩になっているというか。そして、数だけでなく、徐々に質にもこだわるようになるんですよね。同じ時間をかけるんだったら、質の高いことをやったほうがいいよねって」
食事であれば、インスタント味噌汁でもいいからメニューに摂り入れてみる。いつもシャワーだけの人であれば、湯船につかってみる。睡眠については、室温に気をつけつつクーラーをつけて寝てみる…といった風に、初めはハードルを下げながらも、すべて取り入れるということが大事なんですね。
暑くて、だるくて何もしたくない…と思ってしまいがちですが、それでは体調はいつまでたってもよくならないまま。神野さんが教えてくれた夏バテ対策は、どれもすぐにチャレンジできるものばかりです。まずは何か一つでも取り入れてみて自分に合えば、体はもちろん心も軽くなって、他もチャレンジしてみようと気持ちがどんどん前向きになるはず。今からでも遅くありません!せっかくの夏をより楽しく、心地よく過ごすためにも、まずは小さな一歩を踏み出してみませんか?
神野大地さん、貴重なお話をありがとうございました!
※当記事に掲載の情報は、取材対象者の見解で、ライオン株式会社の見解を示すものではありません。
この記事を書いた人
常松亜子
編集ライター兼翻訳者。小学生時代に神奈川県藤沢市から米・ロサンゼルスに引っ越し、シンガポールを経由して、東京に落ち着いて早十余年。フリーランスで雑誌やWEBメディアを中心に活動中。音楽フェスに合わせて、どこかしらの土地へと旅行に出かけるのが毎年の楽しみ。
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