昔の家事は今の◯◯倍時間がかかっていた!幕末のくらしを巡る旅 in 山口県萩市

Vol.2 洗剤・洗濯機による「革命前夜」の洗浄力を徹底検証! 幕末洗濯伝・後編~体力勝負の普段着洗い!

Meister3 face photo

LION お洗濯マイスター

山縣 義文(やまがた よしふみ)

1/3 ページ

洗剤・洗濯機による「革命前夜」の洗浄力を徹底検証! 幕末洗濯伝・後編~体力勝負の普段着洗い!

暮らしのマイスターが研究所を飛び出し、さまざまなくらしの知恵を発掘する特別企画「暮らしのマイスターが行く」。今回も引き続き、大河ドラマ『花燃ゆ』の舞台、「山口県萩市」で「幕末の洗濯」を体験します。前回の再現で、着物の洗濯が重労働であったことや、年に数回程度しか行われなかった理由は分かりました。しかし、汚れはきちんと落とせていたのか?という疑問が残ります。後編ではその「洗浄力」をテーマにレポートします。

洗剤や洗濯機を使わずに「普段着」の汚れは落とせたのか?

あらためて幕末と現代のお洗濯の違いをおさらいしましょう。当時のフォーマル着やカジュアル着であった「着物」は、「年に1回」程度しか洗濯していませんでした。前回の再現で、着物をといてバラバラの反物に戻す下準備から、洗濯後に縫い直す作業を含めると「約20時間」の大仕事になることが分かりましたが、そもそも着物は、肌着の上に羽織る一種のアウターですから、肌に直接触れる部分だけ清潔にしておけば、それほど頻繁に洗う必要がなかったのかもしれません。一方、畑仕事などの野外作業をする時の「野良着」はどうでしょう?多くの庶民にとって「着物」はここぞと言う時のおしゃれ着で、日常はワークウェアとしての野良着を「普段着」として着ていたとも言われています。さすがに洗濯頻度は「着物」よりも多く「週1回」程度ですが、洗剤や洗濯機も使わずに、汗や汚れをきちんと落とせていたのでしょうか? まずは当時の洗濯を再現してみましょう。

<幕末と現代のお洗濯の違い>

イラスト:幕末と現代のお洗濯の違い

野良着の洗濯は、主に川で行われていたということで、幕末当時、庶民の生活用水として使われていた「藍場川」に移動しました。その最上流にあるのが、江戸時代に川の水の管理を任されていたという「旧湯川家屋敷」です。敷地には川の水を引き込んで造られた「池泉(ちせん)庭園」がありますが、最大の特徴はその仕組みにあります。

庭園の池から出た水は、建物の下をくぐり、台所や風呂場に設けられた「ハトバ」というスペースに流れる仕組みになっているのです。水道のない時代ですから、野菜や食器を洗ったり、水を汲むのに重宝されたでしょうね。「ハトバ」で使った後の水は、再び川に戻ります。あ、これは全部、萩市のゆるキャラ「萩にゃん。」に教えてもらいました(笑)。それにしても、水の都・萩の人々の知恵は素晴らしいですね。ライオンちゃんも顔には出しませんでしたが、かなり驚いていたようです。

写真:池泉(ちせん)庭園

写真:ご当地ゆるキャラ・萩にゃん

…という仕組みにゃん

さすが、萩にゃん。

写真:ライオンちゃん

とにかく体力勝負?「野良着」の洗濯に挑戦!

幕末の庶民の「知恵」に感心した後は、その「体力」にも敬意を表することになりそうです。着物には洗剤代わりとなる灰汁を使いましたが、野良着の洗濯では使いません。汚れ落としは完全に手作業まかせです。着物をといてバラバラの反物に戻すといった下準備を必要としない「丸洗い」ですから手間こそかかりませんが、どれぐらいの労力がかかるのでしょうか。

①洗い

野良着の「洗い」は、畑仕事をはじめとする野外作業でついた汚れや汗を落とすことが目的です。あくまでワークウェアですから、生地へのダメージをあまり気にすることなく、タフな洗い方をしていたようです。

写真:もみ洗いするマイスター

その一つが「もみ洗い」。川の水を汲んだたらいの中で、汚れの目立つ部分をもみ、生地をこすり合わせるようにして、泥や固形の汚れを落とします。そのほか、川辺の石などにたたきつける「たたき洗い」や、足で踏んで洗う「踏み洗い」なども行っていたようです。

ちなみに、「もむ」あるいは「こする」、「たたく」といった物理的な作業は、現代の洗濯機でも行われています。かくはん水流を使う「縦型」洗濯機は、洗濯物が水中でかき混ぜられる「もみ洗い」、ドラムの回転によって洗濯物を上から下へ落とす「ドラム式」洗濯機は、「たたき洗い」を基本動作としているのです。いずれにしても洗濯機による洗濯は、「機械力」と「洗剤」のふたつの効果を活用して汚れを落とすので効率が全く違います。洗剤や洗濯機のない時代の「洗い」は、もんで、もんで、もんで、たたいて、たたいて、たたいてと、ひたすら体力を必要とする作業でした。

特に「たたき洗い」は、どれぐらい続ければ良いのか見当も付きません。洗剤を浸透させて汚れを押し出す現代の「たたき洗い」とは、かなり趣が違います。川にある石や壁に、文字通り「たたきつける」のです。さすがの野良着もボロボロになるのではと心配になりましたが、幕末の庶民にならって思い切りやってみました。

写真:たたき洗いするマイスター

柔道着を洗った子供の頃を思い出しながら、外壁にたたきつけること約20回。これで本当に汚れが落ちたのだろうか?と、疑問を感じながら次の作業に移りました。

写真:洗濯するマイスター

②すすぎ

川の表面をなでるよう野良着を動かして「すすぎ」を行います。上半身を激しく使った「洗い」の後に、中腰となるこの工程…水に浸かって行う作業ですから、寒さの厳しい冬場は体力だけでなく、かなりの忍耐力も必要だったでしょうね。

写真:着物をすすぐマイスター

③脱水・干す

ライオンちゃんと萩にゃん。の声援を受けながら、力をふりしぼって「脱水」作業。ふと気付けば、川に入ってから1時間以上が経過…暑さを感じる一日でしたが、さすがに足が冷えてきました。

写真:着物を脱水するマイスター

マイスター、がんばってー!

ライオンちゃんと、萩にゃん

写真:着物の天日干

竿に通して、パンパンとしわを伸ばしたら、あとは天日干しするだけ…お洗濯終了です!

洗濯を開始してから、野良着が乾くまでに「約4時間」かかりました。「着物」の「約20時間」と比べると短時間で済みましたが、それでもかなりの重労働…「幕末の洗濯」は現代と比較にならないほど時間と体力を必要としていたことが分かりました。日々の汚れが気になったはずの「野良着」ですら、「週1回」程度しか洗っていなかったのも納得です。

幕末のくらしを巡る旅 in 山口県萩市 記事一覧


あわせて読みたい記事

LION おすすめの情報

人気のプロジェクト週間ランキング


Lideaからのお知らせ

GReeeeNオリジナルキャンペーンソングプレゼント!
「あなたの家事フェスソング教えて♪」Twitterキャンペーン

注目の記事

家事フェス
夫婦円満都市推進プロジェクト
災害時のための「手の清潔ケア」と「オーラルケア」