共働き夫婦の家事シェアを救え!夫婦円満都市推進プロジェクト in 山形市

Vol.9山形市の企業内で「夫婦円満都市推進プロジェクト」はどのように広がっているのか

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LION リビングケアマイスター

杉本 美穂(すぎもと みほ)

山形市の企業内で「夫婦円満都市推進プロジェクト」はどのように広がっているのか

山形市で展開している夫婦円満都市推進プロジェクトでは、本活動に共感いただいた地元の22企業・団体にご参画いただき、各企業の社員の夫婦円満の推進、企業内の働き方改革とともに、そのお客様である市民の皆様へのアプローチを協働して行っています。
そこで、参画企業のうち3社のご担当者に、インタビューさせていだたきました。

JA山形市

山形市において組合員と利用者の強固な信頼関係をつなぎ、地域の発展に貢献してきたJA山形市。全国各地の農業協同組合が次々と合併していくなか、昭和23年4月の組合設立以来、一度も他の組織と合併せずに信念をもって独自に発展してきました。
JA山形市では、代表理事専務 佐藤 安裕さんに、熱い思いを語っていただきました。

JA山形市 代表理事専務 佐藤 安裕さん

まず最初に、JA山形市で働く方々の状況を教えてください。

「JA山形市では、信用事業、購買・販売事業、共済事業、不動産事業など合わせて現在の職員は90名、年齢構成は20・30代が半分です。平成20年くらい迄は、ベテラン職員ばかりでしたが、一気に若返りました。男女比は、男性の割合が少々多いのですが、女性の管理職比率は15%を達成しています。」

随分若手が多いのですね。

「平成18年から若手を対象とした塾を実施しています。以前は「仕事ができるか」が心配事でしたが、最近の若者は「人間関係がうまくできるだろうか」ということが一番の心配事になっています。おにぎり1個とウーロン茶での塾を開催しています。JA山形市の価値観を共有化するための話を私が行い、未来に向かって何をしていくかということを、しっかり伝えています。JAは、昭和23年の創立以来、自己改革の連続であり、常に地域の方と共に変わって行く必要があると話しています。」

変わって行くなかに、働き方を変えるといった動きはありますか?

「銀行法の改正を受けて、決済上の問題がなければ昼時間閉められるようになります。このことを活用して、12時から13時の時間帯は支店の業務を閉める方向で準備しています。人数が少なくなる昼休みは防犯上の課題もあり、その対策としての実施ですが、内部的にはワーク・ライフ・バランスの観点でも説明しています。職員の健康管理や円滑なコミュニケーションにとっても、良い方向であると考えています。」

この夫婦円満都市推進プロジェクトに参画された理由をお聞かせください。

「やまがたイグメン共和国さんのメンバーよりお誘いを受けて、参加してみようと思いました。こういう活動を外部に発信することで、実は内部である職員に本気度を示すことになります。以前、山形県のやまがたワーク・ライフ・バランス リーディングカンパニー育成事業に、モデル企業として参画した時も同様です。このような活動に参画することで、ワーク・ライフ・バランスに真剣に取り組んでいるということを内外に発信できるし、また続けることがとても大切と考えています。」

 

JA山形市ではワーク・ライフ・バランスをどのように進めていますか?

「ワーク・ライフ・バランスの具体的施策として、よくワークの目標とライフの目標を作るというのがありますが、私はワークとライフは別々に存在するのではなく、ライフの中にワークがあると考えています。人生のタイミングで仕事の割合が変わるかもしれないが、ワークがライフを超えることは理屈的にありませんからね。」

「各部署から1名ずつ任命して、ワーク・ライフ・バランス委員会を立ち上げていますが、少しずつ進んでいるのが現状です。長時間労働の削減に対しても、現場の状況を把握しながら少しずつ進めており、毎週水・金曜日の早帰りデーの他、今年の2月からは、毎月1回17時半完全退室を実施しています。」

男女の働き方についてはどうですか?

「JAに入組する女性も大卒になり、時代は変わってきました。女性は子育てしていると、帰宅後の時間の使い方が分刻みで決まっているので、早め早めに仕事に取り組んでくれます。ワーク・ライフ・バランスは、男性主導では動きません。切迫感がない。しかしながら、今の若い人たちは、全然違うと思います。家庭でも完全分業で手伝うようになってきていますね。」

ご自身についてはいかがですか?

「自分自身は、夫婦間で家事ギャップばかりです。自分は、長時間労働の権化のようなものですから、本セミナーにも『専務が出るべきではないですか?』と言われています(笑)。ワーク=ライフだった時期がずっと続いており、最近思い直したのは、目一杯働いていた時は、疲弊もするし余裕も無いから良い発想もできません。健全な心は健全な身体に宿るのであって、仕事も同じと考えています。」

変わるきっかけは何でしたか?

