「電子レンジの上手な使い方と注意点」加熱方法や種類の違いも解説

「電子レンジの上手な使い方と注意点」加熱方法や種類の違いも解説

電子レンジは、ターンテーブルのあり・なしによって食材の置き方が違います。食品を入れる容器も、電子レンジ調理では使えないものがあるので確認を。ラップやクッキングペーパー、調理バッグなども用途に合わせて上手に使いこなしましょう。また、庫内の汚れは加熱ムラや発火などの原因になるため、こまめな掃除も大切です。

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「電子レンジ」の種類

電子レンジは、火を使わず短時間で簡単に食品をあたためたり、下ごしらえをすることができます。最近では、多機能化が進み、一台で何役もこなしてくれるようになりました。種類や機能などの「基本」を知って、もっと上手に便利に使いこなしてみませんか?

<電子レンジの種類と加熱方法>

加熱方法の違い

1.電子レンジ加熱

電波の作用で食品の水分子を振動させ、その摩擦熱で「食品の表面と内側をほぼ同時に加熱する」機能。

2.オーブン加熱

庫内全体を一定温度に保ち、食品を「焼く」機能。従って庫内全体が熱くなる。
加熱方式は大きく2種類。

「熱風循環方式」ヒーターの熱をファンで庫内全体に循環させて加熱。
「上下ヒーター方式」庫内上部と下部にヒーターがあり、輻射熱により加熱。

3.グリル加熱

庫内上部などのヒーターで食品の「表面を香ばしく焼き上げる」機能。

4.スチーム加熱

蒸気によって食品を「蒸す」機能。調理によって、レンジ加熱やオーブン加熱と組み合わせる場合がある。

「電子レンジ」を上手に使うポイント

「電子レンジ」は使い方にポイントがあります。上手に使うために、下記のポイントをチェックしましょう。

ポイント1 取扱説明書をよく読む

お持ちの電子レンジの機種や種類によって、使い方、加熱時間などが異なります。
電子レンジを使う前に、説明書をよく読み、お持ちの電子レンジの特徴を理解してから、正しく使いましょう。
特に、多機能型電子レンジは、レンジ加熱とオーブン加熱を同時に行うなど様々な機能があり、また「オート調理」のように、オーブンレンジに内蔵されているメニューをボタンを押すだけで作ることもできます。メーカーによってその使い方は異なりますので、詳しくは、お持ちの機種の取扱説明書をお読みください。

ポイント2 電子レンジのタイプを知る

どちらのタイプの電子レンジを使うかによって、食材の置き方が変わります。お持ちの電子レンジはどちらのタイプですか?

ターンテーブルありのタイプ

上部からターンテーブルに向けて電波を出します。ターンテーブルが回転し、食材があたたまります。

フラットタイプ(ターンテーブルなしのタイプ)

底面で電波を作り拡散させます。回転しないので、大きなお皿でも入れることができ、食材を均一に温め、加熱ムラも少なく仕上がります。

<食材の置き方・入れ方>

ターンテーブルありの場合

電波は外側に強くあたるので、あたためるものは中央から少しずらして外側に置きます。

耐熱皿を使った調理では、真ん中をあけて食材をドーナツ状に置きます。複数の食材をいっぺんに加熱する場合は、火の通りにくいものは外側に、火の通りやすいものは内側に置き加熱します。

耐熱ボウルを使って調理する場合は、火の通りにくいものを上に、火の通りやすいものを下に入れます。

フラットタイプの場合

あたためるものを中央におきます。

耐熱皿を使うときは、中央をあけずに並べます。

耐熱ボウルを使って調理をする場合は、センサーが自動的に強弱を判断するので置き方はこだわりません。全体をさっくりと混ぜて加熱します。

ポイント3 電子レンジ調理で「使えるもの」、「使えないもの」を知る

素材の耐熱性が不足していたり金属がスパーク(火花)を起こすなど、電子レンジ調理では「使えないもの」もあります。購入時には表示を確認し、電子レンジ調理に「使えるもの」を選びましょう。

電子レンジ調理で「使えるもの」

陶器、磁器、耐熱ガラス、耐熱性のあるプラスチックやシリコン容器、ラップ

電子レンジ調理で「使えないもの」

アルミ、ステンレス、ホウロウなどの金属容器、土鍋や素焼きの器、金銀模様のある陶磁器、木製容器、漆器、耐熱性のないガラス、耐熱性のないプラスチック製品、金ぐし、アルミホイル

ポイント4 電子レンジ調理に便利なアイテムを使う

電子レンジを使う際に、あると便利な「アイテム」を知り、そろえておきましょう。あらかじめ電子レンジに使用できるか、素材や耐熱温度などの表示を確認しておきましょう。

ラップ

食材の飛び散りや乾燥を防ぎます。耐熱温度が140℃以上のものを選びます。

クッキングペーパー

食材の余分な水分や油分を吸収します。ぬらして使って食材に水分を補うこともできます。厚手のクッキングペーパーを水でぬらして食材をくるみ電子レンジで加熱すれば、野菜の下ごしらえや蒸し料理も作ることができます。

