ふたりそろって超マニアック!趣味がまったく違う夫婦が仲良く暮らす秘訣

ふたりそろって超マニアック!趣味がまったく違う夫婦が仲良く暮らす秘訣

あなた、そしてあなたのパートナーに趣味やコレクションはありますか?約5,000点の文房具コレクションを持つ文房具ライターの夫と、編み物好きがこうじて海外製"編み機"まで買ってしまう漫画家の妻。それぞれ異なる趣味を満喫しているけれどふたり仲良く暮らしている、きだてたくさん・栗原まもるさんご夫婦に、円満に結婚生活を続けていく秘訣について聞きました。

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結婚すると、夫婦で過ごす時間が増えるもの。独身時代からの趣味がパートナーと共通のものではなかったら、それまでと同じように続けられるのでしょうか?

文房具ライターのきだてたくさんと漫画家の栗原まもるさんは、お互いに趣味を満喫しながら、仲良く暮らしている結婚5年目のご夫婦です。互いに全く違う趣味に全力を注いでいる者同士が一緒にいると、「どこかでぶつかってしまうのでは…?」と不安になりますが、きだてさんと栗原さんはいい距離感を保ったまま仲良く暮らしているそうです。

そこには、どんな秘訣や工夫があるのでしょうか。おふたりの趣味の世界があふれたご自宅にお邪魔して、お互いに心地の良い生活を送るコツについて聞きました。

きだてたくさん・栗原まもるさんの2ショット

【夫】きだて たく

1973年生まれ。文房具ライター、デザイナー。色物文具専門サイト「イロブン」主宰。「デイリーポータルZ」「GetNavi web」などウェブ・雑誌・書籍で多数執筆。

【妻】栗原 まもる(くりはら まもる)

1972年生まれ。漫画家。高校2年生の時『少女フレンド』でデビュー。『Kiss』『Cookie』『デザート』など多数の少女マンガ誌で活躍。最新作は『つぶつぶ生活』。

夫は文房具コレクター!アイテム総数は約5,000点

コレクションを背景に話すきだてさん

床から天井までの壁一面を覆う収納ケースの中には、これまで集めてきた文房具がぎっしり!

まず案内していただいたのは、きだてさんの文房具部屋。膨大な数の文房具を保管するためだけに設けた収納ルームです。「引っ越しの時は文房具のダンボールだけで70箱を越えていました」と笑いながら話すきだてさんが、文房具にここまでハマったきっかけは何だったのでしょう?

きだて「クラスでちやほやされたかったんですよ。小学3年生くらいの時って、おもしろいおもちゃを持っていったらそれだけで人気者になれるじゃないですか。でも学校におもちゃは持ち込めない。『じゃあ文房具ならいいのでは?』と思いついて。

そこから、ロボットに変形するボールペンや、ボタンを押すと引き出しが飛び出る仕掛けの多面マチック筆箱などの文房具を集めるようになりました。だから、昔も今も集める基準は“他人に見せてウケが取れるかどうか”。さすがにウケが取れるのは小学生まででしたけど(笑)」

ロボットに変形するボールペンを触るきだてさん

ロボットに変形するボールペンを触るきだてさん

きだてさんお気に入りのロボットに変形するボールペン

中高生になると、「不器用な上に字が下手」という自身のコンプレックスを理由に、様々な文房具を手当り次第に試したのだそう。

きだて「『字が下手なのは、シャーペンが俺の手に合っていないからでは?』『紙をまっすぐに切れないのはハサミが悪いからかも?』と道具のせいにして(笑)、いろいろな文房具を試して。すると、僕のような不器用な人間でもちゃんと使いこなせる優秀な性能の文房具が見つかるんですよ。

そのうちにインターネットが登場して、文房具好きが集まるサイトに出合ったんです。そこには『万年筆のことならこの人に聞けばいい』という感じのマニアの方々がたくさんいて。でも、僕が小学生の時に集めていた変な文房具のマニアはまだいなかった。そこで“色物文具”と自分で名付けて紹介しているうちに、生業になっていました」

文房具について笑顔で語るきだてさん

ただし、ご本人は「自分はコレクター気質ではない」と話します。

きだて「僕は集めること自体が目的じゃないんですね。コミュニケーションツールとして見せびらかしていたらこんなに増えていた、という感じです」

最初はコミュニケーションツール、次は不器用な自分を助けてくれる道具、そして大人になった現在は“生業”へ。きだてさんと文房具との縁は、切っても切れないものなのでしょう。

漫画家の妻のリフレッシュは編み物。夫婦コラボの鉛筆マフラーも!

