じゃがいもの保存&冷凍テク〜保存期間の目安と、夏でも長持ちするコツ〜

じゃがいもの保存&冷凍テク〜保存期間の目安と、夏でも長持ちするコツ〜

じゃがいもは低温を嫌うため、常温保存が基本。ただし、夏場は芽が出やすいので、新聞紙でくるんでからジッパー付き保存バッグに入れて野菜室へ。冷凍保存なら、使いやすい大きさに切って生のまま保存バッグに入れて。いつもと食感が変わるけどおいしく食べられます。レンジで加熱後つぶしたマッシュポテトの冷凍も便利です。

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じゃがいもの正しい保存方法とは?

低温を嫌うじゃがいもは、常温で保存するのが基本です。日が当たると芽が出てしまうので、新聞紙などで包んでから冷暗所へ。暑い時期は芽が出やすくなるため、新聞紙に包んでからジッパー付き保存バッグに入れ、冷蔵庫(野菜室)で保存しましょう。冷凍保存なら、生のまま使いやすい形に切ってジッパー付き保存バッグに入れて保存します。

じゃがいもは、主菜、副菜と、いろんな料理に使えるので、常備しているご家庭も多いですよね。
ところが、保存が適切でないと、芽が出たり、腐ったりしてしまうこともあるので、気をつけたいもの。適切な保存方法について、詳しくご紹介します。

基本は涼しい日陰で常温保存

じゃがいもは低温を嫌う野菜ですから、常温で保存するのが基本です。
また、日光が当たる場所も発芽してしまうのでNGです。

<常温保存>

紙袋に入れるか新聞紙に包んで、日の当たらない涼しいところで常温保存。

●保存期間の目安 涼しいところで3か月

気温が高い時期は新聞紙&バッグで冷蔵庫へ

常温保存がベストなじゃがいもですが、真夏などの気温が高い時期は芽が出やすくなるので、冷蔵庫(野菜室)で保存を。
新聞紙にくるんでからジッパー付き保存バッグに入れて保存すると、冷やしすぎを防げます。

じゃがいもの「芽」「緑色の皮」は要注意

「じゃがいもの芽には毒がある」と聞いたことはありませんか。
じゃがいもには「ソラニン」「チャコニン」という天然毒素が含まれていて、この毒素は芽の部分に一番多く、皮の周辺にも含まれているとのこと。じゃがいもは、日光に当たるとこの毒素が増加し、皮が緑色になったり、成長が促されて芽が出やすくなるそうです。ですから、日の当たらない涼しいところで保存するのは、意味のあることなのです。

また、「ソラニン」や「チャコニン」は、ゆでたり炒めたりする加熱調理では分解されませんが、じゃがいもの内部にはほとんど含まれていないので、調理する時に芽とそのまわりを取り除き、緑色になった皮を厚くむけば、食べられます。

じゃがいもの天然毒素に関して、詳しくはこちら
農林水産省ホームページ 「食品中の天然毒素ソラニンやチャコニンに関する情報」

じゃがいもは冷凍保存できる?

じゃがいもの入ったカレーを冷凍すると…

左:冷蔵保存したカレー 右:冷凍保存したカレー

写真はじゃがいもを入れ煮込んだカレーを保存し、温めなおした時の様子です。左は冷蔵保存したもの、右は冷凍保存したものです。
右のように、加熱されたじゃがいもを冷凍すると中の組織が壊れるので、温めなおすとボロボロとくずれ、カレーはドロドロになってしまいます。
カレーやシチューなどを冷凍保存するときは、じゃがいもを除いてジッパー付きバッグに入れて保存しましょう。

生のじゃがいもを冷凍すると・・・

生のじゃがいもの皮をむいて切り、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍保存してみました。これを使って調理をすると、カレーを温めた時のように一気にボロボロとくずれることはありませんでした。