「役職になってくると、自分で考えて自分で完結させるということだけでは済まなくなってきます。支店長になって、人づくりが大切だと感じたのです。特に、新入職員は最初がとても大切、最初のハードルをどのくらいの高さにするかがポイントと考えています。20代は給料を支払いながら研修して、30代に活躍してもらえればと考えています。」

本プロジェクトの活用についてお聞かせください。

「ポスターを全支店に貼るなどして、社内外に発信しています。職員にもセミナーに参加させることで、意識が変わってくると思っています。」

JA山形市では人の育成を本当に大切にされていることがよくわかりました。

大和証券 山形支店

企業理念の1つとして「人材の重視」をあげ、経営戦略の中で「若手からベテランまで、全ての社員がモチベーション高く働き続けることが出来る環境整備を進めること」を掲げている大和証券。「19時前退社」や「女性活躍推進」など業界の中でも先駆けて「働き方改革」に取り組んでいます。なんと、全国の支店の約19%が女性支店長であるとのこと。その女性支店長のおひとり、山形支店 西村 真由美さんにお話を伺いました。

大和証券 山形支店 支店長 西村 真由美さん

山形は、共働き率と共に、三世帯同居率も全国トップレベルと聞いていますが、大和証券の共働きの状況をお聞かせください

「山形支店の社員は35人で、男女だいたい半々です。女性の1/3は育児経験者です。
若手社員では、祖父母の支援も受けているようです。家庭をもっている女性社員には、極力早く帰るように伝えていますが、遅くなる時はパートナーが対応している家も多いようで、夫婦の協力体制は進んでいると感じています。大和証券では、全国の支店で、19時前退社を励行しています。」

「時間内で効率的に働くことを進め、そして19時以降の時間は自己研鑽にあてる、家事サポートに当てるということで活用されています。残業時間は、男女に差はありません。ワーク・ライフ・バランスは、主に女性に向けた施策として実施している会社が多いかもしれませんが、大和証券では男女共に働きやすい会社を目指すという意味で実施しています。」

今回の夫婦円満都市推進プロジェクトにご参画いただいた理由は?

「やまがたイグメン共和国のメンバーから話を聞き、発信の内容には当社と相通ずるものがあったので、是非ということで参加させていただきました。ワーク・ライフ・バランスが重要といっても、実働に活かせていない会社は多いと思います。ここ山形市に大和証券として支店をおかせていただいていますので、市内の中小企業へ広がるような発信ができればよいと感じています。」

「また、こういった活動に参加していることを、社外の方やお客様にも発信するようにしていますし、さらに、発信することによって社員に気付きを与えることもできます。社外の人から、『そんなことをこの会社がしているのか』というところから、新たなお考えなどもいただくことがあります。山形の人はとても真面目なので、私どもの姿勢をお客様にお伝えすることで、特に仕事をもっていらっしゃる女性から好感をもっていただいていると思っています。」

ワーク・ライフ・バランスのために、実際に活用されている制度はどのようなものでしょうか?

「例えば、『育児サポート休暇』という制度があります。男性が「育児休職」という言葉を使うのは抵抗があるようで、このネーミングになりました。妻の出産時に育児のサポートをするように、2週間までは有給で夫が取得できるもので、対象者の100%が取得しており、珍しい制度ではないかと思っています。」

このような環境のなか、働き続けている女性社員の意識はどうでしょうか?

「自分は偉くならなくても良いという女性も中にはいます。当社では、色々なキャリアがあることを知ってもらうことも重要だと考えており、定期的に女性向けのキャリアデザイン研修を行っています。30代を中心に、女性社員が集まり意見交換をしてキャリアイメージが描けるように支援しています。その中で女性役員の講話の時間を設けると共に、女性社員の社内ネットワーク構築にも取り組んでいます。」

男性社員には変化がありますか?

「お客様の中には、担当者が年配者でないと嫌だという方もいらっしゃいます。そこでベテラン社員に上席アドバイザーとして出身地域に戻って活躍してもらうという制度も作りました。また、社員の働き続けたいという気持ちを尊重し、営業員の雇用上限年齢を撤廃しました。健康経営にも取り組んでおり、社員にはいつまでも元気に活躍して欲しいと考えています。今現在、67歳の社員がいます。」

最後に、本プロジェクトへのご要望があれば教えてください。

「結婚前カップル対象のセミナーも面白いなあと思っています。また、新入社員向けも面白いのではないかと思っています。これから家庭を作るという人はお金も生活も大切です。色々な試みができると良いですね。」