仕事机で作業する栗原まもるさん

きだてさんも栗原さんも、自宅の同じ部屋で仕事をする

次は妻である漫画家・栗原まもるさんの趣味、「編み物」について聞いてみましょう。編み物を始めたきっかけは、きだてさん…ではなく、元カレだったそうです。

栗原「以前に付き合っていた人が、『編み物したいんだよね』と言い出して。『じゃあ私もやろうかな』と道具を揃えて、始めたんです(笑)」

編み物歴はすでに10年超。なぜここまで長く続けていられるのか。それは漫画家という職業と、編むという作業の相性の良さにありました。

栗原「私は、ネーム(原稿を書き始める前のストーリーやコマ割りを決める作業)中に編み物をするんですよ。目の前に紙を置いて、ネームを考えながら単調な目を編む。頭の中はネームのことを考えていて、手だけが勝手に動いている感じですね。ある意味、無心になって手だけを動かせるのが、編み物のいいところ。そうこうするうちに、気づけばロングマフラーとネームが完成していて一石二鳥みたいな(笑)」

愛用するイギリス製の編み機を紹介する栗原さん

クリスマスプレゼントにきだてさんに贈ってもらったイギリス製の編み機

お気に入りの毛糸コレクションの中には、きだてさんのお母さまが手紡ぎした毛糸も。

栗原「彼のお母さまが草木染の工房を開いていた際に、原毛を染めて紡いで糸にしていたそうなんです。それをいただいたので、せっせと私が玉にしたのですが、できあがってみたらもう色合いが可愛すぎて。ずっとこのまま飾っておきたいな、と思っています」

草木染めした毛糸

草木染ならではの柔らかな色合いがキレイな毛糸

実は、お互いの趣味を掛け合わせたニットブランド「ito to bunbougu(イト ト ブンボウグ)」を立ち上げたおふたり。鉛筆そっくりの配色のマフラーなど、文房具モチーフのニットを製作、販売しています。

鉛筆マフラー

消しゴム付き鉛筆をモチーフにした「ito to bunbougu」のロングマフラーたち

鉛筆マフラーを笑顔でもつきだてさんと栗原さん

「鉛筆マフラーは、柔らかくてチクチク感のないメリノウール100%の糸を使っています」(栗原)

共有スペースには、“趣味”を侵食させないルール

それぞれ趣味を満喫しているおふたりですが、共同生活を営んでいく上では好き放題にはできません。お互いにフリーランスであるため、自宅が共通の仕事場にもなっているきだてさんと栗原さんの場合は、ストレスなく毎日を過ごすために、どのような工夫をしているのでしょう?

きだてさんの文房具コレクション部屋

基本的にはコレクションの文房具はすべてこの部屋に収納している

きだて「ふたりで住む家を探すことになった時、最初に『文房具の収納部屋を1つください』とお願いしました」

栗原「私も出会った頃から彼が文房具ライターだということを知っていましたし、そこは『はーい、わかりました』と受け入れられましたね。でも、やっぱり初めて見た時は『……うん。すごいね』という感じでしたけど(笑)。ちなみに全貌はいまだに把握できていません…」

「すべての文房具はこの部屋内で管理する」というのが夫婦のルール。しかし、時には共有スペースであるリビングにうっかり文房具が溢れ出すこともあるそうです。

栗原「基本的にはしばらく放置しておくんですね。でも、私の体調が優れない時や、気持ちに余裕がない時は我慢できなくなって、ガッと集めて収納部屋に戻しておきます(笑)」

きだて「実は、整理整頓が本当に苦手なんですよ。だからそういう時は素直に『すいませんでした』と謝るしかない(笑)」

夫婦共有の仕事場の本棚

夫婦共有の仕事場の本棚は、すっきり整頓されている

栗原「でも、いくら邪魔でも勝手に捨てるようなことは絶対にしませんよ。一緒に暮らしていく上で、自分がされたら嫌なことは相手にもしないように心がけています。そのあたりの価値観は、付き合い始めた段階からある程度は一致していましたね」

