紛らわしい駅名「青海」「青梅」を間違えたアイドルの思い出を修復してみた
誰にでも忘れたい思い出があるでしょう。あのつらい記憶がなければ...。いい思い出に書き換えられたら幸せなのに......と思ったことはありませんか?駅を間違えて会場から50キロ離れた駅に到着し、ライブに大遅刻するというつらい経験をした現役アイドルと一緒に、過去の思い出をキレイに修復する意外な方法をご紹介します。
春は出会いと別れの季節。新年度がスタートする4月は、心機一転がんばるぞ!と意気込む人も多いことでしょう。ただ、「あの時こうしておけばよかった」と後悔の念を抱えたままの方も多いのでは。過去の苦い経験をバネにできればいいのですが…どうせならつらい過去を消し去って新しい季節を迎えたいものですよね。
皆さん、忘れたい過去はありませんか?思い出したくない記憶はありませんか?もしも過去の思い出をあるべき姿に修復できるとしたら…。
"今日"という一日を誰よりも愛するLidea編集部は、みなさんの“過去”もより明るいもにしたい…という思いから、とびきりの後悔を抱えているというウワサの人を訪ねました。
全力少女R 佐藤 絵里香さんの過去を修復してあげたい…
その方は、全力すぎるパフォーマンスに定評のあるアイドルグループ「全力少女R」の佐藤絵里香さん。
佐藤 絵里香(さとう えりか)
2015年にデビューしたアイドルグループ全力少女Rのメンバー。1998年生まれ、静岡県出身。担当カラーは黄色。
――Lidea編集部です。突然ですが修復したい過去はありませんか?
どうしたんですか急に。
――修復したい過去はありませんか?つらい思い出、ありますよね?
私はアイドルとしてまだまだかもしれませんけど、毎日が楽しいですよ。アイドルは天職だと思っていますし、つらい思い出なんて…。
――いえ、アイドルだってきっとあるはずです。
ええ…?うーん、そうですね…。
しばらくスマホをいじっていた佐藤さんですが、何かを思い出した様子です。
強いて言うなら…。
ライブ会場の「青海(あおみ)」と「青梅(おうめ)」を間違え遅刻しまして……私服でライブに出演した苦い経験があるんです。
そうそう。それこそ、まさに私たちが求めていたエピソードではありませんか。
アイドル界に蔓延する「青海・青梅問題」とは?
アイドル業界を定期的に駆け巡る話題があります。それが「青海・青梅問題」。海外スターもライブを行うZepp Tokyoは都内屈指の人気のライブハウス。アイドルのコンサートも多く行われています。しかし、この会場に向かうアイドルが数年に一度行方不明になるのです。しかも数時間後に全く違った場所で発見される…。
この怪奇現象には理由がありました。
Zepp Tokyoの最寄駅は新交通ゆりかもめの青海(あおみ)駅ですが、スマホアプリの乗り換え案内を使って「青海」と入れるところを「青梅」と誤入力した結果、まったく違う駅についてしまうのです。Zepp Tokyoに向かうファンの間ではよくある間違いらしく、青梅駅には「ここは青梅駅!」という大きな張り紙があるとか。佐藤さんはまさにその過ちを犯してしまったのです。
私は根っからの心配性なので、いつも早く着くように家を出るんです。その日も早めに家を出て電車に乗り、車窓から見える景色に山や林など自然が多いなってぼんやり考えていました。しばらくすると車内からもだんだん人の気配が消えて「あまり集客ができてないライブなのかな」って思ったことを覚えています。
「青」と入力した後に最初に候補で出てきた「青梅」をそのまま打ち込み検索してしまったとはつゆ知らず、しかし、青梅駅の改札を出て何かがおかしいと気が付いた佐藤さん。看板を見ると「青」に「梅(うめ)」と書いてあるではありませんか。「海(うみ)」はどこにもありませんでした。
あわててマネージャーに電話したら「おい!そこから2時間かかるぞ!」って。
話すうちにあの日の記憶が鮮明に蘇ってきたのか、だんだん涙目になる佐藤さん。大きな目から涙がこぼれそうです。
私服でライブに出演した佐藤さんの過去を修復してあげたい…
遅刻した佐藤さんはあわてて青海へ向かいました。いつも早めに家を出る習慣が功を奏し、最後の曲には間に合ったとか。
着替える時間もなかったので、私服でそのままステージに上りました。もちろんライブ衣装を着たかったですよ(苦笑)。
遅刻したうえに私服でステージに登場したアイドルがかつていたでしょうか?写真を見せてくれる佐藤さんの姿はちょっと痛々しく…。佐藤さんのつらい過去を、なんとかしてあげたい…。
――その写真、私たちに託してくれませんか?佐藤さんの過去を修復したいんです。
えっどうやって?