電子レンジ×クッキングペーパーで、「肉豆腐」や「鶏チャーシュー」が簡単に作れます。

オーブンシート

食材がくっつかないので仕上がりが良く、蒸気を通すので水っぽくなりません。

レンジ調理バッグ

専用レシピに従って、材料・調味料を入れて電子レンジで加熱するだけで、じっくり煮込んだような料理が簡単に作れます。

電子レンジ×調理バッグでも「サラダチキン」「麻婆春雨」「アクアパッツア」などが簡単に作れます。

ポイント5 ラップを「する」「しない」のコツ

電子レンジでは、「ラップ」は鍋のフタのような役割をします。食品の熱が逃げるのを防いで、あたたまりやすくしたり、食品の飛び散りを防いだりします。また、水分蒸発が多い食品の乾燥も防ぎます。一方、ラップをすると水蒸気が中にこもってしまうので、揚げ物などをカラッと仕上げたい時には向きません。
調理や食品の種類によってラップをかけるか、かけないかを区別します。

<ラップをする・しない時のポイント>

ラップはゆったりかける

煮ものやカレー、シチュー、蒸しものを容器に入れて加熱する場合、ラップはゆったりとおおうようにかけます。ラップを隙間なくぴったりとかけてしまうと、蒸気の圧力で裂け、高温の食材が飛び散る危険性もありますので、十分注意してください。

コーンやアサリの身が入ったスープは必ずラップをして

コーンやアサリなどの具が飛び散ることがあり、やけどするおそれがあるので、必ずラップをして、電子レンジの取扱説明書にかかれている方法に従ってください。

ポイント6 加熱ムラを防ぐ工夫

ちょっとした工夫で、加熱ムラを防ぐことができます。

1.置き方や置く位置に注意

電子レンジのタイプによって適切な置き方や置く位置が異なります。適切な置き方で加熱ムラを防ぐことができます。

2.混ぜ合わせる <あたためる場合>

カレーやシチューなど、少し粘度のあるものや汁物は加熱ムラができやすいので、加熱後に全体を混ぜ合わせます。あたためが足りないときは様子をみながら追加で加熱してください。

3.ラップを外してクッキングペーパーを敷く<解凍の場合>

冷凍した肉や魚を解凍するときは、ラップを外してクッキングペーパーで包んで解凍します。電子レンジは、食品の水分子を振動させその摩擦熱で加熱するので、解凍時に出た余分なドリップを吸いとることで、溶け出したドリップの加熱による加熱ムラがなくなります。

4.大きさや厚みを均等に <調理の下ごしらえの場合>

食材の大きさや厚みが違うと、マイクロ波の当たり方が不均一になり加熱ムラができます。熱が均一に通るように、肉は厚みをそろえて切ったり、野菜などは形や大きさをそろえて切るなど工夫をしましょう。

ポイント7 加熱時間は短めに!破裂・突沸に気をつける

1.加熱時間は短めに!

加熱する前の食品の温度や室温、容器の種類や大きさなどによって加熱時間は変わります。
水分が少ない野菜などは、加熱が進むと焦げて煙が出たり、発火する可能性もあります。
また、加熱する電波は塩分や糖分の多いところに集中しやすく、部分的に早く加熱されるので、加熱のコツをつかむまでは加熱時間は短めに設定し、様子を見ながら少しずつ時間を足していくと上手に加熱できます。

電子レンジの加熱時間は、ほぼ「食品の重量に比例」します。例えば、ご飯1杯分が1分なら2杯で2分弱、3杯で3分弱です。これは、食品の量が多くなると電子レンジの電波が分散するため、1杯あたりにあたる電波の量が少なくなるからです。

2.破裂を防ぐには、切り込みや穴をあける

ソーセージ、レバー、オクラ、ナス、丸ごとの魚、イカなどの皮がついているものは、加熱すると中身が膨張して破裂します。これを防ぐために、加熱前に切れ目を入れておきましょう。また、タラコや卵の黄身など、薄い皮がついているものは、竹串で数カ所、穴を開けてから加熱します。

殻つきの生卵、ゆで卵(殻付き、殻なし)は、破裂することがあるので電子レンジで加熱しないでください。

3.突沸に注意!

液体が沸点を超えても、沸騰を起こさない状態(プクプクと泡が出てこない)になる場合があり、これを過熱状態といいます。 過熱状態にある液体になにかしらのショック(振動や調味料を入れるなど)が加わると、突然、爆発するように沸騰し中身が飛び出ます。この現象を「突沸」といいます。飲み物や油脂の多い食品などを電子レンジで加熱するときは注意してください。

<特に気をつけること>
・加熱しすぎない。
・開口部が小さい容器、小さなカップ・マグカップを使うときは特に注意。
・飲み物はスプーン等で加熱前にかき混ぜる。
・加熱しすぎた場合は、少し時間(1~2分間)をおいてから庫内から取り出し、かき混ぜる。
・沸騰した液体を取り出すときは十分注意する。
・取扱説明書に従って、「飲み物専用キー」などを上手に使う。

ポイント8 電子レンジはこまめに掃除する

庫内が汚れたまま使っていると、汚れた部分に電波が集中しあたたまり方にムラができたり、発火や発煙の原因になります。付着した食品、油、水分は、使用のたびに固く絞ったぬれぶきんで水ぶきをしましょう。
・電子レンジの掃除方法はこちら

電子レンジの上手な使い方については、こちらの記事もチェックしましょう。
・電子レンジを使って上手にあたためる方法はこちら
・電子レンジを使った解凍方法はこちら
・電子レンジを使った簡単・時短の下ごしらえはこちら

この記事を作成・監修した
マイスター

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。

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