きだて「夫婦も、結局は他人じゃないですか。相手を尊重したら、人の所有物を勝手に捨てるのなんて、できないことだと思うんです。ふたりとも、もうそれぞれのパーソナリティが完成された大人なので、自分にはない趣味なり、こだわりなり、持っているものがある。それがあっての妻だし、それがあっての僕だから、まるっと全部尊重しようよ、という思いはやっぱりありますね」

笑顔で話す栗原さん

栗原「趣味の話とはちょっと違うのですが、以前に付き合っていた男性の中には、私が漫画家であることをよく思わない人もいたし、『漫画は好きだけど俺より稼がれると嫌』『結婚したら漫画やめるんでしょ』と言われたこともあって。でも、彼はそういうことには一切口を出してこない。仕事が生活スタイルに直結している人間同士だからこそ、自然に尊重しあえているのかなと思います」

相手が大事にしている仕事や趣味には、踏み込みすぎずに距離を保つ。パートナーを思いやる余裕が自然と育まれたのは、それぞれの「好き」を貫いて生きてきた大人同士の結婚だからこそかもしれません。

いい夫婦の秘訣は、いい距離感にある

「自分の趣味に相手を巻き込もうと思ったことはありますか?」とたずねると、おふたりは口を揃えて「ないです」と即答しました。

きだて「巻き込もうとは全然思いませんが、僕の趣味が彼女の役に立てばいいな、っていう気持ちはありますね。たとえば、僕は海外のECサイトで文房具を買うことも多いので、彼女が海外製の編み物グッズが欲しい時は代わりに購入することも。漫画を描くのに便利そうな文房具を薦めることもあります。それに、家に絵が上手い人がいるのってすごい便利なんですよ(笑)。新製品のボールペンの試し書きをする時に、『ちょっとこれで絵を描いて』とお願いしたりして」

栗原「便利ってひどくない?しかも『これ記事用に撮影するからもうちょっとこうして』とか言ってくるんですよ(笑)」

笑顔で話すきだてさん

きだて「いやいや、もちろん尊敬している部分もたくさんあります。だって彼女、高校生でデビューして、31年間ずっと漫画家を続けてきているんですよ。その事実だけで、もう十分リスペクトしています」

とても仲睦まじいおふたりですが、もちろん夫婦げんかをすることもあるそうです。どんなことが原因で、どのように仲直りしているのでしょう?

栗原「加湿器を上に置くか下に置くかとか、本当にくだらないことでケンカをすることもあります(笑)。私はへそを曲げると口をきかなくなるんですね。意地を張って3日間ほど口をきかずにいたら、話せないことが苦痛になってきて…」

きだて「そういう時は、なるべく僕から話しかけるようにしています。仲直りしたいというのもあるけれど、僕は上機嫌でいることが好きなんですよ。でも不機嫌な人が場にいると、そっちに引っ張られてしまう。だからなんとか機嫌のいい彼女に戻ってもらおうと、歩み寄ります」

最後に、ずばり「夫婦が仲良くやっていく秘訣とは?」と伺いました。

きだて・栗原お互いの好きなこととは適度な距離感を保ちつつ、一緒に楽しめる出来事や感情は距離感ゼロで楽しむ。私たちは、気になる映画や展覧会を見つけたら、ふたりで観に行くようにしています。それが仲良くやっていく秘訣なのかな」

笑顔のきだてさんと栗原さんの2ショット

自分の「好き」と同じように、相手の「好き」を尊重すること。ひとつ屋根の下で快適に暮らしていくために、ルールを決めて相手を思いやること。パートナーの趣味に悩まされている人は、おふたりのスタイルから学べることがきっとあるはずです!

編集:ノオト

撮影:小野奈那子

この記事を書いた人

阿部花恵

阿部花恵

フリーランスの編集者・ライター。育児・教育、働きかた、ジェンダー、LGBTQ、文芸などのテーマを中心に取材・執筆・編集を手掛ける。ハフポスト日本版、東洋経済オンライン、クラシコムジャーナル、「ダ・ヴィンチ」、「AERA MOOK」シリーズなどに寄稿。構成担当の書籍は「女に生まれてモヤってる!」(ジェーン・スー、中野信子)など。

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