オーラルケアマイスターがレポート!ペットの「オーラルケア」について学ぼう!

犬の「歯みがき」どうしてる?みがき方&頻度について徹底取材!

Meister10 face photo

LION オーラルケアマイスター

太田 博崇(おおた ひろたか)

犬の「歯みがき」どうしてる?みがき方&頻度について徹底取材!

愛犬に、顔まわりをなめられた時や、顔の近くであくびをされた時、お口のニオイにびっくりしたことはありませんか?そして口臭が気になっても、愛犬の歯みがきについてわからなかったり、うまくできずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで、犬の飼い主歴9年のオーラルケアマイスター太田博崇が、獣医師・遠山洋美先生を訪ね、「犬のお口のケア方法と上手に行うコツ」についてお話を伺ってきました!

健康な歯を維持するには、人も犬も日々のオーラルケアが大事

太田:遠山先生、はじめまして。今日はよろしくお願いします。

遠山先生(以下敬称略):こちらこそ。太田さんはワンちゃんを飼っていらっしゃるんですね。

太田:はい、そうなんです。私は普段、人の歯とお口の健康について研究していますが、犬もオーラルケアが大切ですよね。遠山先生は獣医師として、たくさんの飼い主さんの悩みに答えていらっしゃると伺っていますが。

遠山:はい。講演などで全国を回り、ワンちゃんのオーラルケアの方法をメインに飼い主の方にお伝えしています。

遠山洋美先生

ライオン商事株式会社 獣医師

太田:私たち人間は毎日歯みがきをすることなどで口の中を清潔に保っていますが、犬も、きちんとお口のケアをしたほうがいいですよね。

遠山:そうですね。ワンちゃんも人と同じように、歯に歯垢がつきます。それを放置すると唾液中のカルシウムなどが沈着し、徐々に歯垢が歯石に変わります。
ワンちゃんは歯垢が歯石になるスピードが速く、人間が約25日かかるのに対してわずか3〜5日。なんと人の5倍の速さです。

太田:それだけお口の健康に気をつける必要があるのですね。

遠山:はい。歯石は動物病院でないと取ることができないので、歯石がつく前に歯垢を落とすことが大切です。歯垢や歯石は口臭の度合いにも影響します。健康なお口のワンちゃんであればイヤな口臭はしないものなので、ワンちゃんにとって、口臭の強い・弱いはお口の健康のバロメーターです。お口の健康を維持するには、ワンちゃんたちも歯みがき習慣が必要なんですよ。

太田:人間も犬も、同じですね。

遠山:口臭がきっかけでワンちゃんのお口のケアを考え始める飼い主さんが多いのですが、口臭以外にも気をつけておきたいさまざまなSOSがあります。ぜひ、下のチェックリストを確認してみてください。ワンちゃんにこのような様子が見られたら、早めに動物病院での歯科健診を受けると安心ですよ。

犬のお口の健康チェックリスト

口臭が気になる
□口のまわりが濡れている
□口唇がはれている
□歯やあごをガチガチ鳴らす
□食事の時、食べ物を口からよくこぼす
□やわらかいものしか食べない
□頭をよく振る
□片側だけ目やにや涙が多い
□前足に血やヨダレの跡がある
□前足で口をいじったり、口を床や地面にこすりつける

  • チェックリスト監修/フジタ動物病院 院長 藤田桂一先生(獣医師・獣医学博士)

「犬が歯みがきをイヤがる理由」を知ることが、成功への近道

太田:犬用のオーラルケアグッズには、さまざまな種類がありますね。私たち人間の場合、歯垢を落とすにはハブラシによるブラッシングが効果的ですが……。

遠山:ワンちゃんも同じです。歯みがき用のガムなど、使いやすいグッズからお口のケアトレーニングを進めていき、最終的にはハブラシを使った歯みがきができるようになるといいですね。

太田:でも実際は、犬の歯をみがくのは難しいですね。うちの犬もイヤがって、なかなかみがかせてくれません。

遠山:そうおっしゃる飼い主さんは、とても多いですね。「歯みがきをイヤがるうちのワンちゃんは悪い子なの?」と思いがちですが、そうではないんです。歯みがきをイヤがるのには、ワンちゃんなりの理由があります。

太田:それはどんなことですか?