とても先進的な企業の取り組みをお聞きすることができました。

ヤマザワグループ

山形県を中心に食品スーパーマーケット「ヤマザワ」、「ヤマザワ薬品」を展開しているヤマザワグループ。「夫婦円満都市推進プロジェクト 市民セミナー」には、「ヤマザワ」の古山社長自らがご夫妻でご参加。また、店頭でもお客様に「家事シェアで 夫婦円満」を伝達する売り場作りにも取り組まれました。
インタビューでは、ヤマザワグループ社内での活動展開をご担当された、株式会社ヤマザワ 総務部総務主任 仲條 真菜美さんに今回の取り組みについてお伺いしました。

株式会社ヤマザワ 総務部 仲條 真菜美さん

ヤマザワでは女性社員が多いようにお見かけしますが、はじめに社員の皆様の働き方について教えてください。

「社員は、男性よりも女性の方が多いくらいです。特に店頭で働いていただいているパートの方も含めれば、圧倒的に女性が多いです。共働きも多く、職業柄、土日出勤もあるため、実家の助けを得たり、パートナーと交代で子育てしたりと工夫しているようです。育児休暇制度はあるものの、やはり実家が遠いなど、家族の助けを得にくい場合には、子どもができたときや、それを見越して早くに辞めてしまったりする女性もいるので、そのあたりは残念に思っています。子育て中のその年代が抜けている感じはあります。」

周囲をご覧になり、山形での共働き率の高さを支えているものは?

「データからは「三世代同居によるもの」と読み取れますが、三世代同居していなくても、実家が近くて全面的に支援してもらっているというご夫婦の話をよく聞きます。夫が積極的に家事に協力しているというのは、まだ少ないと思います。それでも、自分達の育った時とはずいぶんと違い、男性の家事・育児参加を好意的に見ていると感じています。」

御社が本プロジェクトの参画企業となられたのは、どのような理由からでしょうか。

「社長の意思がとても強かったです。即決でした。もちろん、企業イメージアップということもあろうかと思いますが、目指したいところ、社員の幸福度を上げたいという思いが強いと思っています。その思いは働く社員として、とても良いことだなと思います。また、社長の意向もあり、市民セミナーのショート版を社内で実施しましたが、食器洗いの話は、家事協力という意味でとても良いところを突いたものだと思いました。」

共働きの人への支援はありますか?

「産休や育児休暇は、とてもとりやすいと思います。中には、産休明けですぐ復帰という企業もありますから、恵まれている企業だと思っています。ただし、復帰してからが大変かもしれません。お店ではお客様が第一であり、自分で業務量をコントロールすることが難しく、また、遅番もあるため、周囲の支援がないと、仕事と家事・育児の両立は難しいかもしれません。」

暮らしに役立つ製品を扱う仕事柄、男性社員の家事参加率はどうでしょう?

「お店の現場まで含めると、家事参加率は高くはないかもしれません。早出、遅出や時間が不規則ということもあり、どうしてもパート勤務であるパートナーに任せざるを得ないかもしれません。でも、子育てについては、自分の親など一世代前と比較すると男性の参加率はあがってきているとは思います。子どもの面倒は見ているけれど、家事参加まではできていないということでしょうか。」

「家事ギャップ」と言われて、ご自身が感じる家事ギャップは何ですか?

「やり方のギャップを感じます。お互いに自分のやり方を通そうとして、もめることが多いので。今回、ギャップを埋めていくには、片側が合わせるのではなくて、両方が正しい家事を第三者から教えてもらって歩み寄るという話を聞き、目からうろこって感じで貴重でした。」
「女性社員の間で、よく話題に上がるのは、「ゴミ出し」です。職場の先輩の話では、うちの夫は、出かけるときに『おかあさん、ゴミまだ?』って、玄関先で聞くのよと。まずは家の中のゴミ箱からゴミを集めて、分別して、それから捨てに行くっていうすべてがゴミ出しですよね。」

社員向けにもセミナーをさせていただきましたが、反応はいかがでしたか?

「反響は大きかったです。家事ギャップについては、男性社員にはショックが大きかったようで、『家事をシェアできていないと、ここまで言われてしまうのか』というような言葉も聞かれました。」
「私個人としては、夫のモチベーションを考えて、グチグチ文句を言わないようにしなきゃと思いました。セミナーで話を聞いて意識は変わってきました。男性からは、家事をやっても一度ダメと言われると二度とやらないという声も聞こえています。上手にシェアするには、やる気を損なわないことが必要ですし、パートナーを教育するっていうところもあるのかもしれません。」
「会社では、上に立つ人がこういった話を聞くと良いと思いました。特に教育を担当する部門の人に聞いて欲しいとも思いました。」

会社内の和やかな雰囲気が一変して、社員セミナーでの皆様の真剣なまなざしが、とても印象的でした。

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