――衣装を着せましょう。
は?
――科学の力で服を着せ替えるんです!
どゆこと…?
いきなりですが、読者のみなさまは「レタッチ」という言葉をご存知でしょうか?
レタッチとはカメラで撮影した写真を、専用ソフトを使って加工・修正する作業のことです。
たとえばこんなことができます。
こんなレタッチもできます。
ここまできたら察しのいい皆さんはお気づきでしょう。レタッチ技術を使えば、過去の記憶を塗り替えることができるのではないか。Lidea編集部はそう考えたのです。
今回は本記事用に特別に画像をレタッチ処理しています。レタッチは、悪意のある編集・画像捏造にもつながります。実施する際は各自の責任で行ってください。
――プロのレタッチャー(画像加工のプロ)にお願いして、私服写真をライブ衣装にレタッチしてもらいましょう。過去のつらい思い出を、楽しい記憶に変えるんです。思い出を修復しちゃいましょう…!
え、そんなことができるんですか?
レタッチとはどんなものかまったくわかっていない佐藤さんに、長々と説明するよりも、ここは実物を見てもらったほうがいいでしょう。そして、どうせなら他のつらい思い出も修復してしまいましょう。
つらい思い出、じゃんじゃん持ってきてください!
そんな訳でプロにレタッチを依頼しました
こんにちは。思い出を素敵にするお手伝いをさせてもらいます。
思い出を修復できるって聞いたんですけど、そんなことが可能なんですか?
クオリティを求めるときりがありませんけど、ある程度の希望にはお応えできると思います。
ということは、私の過去のつらい思い出も修復できる……?
そうなりますね。最近はレタッチ技術の向上によって、本物の写真なのかレタッチによる偽物の写真なのか区別がつかなくなっているんです。そのため、レタッチ画像が悪用につながることもあるんです。
え~!そんなにレタッチ技術は進化しているんですね…。
レタッチを悪用の手段として使うことは絶対にダメですが、レタッチでは様々なことが可能です。今回は特別に佐藤さんの思い出をレタッチで素敵に修復したいと思います!
楽しみ!
ちなみに「修復」とは、本来は「破損した箇所を元の状態に戻すこと」。本記事では思い出画像を、レタッチによって「佐藤さんの中で本来あるべき姿・状態」に戻しているため、大人の事情で「修復」という言葉を使用しています。
論より証拠、ということでさっそくレタッチャーさんに思い出を修復してもらいましょう。
エピソード①ファンに唖然とされ社長に怒られた金髪を黒髪に戻したい。
まずはこちらからお願いします。
え、かわいいじゃないですか。これの何が…?
去年の夏に髪を染めた時に、思ったより金髪になってしまって、あとで社長に怒られてしまったんです。
似合うと思いますけど…。
自分のイメージした色よりも明るくて。終わった後に鏡を見てびっくりしたんです。でも、美容師さんには時間をかけてやってもらったので、何も言えなくて。あの頃は、毎朝鏡を見るたびに、自分の髪色にビックリしていました。あー、恥ずかしい。
わかりました。これを元の髪色に戻しましょう。
黙々と続けるレタッチャーさん。これくらいはお手のものなのか、さくさくっと手際よく作業を進めていきます。そして……
完成しました!