遠山:理由には大きく2つあります。

犬が歯みがきをイヤがる主な理由

1. 犬は口まわりがとても敏感だから、さわられるのが好きではない

犬は、もともと口まわりがとても敏感。さわられるのが好きではありません。ましてや、ハブラシなどの異物を口に入れられるとなったら、激しく抵抗して当然なのです。

2. 歯みがきはほめてもらえないし、イヤな気持ちにしかならない

歯みがき中に動くと怒られる、じっとしていてもほめてもらえないなど、イヤな気持ちになりがち。だから我慢ができず、逃げ出してしまうのです。

太田:私たち飼い主は、愛犬のためを思ってつい必死になりますが、それが犬にとってはかえってつらいわけですね。飼い主と犬の気持ちには、大きなギャップがあることがわかりました。

遠山:それでは、ワンちゃんのお口のケアの取り組み方や方法について、わかりやすくまとめましたので、ぜひ以下をごらんください。

これでうまくいく!犬のお口のケアの3原則

1. 押さえつけて無理やりやらない

お口のケアは「ワンちゃんファースト」が大原則。少しでもイヤがるそぶりをみせたら、いったんやめるのが正解です。じっとしていられないからといって、ワンちゃんを押さえつけて無理やりケアしても、「歯みがきはイヤなもの」という思いを植えつけるだけで逆効果です。

2. やさしく声をかけながら行う

ケアする時は「おりこうさんだね~」など、やさしく声をかけながらするのがコツです。
真剣になりすぎて無言で行うと、ワンちゃんは怖くなってしまうので、ぜひにっこりスマイルで行ってください。

3. 少しでもできたらよくほめてごほうびを

そして、少しでもがんばれたらたくさんほめてください。ごほうびにおやつを少しあげるのもよいですね。「歯みがきをすると楽しいことが待っている!!」と思わせることが大切です。

3Stepで始めよう、犬のお口のケアトレーニング

犬のお口のケアをこれから始める方や、やり直したいという方は、ワンちゃんができるレベルに合わせて、ゆっくりと徐々にステップアップしていくのが成功の秘訣です。

ハブラシでみがくケアは、実は最終ステップ。最初は、ワンちゃんがさわられるのが苦手な口まわりをさわることから始め、慣れてきたら歯みがきシートを使って指でみがき、最後にハブラシでブラッシングと、順を追って進めるのがおすすめです。

Step1:口まわりをさわることに慣れさせる

最初はまず、ワンちゃんが口まわりにさわられるのに慣れさせること。日常の中で何気なく口にさわる機会をふやしましょう。

初めは両手で、やさしく顔や口まわりに触れます。

慣れてきたら、唇をめくり、歯や歯ぐきにタッチしてみましょう。

抵抗感がなくなってきたら、歯ぐきに沿って奥歯の方へ指を差し入れてみましょう。

同時に「いい子だね~」などやさしい声かけもしましょう。

ごほうびのおやつと、ほめる言葉を忘れずに

口まわりにさわれたら、ごほうびのおやつを忘れずにあげてください。なかなかさわらせてくれないワンちゃんには、口まわりをちょっとさわってはごほうびをあげる、を繰り返しましょう。
すると「好きなことが待っているし、飼い主さんがニコニコほめてくれる」とワンちゃんにすり込まれ、やがて慣れてきます。

お口のケアの最中におやつをあげても大丈夫なの?と気になる方もいるかもしれませんが、まずは口まわりにさわれるようになることが優先。あげるなら、なるべく少量のおやつをあげましょう。噛むことで歯垢を落とす歯のケアができるおやつもあるのでおすすめです。

歯みがき用のジェルを使うのもポイント

ジェルは歯みがきで使うものという印象が強いのですが、ワンちゃんが好む味のジェルを指につけてなめさせると喜んで、口まわりにさわりやすくなります。ジェルを気に入ってくれると、今後のオーラルケアトレーニングもスムーズに進みやすくなるのでおすすめです。

歯みがきジェルについてはこちらをごらんください。

Step2:歯みがきシートでこすりみがき

ワンちゃんが口まわりをさわられるのに慣れてきたら、犬用の歯みがきシートを使ってこすりみがきにトライしましょう。

犬用の歯みがきシートは、ウエットタイプのシートで、歯垢などの汚れをからめとれる設計になっています。みがいた後にはふきとった歯垢がしっかり見えて汚れがとれたことがわかりますし、使い捨てなので衛生的にお口のケアができますよ。

歯みがきシートの巻き方

始める前に、歯みがきシートをきちんと指に巻くことが大切です。以下の方法でまくと、使用中でもシートがよれにくく、みがきやすくなります。

まずシートの上部を持って半分に折り、間に人差し指を入れます。

シートを下から引っ張り上げ、指にしっかりと巻きつけていきます。

巻き終わりの端を中指か親指ではさんで完成。

歯みがきシートで犬の歯を上手にみがくポイント

1. 歯みがきシートを巻きつけた指で、最初は歯や歯ぐきにタッチします。

イヤがるワンちゃんには、「歯にちょっとさわったら指をもどし、ごほうびをあげる」を繰り返し、ゆっくり慣れさせてください。シートに歯みがき用のジェルをつけると、スムーズにできるワンちゃんもいますよ。