じゃがいもの種類はいくつかありますが、まず「男爵(だんしゃく)」を使って、「生のじゃがいも」と「冷凍じゃがいも」で肉じゃがを作り、食べ比べてみると、食感に違いがありました。「男爵」は、ホクホクとした食感が特徴ですが、冷凍したあと調理すると、煮たさつまいものように、やわらかく、少しねっとりした食感になります。

さらに、「男爵」「キタアカリ」「メークイン」の3種類の生のじゃがいもを冷凍保存し、凍ったままの状態をゆでて食べてみたところ、いずれもホクホクした食感はないものの、おいしく食べることができました。

食感は変わりますが、生のじゃがいもでも冷凍保存できるものがあることがわかりました。

<冷凍保存>

「生のまま使いやすい形に切って」

皮をむいて使いやすい形に切り、水にさらしてから水気をふき取り、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍保存。

●保存期間の目安 冷凍で1か月
●おすすめの利用法 凍ったまま煮物に

マッシュポテトの冷凍保存もおすすめ

じゃがいもがたくさんあって食べ切れないとき、ゆでるか電子レンジで加熱してつぶし、マッシュポテトにしてから冷凍する方法もおすすめです。
かさもへるので、たくさんじゃがいもがあるときの大量消費ワザとしても使えますね。

じゃがいもは電子レンジで「ぬらくるチン!」すれば、ゆでる手間が省け、簡単にマッシュポテトが作れます。

「ぬらくるチン!」で作るマッシュポテト

1. ぬらしたクッキングペーパーでくるみ、電子レンジで加熱する

皮をむいてつぶしやすい大きさに切って、ぬらしたフェルトタイプのクッキングペーパーで包み、電子レンジ600Wで100gあたり2分を目安に加熱する。

2. ジッパー付き保存バッグに入れてつぶしてから、冷凍保存

ジッパーつき保存バッグに入れ、上からすりこぎなどでつぶしてマッシュ状にし、さましてから平らにならして冷凍室に入れて保存する。

●保存期間の目安 冷凍で1か月
●おすすめの利用法 自然解凍または電子レンジ解凍し、ポテトサラダやコロッケのたねに。凍ったままポタージュに

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皮をむいたじゃがいもは、水にさらした方がいいの?

作る料理によって水につける時間を変える!

皮をむいたじゃがいもは、空気に触れると茶色くなるため、切ったらすぐに水につけ、さっと洗って水からあげて使います。水でさらす必要があるほどのアクはありません。

しかし、長い時間水につけると、水溶性のぶどう糖や麦芽糖が水に溶け出したり、ホクホク感をもたらすペクチンが変化するため、加熱したときの仕上がりが変わってきます。※1
ですから、作る料理によって水につける時間を変えるのがポイントです。

●ホクホクさせたい粉ふきいもやポテトサラダなど → さっとさらす程度に

ポテトサラダは、つぶすと簡単に崩れるほどのじゃがいもで作るとおいしいですよね。水にさらす時間で仕上がりが全く異なります。

左:一晩水にさらしたもの 右:さっと水にさらしたもの

左は一晩水にさらしておいたもの、右はさっと水にさらしたもので作ったポテトサラダです。
水にさらしすぎるとくずれにくくなり、おいしい粉ふきいもやポテトサラダを作れません。

●シャキシャキ、パリパリの食感に仕上げたいじゃがいも炒めやポテトチップスなど → よく水にさらす

薄切りしてから水につけたり十分に水洗いするのは、ぶどう糖や麦芽糖を水中に溶出させるため。糖分が残っていると水分がとびにくく、揚げた時にカラっと仕上がりません。※2

左:一晩水にさらしたもの 右:水にさらしていないもの

じゃがいもを水にさらしてから揚げると、左のようにサクサクになりましたが、水にさらさずに揚げた右のホテトチップスは、水分や油を含み、しんなりしていました。

  • ※1, ※2 参考:松本仲子著、調理科学のなぜ?、朝日新聞出版、2017

この記事を作成・監修した
マイスター

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。

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