仕上がった写真をみて驚く佐藤さん。
すごい!これ、私だけど、私じゃないみたい。いや、私だ…。自分のよく知っている自分です。
興奮のあまりわけのわからない発言を繰り返す佐藤さん。驚きの修復後の写真はこちらです。
髪の毛の色を黒に戻して、どうせなら背景も華やかなハワイの海岸に変えてみました。
すごい!この時は、社長に怒られるし、ファンからは「気合い入ってるね」ってよくわからない褒め方されるし、他のアイドルさんからは視線を感じるし、とにかく恥ずかしかったんですよ。それが修復されてる!
やっぱり、黒髪似合ってますね。そして本当にハワイに行ったような気になってきました。これだったら、社長にも怒られないです。そうだ、この写真を社長に見せたら、「あれ、俺なんで怒ってたんだろう」って思わないかな。本当にすごいです。つらい思い出が修復されました!
エピソード②怪我で収録に参加できなかったので、ちゃんと参加したい
最初のレタッチに興奮と大満足をしてくれた佐藤さん。次に修復したい過去を教えてもらいましょう。
憧れのアイドルになって一番大変だったのは、ダンスレッスンでした。私は運動神経が悪いので、いつもついていくだけで必死でした。全力少女Rでデビューすることが決まって、レッスンを頑張っていたら、今度は疲労骨折してしまって…。
頑張りすぎたことが仇となって、怪我をして動画の収録に参加できなかった佐藤さん。他のメンバーは離脱した佐藤さんの分まで頑張ろうと思ってくれたとか。その時に収録したレッスン動画がこちら。
収録には参加できなかったけど、スタッフが温情で右上に写真を載せてくれたんですよ。
逆に目立ってません?
この写真のせいで動画の中で画面右に来るメンバーの顔が映らなくなって…メンバーやファンからも、私の顔の写真が「めっちゃ邪魔」という声が上がってしまいました…。
それは今すぐに修復したほうがいいですね。メンバー同士の友情は大事です。
という訳で修復された写真がこちら。
…なんで私が3カ所にいるんですか(笑)?
バランスがいいかなって。
バランス!でも、おかげで私の「出たかった」という気持ちがより伝わった気がします。あと、この位置から踊っているメンバーを見ることはないので、とても新鮮です。ダンスしてる横でこんな風に見ていたら邪魔でしょうね。
個人的なこだわりは、ちりとりの影です。
本当だ!迷惑かけちゃって、掃除くらいしますよって心境でしたからちょうどいいです。踊れなかったけど、気持ちだけでも撮影に参加できてよかった。あれ、私はこの場にいなかったんでしたっけ…?いたんじゃないかな。記憶が上書きされた気分です。
エピソード③ もしもあの時、青海と青梅を間違えていなかったら…
そして最後はあのエピソードを修復しましょう。
最後は、青海と青梅を間違えたあの日の思い出を修復しましょう。先ほどからの佐藤さんお明るい表情を見ていると、彼女の胸に暗い影を落とした「青梅・青海問題」も、きっと修復できるに違いありません。
レタッチしてもらうのはこの2点。頼みますよ、レチャッチャーさん!
――そういえば間違いに気づいた後、すぐに青梅から青海に向かったんですか?
そうです。電車の中でウロウロして体を温め、さらに靴紐を結んだりして、駅に着いたらすぐに走れる準備をしていました。
――会場周辺のファンは走ってる佐藤さんを見てビックリしたのでは?