2. 少しずつ慣れてきたら、やさしく前歯や犬歯からこすりましょう。

3.前歯や犬歯に慣れてきたら、シートを巻いた指を奥歯に滑り込ませるようにして、奥歯までみがいていきましょう。

ワンちゃんは口を縦にあーんと開けることが苦手なので、慣れないうちは口は閉じた状態でみがいてあげるのがポイントです。

実はワンちゃんの口の端はよく伸びるので、口を閉じた状態の方が奥まで指が入ります。みがく時は、歯並びの凹凸に合わせて丁寧にみがいてください。1本ずつ、指先で歯のくぼみを意識してみがくと、汚れがキレイに落とせます。

みがく時の姿勢はどうしたらいい?

寝ころんだワンちゃんを抱きかかえるようにしてもいいですし、向かい合わせでみがいてもいいでしょう。ペットと飼い主さん、両方にとって楽な姿勢を探してください。

歯みがきシートについてはこちらをごらんください。

Step3:ハブラシで歯みがきケア

歯みがきシートでこすりみがきができるようになったら、いよいよハブラシで歯みがきに挑戦してみましょう。

ハブラシは、鉛筆を持つのと同じ「ペングリップ」で持つのがおすすめです。

力加減は、ハブラシの毛先が軽くしなるくらいの軽い力でみがきましょう。毛先が真っすぐのままだと力が弱すぎ、大きくたわむと力が強すぎる証拠です。

ハブラシの毛先が軽くしなるくらいが目安です。

力を入れて2~3回動かすよりも、軽い力で小刻みに動かすほうが歯垢はよく落ちます。
飼い主さんのみがく力が強すぎて、痛くて歯みがき嫌いになるワンちゃんは多いもの。ワンちゃんの歯をみがく前に、自分の手の甲をこすってみるなど、事前に加減を確認するといいでしょう。

不安な方はキッチンスケールを使って力加減を確認する方法もあります。犬の場合は100ℊ程度の力加減が適切です。人間の場合は150~200ℊですから、自分の歯をみがくよりもずっとやさしい力でみがいてあげてください。

ハブラシの当て方は、毛先を歯と歯ぐきの境目に当て、歯に対して45度の角度で境目の歯垢を取るつもりでブラッシングしましょう。左右に揺らすようにして1本1本みがくと、歯と歯ぐきとの境目の歯垢を効率よく落とせます。

毛先を歯と歯ぐきの境目の歯垢を落とすように意識してみがく

  • 出典:フジタ動物病院院長 藤田桂一 「デンタル・ケア、インフォベッツNo.164(2013)」

実際にワンちゃん相手だと、自分の歯をみがくより難しいかもしれませんが、意識するだけでも歯みがき効果に違いが出ますよ。

ハブラシについてはこちらをごらんください。

犬の歯みがきなんでもQ&A

Q1 犬の歯みがき頻度はどのくらいがいいですか?

A1 ワンちゃんの歯みがきの頻度は、毎日みがくのが基本です。

ただ、ワンちゃんがイヤがるなど、1日で歯全体をケアするのが難しければ、3日間かけて分けてみがくよう心がけるといいですね。
1日ずつ、前歯→右側→左側のローテーションでみがくと、3日間ですべての歯をケアできますね。こうすれば、歯垢が歯石にならないうちに落とせます。

Q2 歯みがきはいつごろから始めたらいいですか? 

A2 生後3か月ぐらいからスタートしましょう。

口まわりにさわることから始め、しだいに唇をめくったり、歯にさわられることに慣れさせましょう。慣れたらシートやハブラシを使った歯みがきを始め、永久歯の生え変わる生後6~7か月頃には歯みがきができるようになるといいですね。ただし、生え変わり時期の歯の周囲は痛いので、さわらないように注意してください。

Q3 シニアになりましたが、歯みがきトレーニングを始めるには遅いでしょうか?

A3 歯みがきを始めるのに遅いことはありません。

普段から口まわりにさわることができていれば、ごほうびを使って歯みがきをしつけることができます。「まて!」「おすわり!」と同様にしつけ、ごほうびをあげる前に歯みがきをするといいでしょう。

Q4 歯みがきは何分くらいするとよいでしょうか?