いえ、ファンの皆さんはもう会場に入ってますから。
――ああ…。
この日は私服で来て、私服で踊って、私服で帰ったんですよ。せっかくなのでステージ衣装を着せてください。
わかりました。
声援を送ってくれたファンの方にアピールしたいです。
わかりました。
どうせならもっと派手で目立つようにできますか。
……わかりました。
という訳で修復された写真がこちら。
わ~~~~~!うれしい!すごく汗をかいてるのは、駅から走ってきたからなんですけど…これだけ見ると、全力で最初から最後までパフォーマンスをして汗だくになったようにしか見えませんね。
衣装を着せて、指からファンの方に向けてビームを出して、そして佐藤さんの周辺だけライトを当てて、おまけに金色のテープを降らせてみました。いかがでしょう?
これすごいです。ねえ、マネージャさん、私、ちゃんとライブに間に合ってますよ!
……(写真だけな)
いやあ、この日は最後まで全力だったから視線を集めちゃいましたね
……(遅刻した上に私服だからだよ)
ファンの皆さんの前で最初から最後までパフォーマンスできてよかったです。ロングスカートのウエストを何回も折り返してたのはきっと夢だったんだ!
……(元気になったならよかった)
佐藤さんの思い出は修復したけれど…
大喜びの佐藤さんと、それを温かい目で見つめる編集部員たち。しかし、その歓喜の輪の中に入れない人がいました。
レタッチありがとうございました!
どういたしまして!う~ん…(ゴシゴシ)
大変!ずっと私の写真をレタッチしていたせいですかね?
いえいえ!いつもモニターとにらめっこなので、目が乾いたりして疲れるのは職業病みたいなものです。すみません、ちょっと目薬を差してもいいですか?
ふぅ~。
それはなんていう目薬なんですか?
あ、これですか?「スマイルザメディカル A」という目薬です。
「スマイルザメディカル A」には、角膜修復機能のあるビタミンAが最大量配合※1)されています。このビタミンAのはたらきで傷ついた角膜※2)を修復し、乾きなどによる目の疲れをもとから改善します。
※1)一般用眼科用薬製造販売承認基準の最大量配合
※2)軽度なこすれによる
ブランドサイトはこちら
職業柄パソコンを一日中眺めているので、目が乾いたりして疲れるんですよ。
そうなんですね…って、まるで「スマイルザメディカル A」の宣伝みたいですね。
まさかー。佐藤さんも商品名を不自然なまでに完璧に言えてますけど、まさかー。ところで、佐藤さんの目はいかがですか?目の乾きなどで疲れているなら目薬を携帯してもいいかもしれませんね。
なるほど。ビタミンAには角膜“修復”作用があるんですね。“修復”か。ん…?やっぱりこれって最初から「スマイルザメディカル A」の宣伝だったんじゃないですか!
思い出の修復は無事に終わったようですね。
愉快な寸劇が終わったところで、最後は佐藤さんの今後について聞いてみましょう。
最後に聞いてみた。なんでそんなに全力なんですか?
――踊りすぎて疲労骨折する。遅刻をしても全力で走ったら間に合い、最後の曲に汗だくの私服で登場する。佐藤さんはなぜいつもそんなに全力で眩しいんでしょうか。
それはアイドルというお仕事をさせていただいている喜びを忘れないようにしているからかもしれません。私は内向的な性格で自分から発信することは苦手でした。いつかアイドルになりたいけど、普通の仕事に就くんだろうなって思っていました。だから、今の仕事をできる感謝が常にあるんだと思います。
――常に全力の佐藤さんがステージ上で心がけていることはありますか?
まずは自分が楽しむことですね。アイドルってなんだろうってよく考えるんです。もし自分がファンだったら、仕事終わって疲れた時に、アイドルに会いたいだろうなって。だから自分もそういう存在になろうって思います。
――アイドルとしての理想は誰かに元気を与える存在ということですね。もうそうなっていると思いますよ。Lidea編集部も佐藤さんに会って元気になりました!
ありがとうございます。私は人と話すことが大好きで、いつも相手を笑顔にしたいと思っています。みんなに笑顔を届けて、日頃の疲れを修復できるアイドルになれたらいいですね!
・この記事に関する取材は2020年2月に行いました。
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下記のコメントを削除します。
よろしいですか?
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