A4 ペットは長時間の歯みがきをイヤがります。

時間よりも、「1本の歯につき5回ずつ」などみがく回数を決めるといいでしょう。イヤがったら途中でもやめ、しばらく時間をあけてから行うといいでしょう。

Q5 歯みがきをするタイミングはいつがベスト?

A5 飼い主さんもペットもリラックスしている時がベストでしょう。

特に効果があるのは、食後と寝る前です。夜寝る前に歯みがきすると、寝ている間に歯垢が増えるのを防げます。

Q6 ハブラシ以外にみがきやすいグッズはありますか?

A6 指でみがく感覚の便利グッズも人気です。

シリコンのようにやわらかい素材でできた指サックにブラシがついた「指サックハブラシ」をご存知ですか?
指にはめて使用するもので、まるで指でみがいているような感覚でケアできるので、飼い主さんにも人気です。

先端にコンパクトヘッドのブラシがつき、奥歯もみがきやすい形状の指サックハブラシ

指サックハブラシについてはこちらをごらんください。

Q7 お口のケアは、歯みがきガムだけでも十分ですか?

A7 ハブラシを使ったケアと合わせて使うのが理想的です。

歯みがきガムは、歯みがきの初心者から上級者まで幅広く手軽に使える便利なアイテムです。歯みがきガムは、歯の表面の歯垢を落とすことができるという長所がある一方で、歯周ポケット内など届きにくい部分のケアは苦手という短所があります。

お口のケアでポイントとなる「歯周ポケットの中の歯垢」までケアするにはハブラシが最も効果的なんです。歯みがきガムは、ハブラシを使ったケアと合わせて使うのが理想的です。

しかし、ハブラシを使ったケア習慣にワンちゃんを慣れさせるためには、ワンちゃんのペースに合わせた練習が必要です。練習期間中のお口のケアとして、歯みがきガムを上手に使ってみましょう。

「ガムはすぐ食べ終わってしまう」というお声も聞きますが、飼い主さんが手で持って食べさせるとしっかり噛めて長持ちします。右側ばかりで噛むなど、ワンちゃんにも噛み癖があるので、飼い主さんがガムを手で持って左右交互にくわえさせると効果が高まります。

<歯みがきガムの持ち方>
親指のつけ根と人差し指の間にガムを短めにはさみ、指は伸ばしてワンちゃんにガムを噛ませましょう。
こうすると、指を噛まれる危険も減っておすすめです。

歯みがきガムは、臼歯(奥歯)などのよく噛む歯では歯垢を落とす効果を期待できますが、あまり使わない前歯や犬歯には十分な効果がありません。ワンちゃんの歯の健康を守るには、やはり歯みがきシートやハブラシを使って全部の歯をケアするようにし、歯みがきガムは補助的に使用するのがおすすめです。

歯みがきガムに関する詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。
「ケア効果がもっと高まる!ガムの選び方・与え方」

Q8 奥歯がみがきにくいのですが、いい方法を教えてください。

A8 奥歯までみがくには、唇の端を横に引っ張り、空洞をつくるのがコツです。

ハブラシや指が入れやすく、奥までみがきやすくなります。奥歯は、ハブラシの先を内側に回り込むようにするとみがきやすいでしょう。

まずはハブラシを好きになってもらうことから。「イヤがられたらすぐやめる」のがポイント

遠山:いかがでしたか?ワンちゃんのオーラルケアについておわかりいただけたでしょうか。

太田:はい。犬のオーラルケアについては知らなかったことや新たな発見が盛りだくさんで、とても勉強になりました! 歯みがきが嫌いなうちの犬にも、ハブラシにジェルをつけてなめさせるなどして、まずハブラシを好きになってもらうことから始めたいと思います。

遠山:最初にもお話しましたが、ワンちゃんがちょっとでもイヤがったらすぐやめるのも、ケアトレーニングの大事なポイントです。飼い主さんのケアしたい気持ちはとてもよくわかるのですが、それをグッと抑えて、気長に根気よく取り組んでくださいね。そうすれば、前に失敗していても、きっとうまくいきますよ。

太田:はい、ぜひやってみます。本日はありがとうございました!


ペットのオーラルケア企画、いかがでしたか?こちらもごらんください。

おすすめの商品

Lidea公式facebookページ 日々更新中!

知っていると便利な情報や
お得なキャンペーンをお知らせします♪


あわせて読まれている記事

新着 くらしのアイデア

もっと見る

人気のプロジェクト週間ランキング


Lideaからのお知らせ

irodori - くらしを彩るウェブマガジン
「#my_irodori」プレゼントキャンペーン

注目の記事

夫婦円満都市推進プロジェクト
災害時の清潔・健康ケア